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2015年 介護保険制度改正で変わった4つのポイント

(最終更新:2017年11月2日)
2015年 介護保険制度改正で変わった4つのポイント

介護保険制度は2000年にスタートしてから何度か改定をしてきました。介護保険の見直しは、3年ごとに介護報酬と介護認定の改正、5年ごとに介護保険法の改正が行われます。

今までの介護保険制度改正
2006年
  • 介護予防給付の新設
  • 介護認定区分を6→7段階に引き上げ
  • 市区町村自治体ごとに地域包括支援センターを設置
2009年
  • 介護報酬の引き上げ
  • 認定審査項目の見直し
2012年
  • 24時間随時サービスの新設
  • 地域包括ケアの推進
  • 複合型サービスの導入

改定年となる2015年は、大幅な改正が実施されました。

その理由として、10年後の2025年に団塊(ベビーブーム)世代が75歳以上になり、65歳以上の高齢人口は約3,600万人以上になると言われています。

日本は諸外国と比べると急速に高齢化が進んでいて、高齢者1人につき介護者1人が支える社会がもうすぐきています。

これらを踏まえて改正された2015年の介護保険改正のポイントを1つ1つ見ていきましょう。

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自己負担を1割から2割に引き上げ(平成27年8月から)

2割負担になる対象者は?

これまで介護保険サービスを利用する場合は、サービス利用料金の1割を自己負担になっていました。2025年に団塊世代の人達が75歳を迎えた時、介護保険制度が無くならないようにするため、

2015年8月から一定以上の所得がある65 歳以上(第1号被保険者)の方にはサー ビス利用料金の2割を負担することになります。

2割負担の対象者は、

  • 65歳以上の方で、合計所得金額が160万円以上の方
  • 65歳以上の方で、単身で年金収入のみで年収280万円以上の方

になります。

ですが、必ず2割負担になるのかというとそうではなく、

  • 世帯内の65歳以上の方の「年金収入とその他の合計所得金額」の合計が単身で280万円未満
  • 2人以上で346万円未満

の場合は1割負担になります。

利用者負担の流れ1

対象者になったら毎月2割負担になる?

実は高額介護サービス費という制度があるため、2割負担をする人はごくわずかになります。その理由として負担上限を超えた場合、超えた分が払い戻される仕組みだからです。

高額介護サービス費についての詳しいことは下に記載されている「高額介護サービス費の負担上限額の変更」を参照してください。

自分の負担額を知るには?

なお、介護サービス利用者の人には、毎年、7月に利用者負担割合(1割または2割)が記載された介護保険負担割合証が自宅に送付されますのでご確認ください。

介護保険負担割合証

高額介護サービス費の負担上限額の変更(平成27年8月から)

高額介護サービス費とは?

高額介護サービス費とは、1ヵ月に支払った利用者1割負担合計額が所得に応じて区分された上限額を超えた場合、超えた分が払い戻される制度です。

一般的な所得の方の負担の上限は 37,200 円です。

関連記事 2017年8月 高額介護サービス費制度改正|対象・段階・申請方法を解説

負担上限額はどれくらい引き上げられるの?

2015年8月より、所得の高い医療保険の現役並み所得に相当する世帯の方については、月額負担上限が 37,200 円から 44,400 円に引き上げられます。

負担段階 対象者 月額負担の上限額
第1段階 生活保護を受給している 15,000 円(個人)
第2段階 ・老齢福祉年金を受給している
・前年の合計所得金額と公的年金等収入額の合計が年間80万円以下
24,600 円(世帯)
15,000 円(個人)
第3段階 世帯の全員が住民税を課税されていない 24,600 円(世帯)
第4段階 世帯内のどなたかが住民税を課税されている 37,200 円(世帯)
第5段階
(新設)
現役並み所得者に相当する人がいる世帯 44,400 円(世帯)

負担上限の引き上げの対象者は?

同一世帯内にいる65歳以上の人の課税所得(収入から公的年金等控除、必要経費、給与所得控除等を差引いた)が145万円以上の場合は対象になります。  

ですが、

  • 同一世帯内に 65 歳以上の方が1人でその人の収入が383万円未満
  • 同一世帯内に 65 歳以上の方が2人以上(夫婦など)でそれらの人の収入の合計額が520万円未満

の場合は、市区町村に申請することで 37,200 円に引き下げになります。

特別養護老人ホームの入居基準を要介護1から3以上に変更(2015年4月から)

特別養護老人ホームはすぐ入所できる?

