アルツハイマー型認知症とは?基礎知識を学ぶ

認知症の種類

団塊の世代が75歳を超える2025年には、認知症高齢者の数は700万人にも上ると予想されています。これは高齢者(65歳以上)の5人に1人が認知症ということになります。そして、その約半数を占めるのがアルツハイマー型認知症で、最も多い認知症の原因疾患です。

他の認知症の患者数が横ばいなのに比べ、アルツハイマー型認知症は増加傾向にあります。発症の大きな原因は加齢であり、年齢が上がるにつれて発症のリスクが高まります。

この国民病とも言える認知症は決して他人事ではなく、誰にでも起こり得る可能性があるのです。自分ではなくとも、家族などの身近な人に起こる可能性も考えられます。

認知症に対する知識を国民1人ひとりが学び、理解を深めていくことが求められています。

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アルツハイマー型認知症の原因とは?

脳が委縮する原因物質

アルツハイマー型認知症の原因はまだ明らかになっていません。ただ、何らかの原因で脳内にアミロイドβタウと呼ばれる異常なたんぱく質が溜まり、神経細胞が壊れて死んでしまうことで脳が萎縮していきます。

この脳の萎縮や神経細胞が死んでしまい神経伝達ができなくなることで認知症の症状が現れると言われています。このたんぱく質の蓄積に関係している原因の一つが加齢です。70歳を超えると、5歳年齢を重ねるごとに認知症の発症率が2倍になるとも言われています。

 

食事や性格も起因する?

また、さまざまな研究から、アルツハイマー型認知症の危険因子には喫煙や運動不足、高血圧、糖尿病、肥満などの生活習慣が関わっていることが分かっています。魚や野菜をあまり食べない肉中心の食生活もよくありません。

さらに、病前の生活が変化に乏しく単調であったり、几帳面で生真面目で頑固な性格であること、タバコや睡眠不足、社会との関わりが少ないことなども発症のリスクを高めます。また、うつ病との関係も指摘されています。

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アルツハイマーと遺伝の関係性

遺伝により発症する家族性アルツハイマー型認知症というものもあり、両親のどちらかが家族性アルツハイマー病であると、その子供は1/2の確率で発症すると言われています。

また、アメリカの研究では、危険因子とされる「ApoE4」の遺伝子を持っていると、アルツハイマー型認知症になりやすい結果が出ています。特に男性よりも女性が発症率が高いとのことです。

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アルツハイマー型認知症の症状

認知症の症状は大きく2つに分かれます。脳の障害そのものにより起こるものを『中核症状』といい、中核症状に本人がもともと持っている性格や環境、人間関係などさまざまな要因が絡み合って起こるものを『周辺症状(行動・心理症状=BPSD)』といいます。

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中核症状の種類や治療

記憶障害、見当識障害、理解・判断力の低下、実行機能障害、失認、失行、失語などです。

認知症になると全員に現れる症状です。抗認知症薬や脳循環改善薬などの服薬、各種リハビリテーションの実施などにより進行のスピードを遅らせることができます。

中核症状の一覧
記憶障害 新しいことを覚えられなくなります。
見当識障害 時間・場所・人物などがわからなくなることを言います。
理解・判断力の低下 物事の判断ができなくなり、混乱し、季節にあった服を
着ることができなくなるなどの症状が現れます。
実行機能障害 段取りや計画を立てられなくなり、家電やATMが使えなくなります。
失認 視覚に問題がないのに見てもそれが何であるかわからなくなります。
失行 身体に異常がないのにもかかわらず、服が着脱ができなくなったり
道具の使い方が分からなくなります。
失語 しゃべる機能に問題がないのに、物や人の名前が出てこなくなります。
見当識障害 時間・場所・人物などがわからなくなることを言います。

 

周辺症状の種類や治療

不穏、抑うつ状態、異食、暴力・暴言、介護拒否・介護抵抗、人格変化、徘徊、幻覚、妄想、不眠・睡眠障害などがあります。

個人差が大きく、全く症状が現れない人もいますし、在宅や施設などでの生活が困難なほどの症状が現れ、医療機関に入院となる方もいます。認知症の人が安心・安全な生活を送ることができるように、そばで温かく見守り寄り添ってくれる人がいることが症状の現れ方を左右します。

