介護職員がいじめ・嫌がらせを受けた時の退職方法・不利にならない辞め方

介護職がいじめを受けた時の退職方法 介護職員の悩み

人間関係の悩みはどこの職場でも少なからずありますが、無視や嫌がらせ、時には暴言や暴力など、信じられないような子供染みた「いじめ」が横行している職場が介護職にもあります。

いじめが起こるのは、いじめる職員の人間性や、労働者の働きやすい環境を作れていない職場の責任によるところが多く、いじめられた当事者が改善できるものではありません。

そんな職場に居続けるリスクや、退職方法についてお伝えしていきます。

いじめによる5つの健康リスク

いじめによる5つの健康リスク

職場いじめは、いじめられている人には何の責任もありませんし、辛い環境で耐え続ける必要はなく、退職することは逃げや無責任ではありません。

いじめによる精神的なストレスを受け続けることは、以下のような精神症状や疾患の要因になり、自分の健康を損なうことになってしまいます。

うつ病

いじめの精神的ストレスが誘因となって発症する精神疾患のひとつに「うつ病」があります。

うつ病とは、意欲が低下したり集中力が無くなる、全身がだるく疲れやすいなどの症状が出て、そのような憂うつで落ち込んだ気分が一日中、毎日二週間以上続くことが診断の目安になっている気分障害です。

症状がひどくなると、罪悪感や無力感などが強くなって希死念慮を持つようになり、最悪の場合自殺に至ります。

睡眠障害

睡眠障害は「不眠」のほか、眠りすぎる「過眠」や、睡眠のリズムが崩れる「概日リズム睡眠障害」など、通常の睡眠が取れなくなっている状態のことを言います。

うつ病やその他の精神疾患の症状としても睡眠障害はあらわれることがあります。

睡眠障害が続くことで疲れが溜まり、集中力を欠いたりミスが増えるなど、仕事に支障がでることが多くなり、精神状態も悪化していく悪循環に陥ります。

摂食障害

摂食障害には、食べることができなくなる「拒食症」と過剰に食べ続けてしまう「過食症」があり、ダイエットなどをきっかけとするほかに、日常的に受ける精神的なストレスが要因であることが多く、職場いじめもその要因のひとつです。

この症状は放置すると心身の健康を損ない、特に拒食症がひどくなると腎不全や不整脈など、重い合併症を引き起こすこともあり、死に至る危険があります。

適応障害

ストレスになるできごとに対して、心理面や行動面の障害が起こるのが適応障害です。

うつ病や不安症の診断基準には満たないものの、抑うつ状態や、動悸・息切れなどの症状を伴うような不安感や神経過敏、ケンカや過剰飲酒などの問題行動が起こります。

ストレスになることが起こってから3か月以内に症状がでて、ストレスが無くなれば6か月以内で改善するとされていますが、いじめなどストレスになるできごとが継続すると慢性化し、うつなどの気分障害になったり、自殺のリスクも高いと言われています。

依存症

一時的にストレスを忘れられ楽になることで何かに依存し、自分ではコントロールができなくなるのが依存症です。

アルコールや薬物、買い物、ギャンブル、インターネットやゲームなどに依存することで、精神的なストレスを解消しようとしますが、そのうち仕事や日常生活に支障をきたし、人間関係や健康状態を破壊してしまいます。

いじめによる退職方法の流れ

いじめによる退職方法の流れ

退職を申し出る

労働基準法では、労働者が退職を申し出てから2週間で雇用契約が終了する、となっていますが、それぞれの職場の就業規則等には、退職を届け出る時期について規定されていることがあるので、確認しておきます。申し出てから退職までは1か月程度かかる、と考えるのが現実的でしょう。

退職日のメドが立ったら、引継ぎや転職活動のスケジュールを決めて準備を始めます。

 

退職届を出す

一般的には「退職願」が多いのですが、この場合は「退職届」を出します。

退職願とは「退職の意志を伝え、会社の承認を得て退職できる」というものですが、退職届とは「退職の意志を宣言し、会社の承認の有無にかかわらず退職するという届出」になり、提出した届を取り下げることや会社側が拒否することはできません。

通常は退職を申し出てからあまり日を置かずに提出しますが、申し出と一緒に提出してもかまいません。

 

必要な書類等の確認

在職中に雇用保険被保険者証の有無を確認しておきます。

また会社からハローワークに提出する離職証明書は、離職前に本人が離職理由を記載し署名することになっていて失業保険の手続きで必要になる離職票は、離職後に会社から郵送または受け取りで交付されます。

参考 ハローワーク(離職証明書書式)

ほかにも、保険証の任意継続手続きなど退職後に必要になる手続きと書類を確認して、受け取れるようにしておきます。

 

引継ぎと転職準備

後任のために仕事の引継ぎ資料を作成するなど準備をします。退職後すぐに転職を考えているなら、転職活動も並行して行います。

限られた時間で再就職先を探すなら、転職エージェント等を利用すると、効率的に希望に合った条件で探すことができます。

 

退職

制服や社員証ほか貸与されているものは返却し、ロッカーの私物などは残らず持ち帰ります。

最後に、言いたいことをすべて言って職場を後にしたい気持ちがあっても、まだ手続き等で職場を訪問する可能性もありますし、訴えて一矢報いるのは退職後でも可能です。
できるだけ穏便に退職をすませましょう。

