介護の123

服を力任せに引き寄せて、利用者に衣類を被せる着脱は正しい介助?

(最終更新:2016年12月15日)
服を力任せに引き寄せて、利用者に衣類を被せる着脱は正しい介助?

ヘルパーSさんは「この麻のスウェットを着るんですね」と言って両手に障害がある利用者Mさんの頭上から、いつものようにスッポリとスウェットを被せました。

それから襟回りを下に引きよせて頭を通します。その度にスウェットの麻が、顔のいたるところに擦れて痛いのですが、Mさんは目を閉じて我慢します。

Mさんは両手が障害になる前は、ミシンでの手芸が趣味で、部屋には色々な服やズボンがあり全てMさんの手作りです。

実はその日着せてもらった麻のスウェットも、Mさんが元気だった頃にミシンを作ったものでした。スウェットに雪の柄を入れるのにずいぶん苦労したこともあり、Mさんにとっては思い出深いものです。

しかし、その雪柄も形が崩れてしまいました。ベッドに枕元には麻のカバーが被せられたティッシュの箱が置いてありますが、そこにもスウェットと同じ雪の柄で作られています。

実は、スウェットを作る前に、練習用に作ったものでした。(スウェットの模様もこれと同じだったのに、ヘルパーの人があちこと引きよせて被せるから、こんなにダラダラに伸びてしまった)とMさんはそのティッシュカバーを見る度にいつも思うのです。

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利用者の対策

「被せ介助」の着脱介助とは、利用者の服の一箇所を引っ張り服を被せる方法です。このケースと同じく服を頭から無理やり被せ、下に引きよせる着脱するのが、「被せ介助」の基本となります。

また、シャツなどの着脱ではヘルパーや職員が片方に袖を通した後、もう一方の袖を単に引きよせて着せようとしていたなら、それも「被せ介助」です。

ちなみに、ヘルパーや職員が「被せ介助」や「剥ぎ取り介助」の介助をするかどうかは、靴下に履かせ方や脱がせ方を見れば簡単にチェックできます。

例えば、靴下をつま先に当てて、引きよせて上にあげるのみで履かせたなら「被せ介助」や「剥ぎ取り介助」をしている可能性が濃厚と思います。

ヘルパー、職員の対策

あまり障害が進んでいない利用者に「よく伸びる服」「大きめサイズ」「ボタンがない」服ばかりをやたらと着せたがる職員をよく見かけますが、それは「被せ介助」の着脱しかできないからです。

これは、その名の通り、モノにカバーを被せる方法です。前に説明した「剥ぎ取り介助」の着脱同様、人を介護する技術ではありません。

着脱の介助の基本は、力任せに引きよせて着せるのではなく、着る方向に服を順に少しづつ寄せることです。


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(最終更新:2016年12月15日)