特別養護老人ホームは、今まで要介護1~5までの方が入所していました。しかしながら、入所希望した人は全員入所しているのかというとそうではなく、

現状は特別養護老人ホームは非常に人気があるため、入所したくても入所できる隙間がなく、在宅生活をしかたなく続けている要介護者(特に重度の人)がたくさん待機待ちの状態です。

新規入所者の見直しとは?

重度の要介護者の人が優先的に特別養護老人ホームへ入所できるように、2015年4月より原則として要介護3以上の人だけが入所できるよう改正されました。

要介護1~2の場合、入所は不可能なの?

現在、特別養護老人ホームに入所している要介護1、2の人は継続して入所することが可能です。

新規で入所を考えている要介護1、2の人でも以下の場合は、特例的に入所することができます。

  • 認知症で、日常生活に支障を来すような症状等が頻繁に見られる
  • 知的障害・精神障害等を伴い、日常生活に支障を来すような症状等が頻繁に見られる
  • 深刻な虐待が疑われること等により、心身の安全・安心の確保が困難な状態である
  • 単身世帯等家族等の支援が期待できず、地域での介護サービス等の供給が不十分である

上記に当てはまる場合は、特別養護老人ホームの入所申込書に上記理由を記載してください。その後、施設と市区町村が特例的に入所できるかどうかを検討して、本人または家族に連絡がいきます。

低所得者の施設負担軽減(平成27年8月から)

負担軽減の対象外はどんな人?

今までは介護保険サービスが使える施設(介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設)やショートステイを利用する人の食費・部屋代は、本人負担でした。

しかし、食費・部屋代などの負担軽減を希望される人については、前年の所得により負担軽減ができるかどうかを決めていました。

2015年8月からは、低所得と一般の平等性を高めるため、以下の改正が追加されました。

  • 配偶者が住民税を課税されている場合には負担軽減の対象外になる(世帯が同じかどうかは問わない)
  • 預貯金等の金額が基準額を超える場合には負担軽減の対象外になる 配偶者がいる人は合計2,000万円、配偶者がいない人は合計1,000万円

※預貯金等の金額については、入居実態や入所費用等を照らし合わせて決定しますので一概に上記金額とは限りません。

預貯金とは具体的にどのようなもの?

預貯金に含まれるものは以下になります。

預貯金等に含まれるものとその確認方法
預貯金(普通・定期) 通帳の写し (インターネットバンクであれば口座残高ページの写し)
有価証券(株式・国債・地方債・社債など) 証券会社や銀行の口座残高の写し (ウェブサイトの写しも可)
金・銀(積立購入を含む)など、購入先の口座残高によって時価評価額が容易に把握できる貴金属 購入先の口座残高の写し (ウェブサイトの写しも可)
投資信託 銀行、信託銀行、証券会社等の口座残高の写し (ウェブサイトの写しも可)
タンス預金(現金) 自己申告

負担軽減するためには何か必要?

負担軽減を希望される場合は、本人や配偶者の預貯金や配偶者の所得情報を市区町村の窓口へ申告しなければいけません。

万が一、不正に負担軽減を受けた場合、過去に受給した負担軽減額と更に最大2倍の加算金の返還請求がありますので、不正は絶対にしないでください。

利用者負担段階と負担限度額とは?

市区町村に申請することで、第1~4段階までの負担軽減を受けることができます。

利用者負担段階ごとの対象者と負担限度額の違いは以下になります。

負担段階 対象者
第1段階
  • 世帯の全員が住民税を課税していなく、老齢福祉年金を受給している人
  • 生活保護等を受給している人
第2段階
  • 世帯の全員が住民税を課税していなく、合計所得金額と公的年金等収入額の合計が年間 80 万円以下の人
第3段階
  • 世帯の全員が住民税を課税していなく、上記第2段階以外の人
第4段階
  • 上記以外の人
負担段階 負担限度額(日額)
部屋代 食費
第1段階 多床室 0 円 300 円

 

特養従来型個室 320 円
老健従来型個室 490 円
ユニット型準個室 490 円
ユニット型個室 820 円
第2段階  多床室370 円 390 円
特養従来型個室 420 円
老健従来型個室 490 円
 ユニット型準個室490 円
 ユニット型個室820 円
第3段階  多床室370 円 650 円
特養従来型個室 820 円
老健従来型個室 1,310 円
 ユニット型準個室1,310 円
 ユニット型個室1,310 円
第4段階 負担限度額なし

おわりに

いかがでしたか?公的介護保険サービスをご利用の方はまずご自身が何割負担になっているのかを確認してみてください。所得によって分けられた上限額を超えていた場合は、お金が戻ってきますので、必ずお住まいの市町村へ申請をして受取りましょう。


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(最終更新:2017年11月2日)