高速道路での逆走の原因と最新対策|なぜ?どうやって起きる?

自動車

高齢者による交通事故を最近よく耳にするようになった気がします。特に高速道路での逆走事故は昨今増えており5回に1回のペースで重大事故が起きています。ここでは逆走の背景と原因、危険性や対策などを1つずつ見ていきましょう。

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過去5年、高速道路での逆走発生件数

高齢運転者の逆走での交通事故はおおよそ2日に1回のペースで発生しています。平成27年で250件以上。すごい件数ですよね。

しかもこの数字は高速道路のみ。国道でも高齢運転者の逆走は結構起きているため、その数は計り知れません。

逆走した人は認知機能が低下していたのか?

これだけたくさん発生している高速道路での逆走。では、そのドライバーたちは認知機能が低下していたのでしょうか?

以下のグラフ人数は平成22年~26年に75歳以上の運転者が高速で逆走した結果になります。調査の結果、なんと7割以上の人が認知機能の低下がみられました。

さらにグラフの191件の人は過去に認知機能検査を受検していた人達のため、認知機能検査を受けていない人も入れると実際はもっといたと思います。

逆走してしまったら・・・
間違って逆走した場合は、必ずハザードを付けて路肩に寄せて止まってください。高速道路は大変危険であるためその場でUターンはせず、
道路緊急ダイヤル(#9910)に電話をかけて道路管理者の指示に従い行動してください。下手に動くと対向車(追越車両)と衝突する恐れがあるため、必ず停車してください。

なぜ?どうやって?逆走してしまうのか?

高速道路での逆走発生場所

逆走が特に多い場所はインターチェンジ(IC)やジャンクション(JCT)になります。合流地点でうっかりUターンをしてしまい逆走になってしまうようです。平成27年では合計259件。一番多いインターチェンジとジャンクション経由では158件もありました。

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①IC・JCT本線合流部
②IC・JCT ランプ合流部
③平面Y型IC交差点部
④高速道路出口一般道合流部
⑤IC・JCT ランプ上
⑥料金所流入直後
⑦料金所出口より流入
⑧高速道路流入手前
⑨休憩施設本線合流部
⑩休憩施設入口

逆走をしてしまった原因

ではいったいなぜどうやって逆走をしていまったのでしょうか?場所ごとに原因と理由があります。

IC(インターチェンジ)とJCT(ジャンクション) 
一番逆走が多い場所がICとJCTになります。特に合流地点は複雑でわかりづらいため道に迷ってしまう場合があるようです。また本線に入る際に、誤って逆走してしまったり、誤って案内表示を見逃し分岐点を通り過ぎてしまい慌てふためいてUターンをして逆走をするケースが多いようです。

本線 
本線では、降りるはずの場所で「忘れた」もしくは「わからなかった」ためあとで気付き途中でUターンをしてしまうようです。高速道路の入口出口を理解していないために起こる場合もあります。

SA(サービスエリア)とPA(パーキング) 
サービスエリアやパーキングから本線に戻るときに、出口ではなく間違えて入口から出てしまったようです。高齢者だけでなく長距離トラック運転手などもたまに間違えるみたいです。

その他 
最後は、どの場所でもあてはまることですが、逆走したこと自体「まったく覚えてない」「気付いていない」ようです。すなわち、かなり認知症の疑いがある状態であるため、1度でもあれば、すぐに認知症専門外来(物忘れ外来)へ行くことをおすすめします。

高速道路の逆走の危険性

高速道路での逆走はなぜ危険なのかというと、逆走車はパニックになっていたり逆走に気付いていないため、止まることなくそのまま走り続けてしまうからです。

また車両は通常左側通行であるので、逆走車は左車線を走ります。しかし逆走車から見た左車線は、対向車(順行車)からは逆の追い越し車線となるため、猛スピードで走ってきます。これが非常に危険なのです。

逆走車の恐怖が伝わる映像

日本自動車連盟(JAF)では高速道路での逆走を想定した再現動画を配信中です。これを見ると逆走の恐怖がリアルに伝わってきていかに危険なのかが肌で実感できます。

以下は順行車から見た映像になります↓

以下は逆走車から見た映像になります↓

JAFのyoutubeチャンネルでも無料視聴できます。ほかにも様々な事例の動画が配信されていますのでぜひ見てください。

逆走をするとどんな違反になるのか?

では、高速道路にて逆走した場合はどのような違反点数になるのでしょうか。道路交通法では逆走は「通行区分違反」にあたります。

わかりやすく言うと、車両はセンターライン(白線)をはみ出さず区分された車線を走らなければなりません。そのため左車線から強引に右折レーンに行ったり、黄色い線を踏んだり、逆走をすると通行区分違反になってしまいます。

道路交通法 17条の4
車両は、道路(歩道等と車道の区別のある道路においては、車道。以下第9節の2までにおいて同じ。)の中央(軌道が道路の側端に寄つて設けられている場合においては当該道路の軌道敷を除いた部分の中央とし、道路標識等による中央線が設けられているときはその中央線の設けられた道路の部分を中央とする。以下同じ。)から左の部分(以下「左側部分」という。)を通行しなければならない。

逆走の違反点数や罰金は?

