2016年8月介護休業給付金が制度改定!介護離職率がゼロになる?

介護離職

2016年3月29日に雇用保険法等の一部を改正する法律案が成立しました。介護休業給付金は改正によりどのように変わったのか説明します。

スポンサーリンク

雇用保険法等の改定の経緯

早ければ30代、遅くても60代から親の介護が必要になってくる人も多いと思います。働きながら親の介護を支える際に、必要になってくるのが介護サービスの利用です。

その中のひとつ介護休業制度は、家族に介護が必要になった場合、休業できたり、休業分の賃金が保障される制度ですが、仕組みがわかりずらかったり、使いずらい、給付率が低いなどの理由で今まで十分に活用されていませんでした。

 

介護休業も育児休業と同じく引き上げを!

対して育児休業給付は、平成26年の改正により、給付率が40%から「育児休業開始から6ヶ月間(180日)まで67%」、「181日目以降からは50%」に引き上げになりました。

介護休業給付は2000年の改正以来、給付率は40%から変わっていませんでした。高齢化社会が進み、介護離職がどんどん拡大していく中で、介護休業でも同じく引き上げる必要があるとの声が多数上がったのです。

厚生労働省は、安倍首相が掲げた「1億総活躍社会」実現に向け「介護離職ゼロ」対策の一つとして、介護休業給付の給付率の引き上げを改定しました。

介護休業給付金の改正内容

今回の改正は2016年8月から適用になります。介護離職を防止し、介護休業中も所得が保障されることで、再び職場に復帰できることを目的としています。

2016年8月から変わる介護休業給付の内容
内容 現行 改正後
給付率の引き上げ 40% 67%
賃金日額の上限額 30歳以上45歳未満の上限額
14,210円
45歳以上60歳未満の上限額
15,620円

介護休業中の給料の支給条件や支給期間は、各会社が定める介護休業規定により異なりますので、ご自身の働いている会社に確認してみてください。多くの会社では通算して法定の93日までで、雇用保険からの給付になります。

介護休業中に会社から賃金が支払われる場合は、額により、雇用保険の給付額も変動します。

介護休業給付金とはどんな制度?

65歳未満の労働者が要介護状態になった家族を介護するために会社を休業した時、家族の同一要介護に付き1回の介護休業期間(最長3ヵ月)に限り、通算93日まで雇用保険から支給される給付になります。※介護休業回数は2017年1月から3回に変更されます。

関連記事 2017年10月1日介護休業法が改正!9つのポイントを徹底解説

介護休業給付金の支給対象者は?

雇用保険の一般被保険者(週20時間以上)であり、介護休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12ヵ月以上ある人になります。

また、同一の事業主に引き続き雇用された期間が1年以上でなければ取得できない場合がありますので、会社に確認してみてください。

日々雇用されている労働者や65歳以上の方が介護休業しても介護休業給付の対象にはなりません。

対象となる家族の範囲は?

対象家族は、負傷、疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上にわたり常時介護(歩行、排泄、食事等の日常生活)を必要とする状態であることが条件になります。

 

介護休業給付金の支給額は?

算出方法は、「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」になります。

「休業開始時賃金日額」とは、事業主が「休業開始時賃金月額証明書」を提出して、介護休業開始前6ヵ月間の賃金を180(1ヶ月を30として6を掛けたもの)で割った額「休業前6ヶ月の賃金合計÷180」になります。

「賃金月額」はこれに支給日数の30を掛けた額「(休業前6ヶ月の賃金合計÷180)×30」になります。

「賃金月額」が426,300円を超える場合は、「賃金月額」は426,300円になります。

1支給対象期間(1ヵ月)あたりの介護休業給付金の支給上限限度額は170,520円、下限は69,000円になります。(平成27年8月~)

※高年齢雇用継続給付を支受けている月には、介護休業給付金は受け取れますが、高年齢雇用継続給付は支給されません。

休業期間中に支払われた賃金が休業開始時月額
40%以下 賃金月額の40%相当額を支給
40%以上80%未満 賃金月額の80%相当額と賃金の差額を支給
80%以上の場合 介護休業給付金は支給されません

 

介護休業給付金の支給申請手続き

介護休業給付金の支給を受けるためには、事業主が雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書介護休業給付金支給申請書をハローワークに提出する必要があります。支給決定が完了すると、1週間後に被保険者本人の銀行口座に振り込まれます。

