介護福祉士の試験を受けようと思っているので受験資格や合格率を知りたい
介護福祉士の仕事内容や給料を知りたい
上記のようにこれから介護福祉士の資格を取得するにあたり詳しく知りたい方はこの記事を読むことで解決できます。
この記事では、介護福祉士のメリット、受験資格取得ルート、試験内容、合格率、仕事内容、将来性、転職先、などを詳しく解説しますのでぜひ参考にしてみてください。
介護福祉士とは
介護福祉士とは、国家資格の一つで、通称CW:(Certified Care Worker)ケアワーカーとも呼ばれています。
介護福祉に関する専門的な知識および技術を持って、寝たきりや認知症高齢者、身体障害者、知的障害者など介護を必要とする人たちやその家族を対象に、心身の状況に応じた介護をしたり、介護に関する指導を介護者に行います。
介護福祉士の定義は、
第四十二条第一項の登録を受け、介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護(喀痰吸引その他のその者が日常生活を営むのに必要な行為であつて、医師の指示の下に行われるものを含む。)を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うことを業とする
とされており、社会福祉士・介護福祉士法に基づき1987年に国家資格制度として制定されました。
介護福祉士のメリット4つ
【メリット①】仕事の選択の幅が広がる
介護福祉士の資格を取得することで、仕事の選択の幅が広がったりキャリアアップに役立ちます。
介護福祉士は介護の現場において必要な存在であり、また介護福祉士として実務経験を積むことでケアマネジャーを目指すこともできます。
【メリット②】信頼を得られる
国家資格である介護福祉士を取得することで、専門職としての証明になり利用者や家族の方に安心感を与えたり信頼を得やすくなるでしょう。
また専門的な知識や技術を学ぶことで、職場にとっても介護サービスの質が向上し信用や大きな強みに繋がります。
【メリット③】給料アップできる
介護福祉士の資格を取得することによって、基本給が上がったり資格手当などで給与アップが期待できます。
また管理職に就くことができれば、さらなる給与アップも見込めるでしょう。無資格者の方と比べると、数万円の違いが出てきます。
【メリット④】転職に有利
人手不足の介護業界では、未経験者や無資格者も募集したり、採用したりしてはいますが、即戦力として期待できる介護福祉士を募集・優遇している求人もたくさんあります。
国家資格である介護福祉士は全国で通用する資格ですので、転職や就職でも有利に働きます。
介護福祉士の仕事内容とは
職場によって仕事内容は違いますが、主な業務は以下の2つが基本です
- 身体介護
- 生活援助
介護の職場も大きく分けて2つあります。
利用者の自宅での支援、介護施設や医療機関での支援、訪問入浴介護などを行います。
施設介護
24時間体制の所もあるため様々な時間帯で勤務することも多く、一度に複数人の支援を行ったりすることもあります。
生活援助は資格がなくても行えますが、身体介護は知識や技術が必要なため無資格では行えません。
①身体介護とは
利用者の身体に直接触れながら、利用者の様々な身体状況に合わせ、身体に関する介護全般を行います。
食事介助
利用者の状態に合わせて、体勢やどの位置からどれくらいの量を口に運べばいいのかなどを考えながら食事の介助を行います。他にも歯磨きやうがいなどの口腔ケア、口腔体操や嚥下体操などのサポートもあります。
排泄介助
排泄やおむつ交換などの介助を行います。トイレまで連れて行ったり、ポータブルトイレを使用したり、ベッドの上で介助をしたりと、プライバシーに配慮しながら介助を行います。
入浴介助
髪や身体の全身洗浄、足浴、タオルを使っての清拭など、利用者の入浴の介助を行います。健康を保つためには入浴や清潔保持はとても重要です。
移乗の介助
ベッドから車イス、車イスからベッドなどへの移動するための介助をします。利用者の体は麻痺、筋力低下などさまざまな病状がありますので負担がかからないように介助を行います。
着替えの介助
利用者の身体状態を見ながら着替えの介助を行います。脱健着患を意識しつつ身体に負担をかけずスムーズに着替えを手伝います。
体位変換
同じ場所が圧迫され血流が悪くなってしまうと床ずれを起こしたり、関節も固まって拘縮してしまいます。そうならないために、仰向けに寝ている状態から横にしたり、座っている状態から立たせたりと体位を変えます。
移動介助
立ったり、座ったり、歩いたりなどの移動や、車椅子や杖を使っての移動の介助を行います。段差の上り下りや階段の上り下りなど、少しでも不安を取り除き安全に移動ができるように手伝います。
通院介助
利用者が通院するための身支度や、交通機関を使っての移動などの介助を行います。車での乗り降りや、段差や横断歩道などでのサポート、病院での手続きなども手伝います。
②生活援助とは
食事の用意や掃除、洗濯、買い物などを利用者がひとりで行うのが難しい場合に、日常生活に必要な家事を代わって行うのが生活援助です。
調理
利用者の自宅で食事の用意をします。利用者の好みや状態、栄養バランスなどを考えながらメニューを決め、準備・調理・後片付けやゴミ出しなどを行います。
掃除
利用者の自宅の掃除をします。利用者によって清掃方法は違いますが、掃除機をかけたり、雑巾がけ、整理整頓などを行います。
洗濯
利用者の自宅で衣類等の洗濯や収納、衣服の修理などを行います。
買い物
利用者の代わりに日用品などの買い物の代行、薬の受け取りなどを行います。
生活に関する相談・助言
ケアマネージャーなどと連携を取りながら適切なアドバイスや助言を行います。介護技術、介護用品に関する相談以外は対応できません。
③その他
レクリエーション
施設でのレクリエーションの際に、企画や実施なども行います。
介護福祉士の将来性は?