「うっかりした」「故意ではない」場合に逆走したときの違反点数は2点、罰金は普通車両で9,000円です。

違反点数 反則金
大型 普通 二輪 原付
2点 1万2,000円 9,000円 7,000円 6,000円

臨時認知機能検査が必要

2017年3月から施行される改正道路交通法に伴い、75歳以上のドライバーが認知機能の低下により生じやすい「一定の違反行為(逆走など)」をした場合には、臨時の認知機能検査を受けなければなりません。

万が一、受けなかった場合は、運転免許証の取消しまたは停止になりますので注意してください。

参考:2017年3月 改正道路交通法|高齢者認知症のポイントを解説

政府の逆走対策

政府ではこれまでにIC(インターチェンジ)などの合流部分に逆走方向禁止標識やラバーポールの設置、逆走車を感知して電光掲示板にて注意を喚起する逆走防止装置を設置、路面に凸部を付けるウェッジハンプなどさまざまな逆走対策を自動車側との連携しながら行っています。

また、警察は交通ルールの周知徹底や危険な運転者の免許取り消しなどの対策を行い逆走事故ゼロに取り組んでいます。

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上記のように逆走対策された場所では、約8割も逆走が減少しているそうなので今後さらに期待できそうです。

政府による高齢ドライバーへの逆走対策と各種効果
視覚的効果 逆走方向禁止の標識、路面に進行方向矢印、路面のカラー舗装
注意喚起看板、逆走防止装置(センサー、音、光)
聴覚的効果 逆走防止装置(センサー、音、光)、ウェッジハンプ(路面の凸部)
物理的効果 ラバーポール、ウェッジハンプ(路面の凸部)
機能的効果  ETC2.0による注意喚起(検討中)

民間企業の対策

自動車メーカーやIT技術メーカーでは、ドライバーへの運転支援における先進情報技術の開発などを現在使用車両や新車問わず、効果的な逆走対策を行っています。以下はその一部になります。

カーナビによる逆走注意喚起システム

開発会社:日産自動車株式会社
カーナビのGPS、ジャイロセンサー、車速センサーによる車両の走行位置特定と地図情報等を組み合わせることで、逆走を検知し、ドライバーに警告する機能が実用化されています。

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ETC搭載車両の逆走検知システム

開発会社:沖電気工業株式会社
ETC・ETC2.0の通信電波を活用して、道路側で通信中のETC・ETC2.0搭載車両の走行位置や走行車線を検出する技術が開発されています。カメラ画像による逆走検知に加え、新たな検知技術も比較検討することで、逆走車両の検知精度を向上させることが期待できます。

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標識画像認識による警告・緊急停止システム

開発会社:本田技研工業株式会社
車載カメラで速度標識や進入禁止標識を読み取り、画像認識結果に基づき、ドライバーへの注意喚起等を行うことが可能となっています。 道路標識等から車両の逆走を検知することにより、逆走対策への活用が期待されます。

開発会社:Robert Bosch GmbH
こちらはドイツにあるロバート・ボッシュ社です。海外では、車載カメラによる進入禁止標識の読み取りにより逆走を検知し、自動ブレーキで緊急停止するシステムが開発中です。 既存の自動ブレーキやアクセルの自動オフ機能等を応用することで、逆走車両を自動で安全に停止又は速度制限することが期待されます。 

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自動運転技術による危険回避システム

開発会社:トヨタ自動車株式会社
国内外の自動車メーカーでは、 自動運転の実現に向けた研究開発が進められています。 自動運転システムは、認知、判断、制御を自動で行う必要があるため、これらの技術を応用することで、逆走検知や逆走が発生した場合の自動制御による危険回避などへの活用が期待されます。

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個人認証技術システム

開発会社:株式会社プロテクタ、株式会社日立製作所
指紋や静脈など様々な手段によりドライバーの個人認証を行い、 エンジンの始動等を制御するシステムが実用化されています。 逆走の危険があるドライバーに対して個人認証技術を応用することで、逆走の未然防止に活用することが期待されます。

民間企業による高齢ドライバーへの逆走対策と各種効果
視覚的効果 カーナビによる注意喚起システム、標識画像認識による警告システム
聴覚的効果 カーナビによる注意喚起システム、標識画像認識による警告システム
機能的効果 ETC搭載車両の逆走検知システム、標識画像認識による緊急停止システム
自動運転技術による危険回避システム、個人認証技術システム

おわりに

政府は道路と自動車の連携により、2020年までに高速道路での逆走事故をゼロにする目標を掲げています。道路対策、カーナビ・ETC対策、自動運転車対策など政府と民間企業そして市民が一体となり超高齢化社会になる前に逆走をゼロにしていきましょう。自動車メーカーやIT技術メーカーなどの技術開発が順次普及されていくので今後より期待できそうです。

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