支給申請手続きについて
添付書類1 被保険者が事業主に提出した介護休業申出書
添付書類2 介護対象家族の方の氏名、申請者本人との続柄、
性別、生年月日等が確認できる書類
(住民票記載事項証明書等)
添付書類3 介護休業の開始日・終了日、介護休業期間中の
休業日数の実績が確認できる書類
(出勤簿・タイムカード等)
添付書類4 介護休業期間中に介護休業期間を対象として
支払われた賃金が確認できる書類
(賃金台帳等)
提出期限 介護休業をした日の
翌日~2ヵ月後の末日までになります
提出先 事業所の所在地を管轄する
公共職業安定所(ハローワーク)
電子申請による支給申請も可能こちらから

介護休業給付金の利用者数

離職者が介護のために利用した勤務先の制度a

介護休業給付は、雇用の継続を促進するための給付ですが、介護休業制度の利用者はいぜん少なく、2014年の介護休業給付の利用者は9,600人しかいません。会社の休業制度を利用していない人が半数を占めています。また、介護休業制度の利用者はわずか10%前後しかいません。

 

介護の両立支援制度を利用しない理由と原因は?

介護の両立支援制度を利用しない理由

介護支援制度を利用しない理由から、原因を探ると会社・企業側が介護支援制度に積極的でないため、労働者が利用しにくいことがわかります。

  • 介護に係る両立支援制度がないため
  • 自分の仕事を代わってくれる人がいないため
  • 介護に係る両立支援制度がわからないため
  • 相談する部署がないこと、もしくはわからないため
  • 介護事由で両立支援制度を利用している人がいないため
  • 介護に係る両立支援制度を利用すると収入が減るため
  • 介護に係る両立支援制度を利用しにくい雰囲気があるため
  • 上司・同僚が利用することを望まないため
  • 人事評価に悪影響が出る可能性があるため

会社や周りの人間が「介護くらいで休まれると困る」「いつまで休むの?」など介護に対して理解を示さない言動があると働きづらく、せっかく給付率や上限額が引き上げになっても会社や社会全体が変わっていかなければ使いづらいままの制度になってしまいます。

今後、介護休業される方はもっと増えることが予想されますので、企業側は労働者が気持ちよく働けるように、介護休業の理解を示して、介護での職場復帰をしやすい環境づくりをすることが重要な課題となります。

介護離職者数はどれくらい?

介護離職者数と男女比較

高齢化社会に伴い、家族の介護で仕事を辞める人が急速に増えてきています。2012年時点で介護を理由に離職された人は約10万人以上に及びます。

介護離職した人数

出典元:総務省

介護離職の年齢別比較

年齢別に見てみると、40代を境に50代から急激に増え、女性は50代、男性は60代がもっとも離職率が多くなっています。介護を理由に仕事を辞めた場合、40~60代の再就職はとても厳しく、精神的・肉体的ダメージも非常に大きいです。

介護離職した年齢割合 出典元:総務省

無職になることで経済的負担が増し、共倒れに繋がっていきます。そうならないためにも、できるだけ介護サービスや制度を活用して仕事を続けていけるように会社やケアマネジャーに相談してみましょう。

介護休業・介護離職をしてしまったらどうすればいい?

介護離職後に在宅ワークをやってみる

介護休業や仕事との両立が難しく介護離職をされた場合、心配なのは、「親の今後」「お金(収入)」のことですよね。正社員、パート、バイトの収入が途絶え、生活を維持することは困難になります。転職をしても今までより働く時間が限られるため、収入が減ってしまいますし、両立は予想以上にハードなため、身体を壊してしまう恐れがあります。

そこで最近、注目を集めているのが、「在宅ワーク」です。在宅介護や遠距離介護の場合でも、時間や場所に縛られずに収入を得ることができるため、親の介護が必要になった家族にとって最適な仕事です。

まずは自分ができるかどうか読みながら確認をしてみてください。

関連記事 介護離職して在宅ワークで生計を立てる!主婦でも月収10万円稼げる

おわりに

給付金の給付率が40%→67%に引き上げられたことは大きな前進だと思います。しかし、介護休業期間が93日しかないのは少なすぎると感じます。少なくとも半年間(180日)は必要だと思います。

そして、制度の認知度がまだまだ低いため、もっと幅広く周知され、多くの人が利用できるようにしてほしいと思います。

スポンサーリンク

この記事が気に入ったら
いいね!をお願いします

Twitter で