将来性やニーズが非常に高い資格
今後、2025年には65歳以上の高齢人口は約3,600万人以上になり家族だけで介護をすることは困難が予想されます。
体力的にきつい仕事というイメージがありますが、高齢化の進行や国民の福祉ニーズの多様化、地域密着型サービス、介護予防サービスのマンパワーとしての期待が高まっています。
就職をする際には、介護福祉士の資格を取得していた方が有利ですし、給料面でも資格手当が付きます。
転職をする場合、50歳以上であっても介護福祉士の資格を持っているだけで転職は可能です。それくらい人手不足の業界であり、ニーズが高い資格と言えます。
介護福祉士の登録者数
しかし介護が必要な老齢者の数が爆発的に増えていて、それでも人手が足りていないのが介護業界なのです。今まさにもっとも社会に必要とされている資格の1つと言えます。
以下のグラフを見ても分かる通り、社会福祉士や精神保健福祉士に比べて介護福祉士の需要は年々ものすごい勢いで高まっています。
参考 認定介護福祉士とは|受講費用・必要書類・資格取得ルート・取得方法を解説
介護福祉士の就職・転職先
介護福祉士はどのような働き先があるかというと
などの在宅や施設などの幅広い介護業界で働くことが可能です。
この時介護を行う対象は一人で活動できなくなった高齢者以外にも障害者も含まれており、障害者の介護スタッフとしての役割を担うこともあります。それ以外にも旅行などのサービス関連の職種でも活用することができます。
介護福祉士の給料
介護福祉士の資格を持っている人の給料は、だいたい月給が15万〜22万となっていて、年収にして250万円〜300万円となっており、非常勤の場合は、時給800円~1200円くらいが相場になっているようです。
給料 | 金額 |
年収 | 300万円〜400万円 |
月収 | 22万〜26万円 |
時給 | 900円~1500円 |
行政機関の場合、公務員給与規定に基づきます。
施設・病院・企業・事業所などの場合、地方公務員給与規定に準じて決める場合が多いですが、地域や規模、勤務形態によってはバラつきがあります。東京の場合、大学卒業で初任給が約195,000円ほどになります。
基本給のほか、扶養手当、住宅手当、通勤手当、超過勤務手当、調整手当、特殊勤務手当、夜勤手当、宿直手当などが付きます。賞与の有無や回数は勤務先によって異なります。
参考 2019年10月新処遇改善加算で10年勤続の介護福祉士が8万円アップ?
介護福祉士の受験資格・資格取得方法4つ
介護福祉士の資格取得ルートは以下の4つのルートがあります。
- 実務経験ルート(実務経験3年以上+実務者研修修了)
- 福祉系高校ルート(学校へ通う 1855時間程度)
- 養成施設ルート(養成施設2年以上 1850時間程度)
- 経済連携協定(EPA)ルート(実務経験3年以上+介護福祉士候補者(インドネシア人など))
【1】実務経験ルート
- 実務経験3年以上 + 実務者研修 ▶ 筆記試験 ▶ 実技試験免除
「実務経験3年以上」で、「介護職員基礎研修課程」と「喀痰吸引等研修(3号研修を除く)」の両方を修了している場合、「実務者研修」を修了した方と同様に受験資格となります。
【2】福祉系高校ルート
- 新カリキュラム(※2009年度以降入学者) ▶ 筆記試験 ▶ 実技試験免除
- 特例高校等(※2009年度以降入学者) ▶ 実務経験9ヶ月以上 ▶ 介護技術講習 ▶ 筆記試験 ▶ 実技試験免除
- 特例高校等(※2009年度以降入学者) ▶ 実務経験9ヶ月以上 ▶ 筆記試験 ▶ 実技試験あり
- 旧カリキュラム(※2008年度以前入学者) ▶ 介護技術講習 ▶ 筆記試験 ▶ 実技試験免除
- 旧カリキュラム(※2008年度以前入学者) ▶ 筆記試験 ▶ 実技試験あり
【3】養成施設ルート
- 高等学校等 ▶ 介護福祉士養成施設(2年以上) ▶ 筆記試験 ▶ 実技試験免除
- 高等学校等 ▶ 福祉系大学等 ▶ 介護福祉士養成施設1年以上(社) ▶ 筆記試験 ▶ 実技試験免除
- 高等学校等 ▶ 社会福祉士養成施設等 ▶ 介護福祉士養成施設1年以上(社) ▶ 筆記試験 ▶ 実技試験免除
- 高等学校等 ▶ 保育士養成施設等 ▶ 介護福祉士養成施設1年以上(保) ▶ 筆記試験 ▶ 実技試験免除
【4】経済連携協定(EPA)ルート
- 実務経験3年以上 ▶ 介護技術講習または実務者研修 ▶ 筆記試験 ▶ 実技試験免除
- 実務経験3年以上 ▶ 筆記試験 ▶ 実技試験
介護福祉士の試験概要
介護福祉士の国家試験の内容は以下になります。
申込受付月
令和3年8月18日(水曜日)から9月17日(金曜日)まで(消印有効)
受験を希望される方は、あらかじめ受験の申し込みに必要な書類「受験の手引」を取り寄せる必要があります。