周辺症状の一覧
不穏 そわそわイライラしているなど落ち着かない状態をいいます。
抑うつ状態 ふさぎこみ物事に興味を示さなくなります。
異食 食べ物以外のものを口にしてしまします。
暴力・暴言 ささいなことでも大声をあげたり、手をあげたりしてしまうことがあります。
介護拒否・介護抵抗 入浴や着替えを嫌がるなどです。
人格変化 元の性格とは異なる様子がみられます。徘徊は何かを探したり
居心地が悪いなどの原因で歩き回ります。
幻覚 現実にないものが見えたり、聞こえたりします。
妄想 財布や物を盗られたと思ってしまいます。
不眠・睡眠障害 夜間に眠らなくなったり、昼夜が逆転します。

アルツハイマー型認知症の治療

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アルツハイマー病の治療の薬とは?

現在、アルツハイマー型認知症を完治させる方法は残念ながらありません。抗認知症薬や脳循環改善薬の服薬により進行のスピードを遅らせたり、環境を整えてもなくならない周辺症状に対しては抗精神薬、抗うつ薬、抗不安薬、睡眠導入剤なども用いられます。

ただし、高齢者は加齢による代謝機能の低下から薬剤に対して過敏に反応してしまうことがあるため、用法用量については細心の注意を払う必要があります。

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アルツハイマーの非薬物療法とは?

このほかに、薬を用いない非薬物療法といわれるリハビリテーション療法があります。RO法、日常生活動作訓練、回想法、レクリエーション療法、音楽療法、園芸療法などさまざまな種類があり、脳の活性化を促すことが目的です。

ただし、あくまでも薬物療法・非薬物療法どちらとも症状をコントロールする対症療法であり、認知症を治すものではないのです。

また、認知症の発症要因には生活習慣が関係していることがわかっていますが、進行を遅らせることにも生活習慣は大変重要であります。生活習慣を見直し、規則正しい生活を送ることができるように整えることも一つの方法です。

アルツハイマー型認知症の予防と対策

アルツハイマー型認知症は、バランスのとれた食事や喫煙・アルコールを控え、適度な運動など生活習慣病を予防することが認知症の発症防止に繋がります。また、パターン化された行動ではなく、常に意識した行動を心がけ、人と関わる機会を積極的に持つことも大切です。

青魚や抗酸化物質を摂る

1日3食規則正しく食事を摂り、特に青魚にはEPAやDHAが多く含まれており、コレステロールを低下させたり、血液をサラサラにしてくれる効果があります。

また、抗酸化物質であるビタミンCやビタミンEには、老化防止や美容、風邪予防など様々な効果があることがわかってきました。これらの抗酸化物質が含まれている野菜や果物を摂ることでアルツハイマーになりにくくなります。

そのほか、赤ワインに含まれるポリフェノールやイチョウ葉エキスに含まれるギンコライド、山芋に含まれるジオスゲニンにも認知症を予防する効果があります。

ウォーキングとBDNFの関係と効果とは?

アルツハイマーは運動不足や肥満などが起因していることがわかってきました。そのため、適度な運動はアルツハイマーのリスクを減らし、結果予防に繋がります。

特にウォーキングによる有酸素運動を行うことで、記憶力を高める脳由来神経栄養因子(BDNF)が多く分泌され、脳のニューロン(神経細胞)が増えて結合し、脳が活性化します。その結果、記憶力や認知力が高まり、アルツハイマー予防に繋がります。

また、血流が改善されることで、学習能力も高まり、運動後に頭を使うとより効果的です。

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おわりに

5年間で約50%の人が認知症へと進行すると言われています。認知症は現在の医療では進行のスピードを遅らせることしかできず、完治させることができません。

しかし、上記で挙げたように予防対策方法は色々ありますので、積極的に行い、認知症予防に役立てていただければ幸いです。

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