なお、過去の試験(第10回~33回)で、受験票を受け取った方のうち、確定した証明書を提出した方は、インターネットによる受験申し込みができます。
試験日
筆記試験
令和4年1月30日(日曜日)
実技試験
令和4年3月6日(日曜日)
試験会場
筆記試験(35試験地)
北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、福島県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、石川県、長野県(※)、岐阜県、静岡県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
(※)新規(松本地域予定)
実技試験(2試験地)
東京都、大阪府
受験科目
筆記試験
分野 | 科目 |
人間と社会 | ・人間の尊厳と自立 ・人間関係とコミュニケーション ・社会の理解 |
介護 | ・介護の基本 ・コミュニケーション技術 ・生活支援技術 ・介護過程 |
こころとからだのしくみ | ・発達と老化の理解 ・認知症の理解 ・障害の理解 ・こころとからだのしくみ |
医療的ケア | ・医療的ケア |
総合問題 | ・総合問題 |
実技試験
介護等に関する専門技能
受験料
18,380円
試験方法
- 筆記試験
- 実技試験
試験時間
筆記試験
一般受験者 | 午前10時00分~11時50分 |
弱視等受験者 (時間が通常の1.3倍) |
午前10時00分~12時25分 |
点字等受験者 (時間が通常の1.5倍) |
午前10時00分~12時45分 |
EPA介護福祉士候補者 (時間が通常の1.5倍) |
午前10時00分~12時45分 午後13時45分~16時30分 |
EPA介護福祉士候補者以外の 外国人の方等で 希望した受験者 (時間が通常の1.5倍) |
午前10時00分~12時45分 午後13時45分~16時30分 |
弱視等受験者 (時間が通常の1.3倍) |
午後13時45分~16時10分 |
点字等受験者 (時間が通常の1.5倍) |
午後13時45分~16時30分 |
実技試験
筆記試験に合格した方に別途通知します。
合格基準
筆記試験
次の2つの条件を満たした者を筆記試験の合格者とする。
- 問題の総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上の得点の者。
- ①を満たした者のうち、以下の試験科目11科目群すべてにおいて得点があった者。
- 人間の尊厳と自立、介護の基本
- 人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術
- 社会の理解
- 生活支援技術
- 介護過程
- 発達と老化の理解
- 認知症の理解
- 障害の理解
- こころとからだのしくみ
- 医療的ケア
- 総合問題
※配点は、1問1点の125点満点である。
実技試験
課題の総得点の60%程度を基準として、課題の難易度で補正した点数以上の得点の者を実技試験の合格者とする。
合格率・受験者数・合格者数
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
第33回 2021年 | 84,483人 | 59,975人 | 71% |
第32回 2020年 | 84,032人 | 58,745人 | 69.9% |
第31回 2019年 | 94,610人 | 69,736人 | 73.7% |
第30回 2018年 | 92,654人 | 65,574人 | 70.8% |
第29回 2017年 | 76,323人 | 55,031人 | 72.1% |
第28回 2016年 | 152,573人 | 88,300人 | 57.9% |
第27回 2015年 | 153,808人 | 193,760人 | 61.0% |
第26回 2014年 | 154,390人 | 99,689人 | 64.6% |
第25回 2013年 | 136,375人 | 87,797人 | 64.4% |
第24回 2012年 | 137,961人 | 88,190人 | 63.9% |
第23回 2011年 | 154,223人 | 74,432人 | 48.3% |
合格発表
令和4年3月25日(金曜日)
毎年3月末 ホームページまたは受験地にて受験番号を掲示
お問い合わせ
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-5-6
TEL:03-3486-7559(音声案内24時間対応)
ホームページ:http://www.sssc.or.jp/index.html