不利にならないイジメでの辞め方

退職日までの振舞いかた

退職を申し出て退職日が決まれば引継ぎ等をすることになるので、いじめた相手を含む同僚に退職を知らせることになるでしょう。

悔しい思いもあるでしょうが、おどおどしたり逆に感情的になっては相手の思うつぼです。
退職日まであくまで落ち着いて接するようにします。

あえてこちらから話しかけたり仲良くする必要は全くありませんが、なるべく平静に大人の対応をするよう心がけます。

証拠固め

仕事上は大人の対応をしつつ、職場いじめの証拠になるものは集めておきましょう。
後日、療養費の請求やさまざまな手続きの際に役立つことがあります。

いつ、どこで、どんな嫌がらせをされたかの記録メモ、写真、メールやLINE・SNSでの中傷があればその履歴やスクリーンショットなどが証拠となります。

また、音声の録音はスマホでもできますが、USB型のボイスレコーダーなど操作が簡単で小型のものが、目立たず暴言等の録音に役立ちます。

すでに精神的ストレスやケガなどで診察・治療を受けていれば、その診断書や治療費の請求書も保管しておきましょう。

退職理由

心ならずも辞めなければならないので、退職の理由は自己都合ではなく会社理由として、いじめの告発に対応しなかった会社に非を認めさせたいという気持ちになると思います。

雇用保険も自己都合退職の場合は3か月の期間を置いた後で支給になりますが、会社都合だとすぐに支給が開始されるため、それを理由に会社都合退職にしたいと考える人は多いでしょう。

しかし、転職の時に会社都合がどのような理由か問われれば、いじめについて伝えることになりますが、こちらに非が無くとも、人間関係で辞めたという理由は良い印象を与えません。

退職理由は自己都合とし、転職先には他のポジティブな理由を伝えたほうが得でしょう。

有給休暇を消化する

会社の規定などにより、申し出から退職までの日数が思いのほか長くなってしまう場合があります。引継ぎに必要な日数は考慮するとしても、いじめが収束しない状況ではできるだけ勤務期間は短くしたいのは当然なので、有給休暇を消化できないか交渉してみます。

労働基準法では、勤続6か月以上の正社員と、パート・アルバイトなどでも6か月以上・週30時間以上勤務している労働者は、年間10日以上の有給休暇が与えられることになっていて、これ以下の勤務日数・時間の労働者も、労働日数に応じた有給休暇が与えられることになっています。

2019年4月からは、年間10日以上の有給休暇が与えられる労働者に、年5日の有給休暇を取得させることは雇用側の義務になっていて、守らなければ罰則も課されることとなりました。

消化できていない有給休暇があれば、取ることは労働者の権利ですし、退職前の日数で消化が難しい場合は賃金に換算して支払ってもらうことも可能なので、まずは未消化の有給休暇が何日残っているか調べてみましょう。

(ただし、退職時の有給休暇の買取りは義務ではないことと、取得していない有給休暇は2年で時効になるので注意が必要です)

雇用保険について

失業保険の給付では、会社の倒産やリストラ等で「離職を余儀なくされた人」については特定受給資格者として、一般の離職者と比較して手厚い給付日数となることがあります。

この「離職を余儀なくされた人」には『上司、同僚からの故意の排斥または著しい冷遇もしくは嫌がらせによって離職した者』(つまり、いじめやパワハラ等で離職した人)も含まれています。

ですから、いじめにより自己都合扱いで退職しても、ハローワークで認められれば、特定資格受給者として処理してもらえる可能性があるので、認められるのに必要な条件や証拠等を、できれば退職前に確認しておきましょう。

必要書類一式

そのほか通常の給付手続きでも必要な書類は以下の通りです。

  1. 雇用保険被保険者離職票(1、2)
  2. 個人番号確認書類
    (マイナンバーカード、通知カード、個人番号の記載がある住民票のうち1種類)
  3. 身元確認書類
    運転免許証、運転経歴証明書、マイナンバーカード、写真付き資格証明書などのうち1種類
    または
    公的医療保険の被保険者証、児童扶養手当証書などのうち異なる2種類(コピー不可)
  4. 写真2枚
  5. 印鑑
  6. 預金通帳またはキャッシュカード(本人名義)

参考 ハローワーク(特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲)

労災申請をする

いじめによる心身の不調や疾患で、治療を受ける場合は労災を申請し、療養費を請求します。

精神的な疾患も身体のケガ等と同様に、業務を理由として発症したことが認められれば、給付を受けることができ、退職後も生活の不安なく休養・治療することができます。

労働災害による疾患やケガの治療には、診察の際に労災であることを伝え、労災保険指定医療機関を受診すると医療費の負担はありません。

指定外の病院の場合は一旦治療費を負担しますが、労災を申請後、治療費の給付を受けることになります。

労災の申請方法

会社の所在地を管轄している労働基準監督署に、給付請求書を記入して提出します。

提出する書類は申請して請求する給付の種類により異なるので、一度労働基準監督署に出向いて、必要な証拠についても確認することをおすすめします。

申請の際に提出した証拠等に基づいて調査が行われ、複雑な事案だと認定されるまでに長くて1年かかるような場合もあります。

自分で申請することに不安を感じるかたは、弁護士に相談してみましょう。
地域の法律相談会や法テラスなどを利用してアドバイスを受けることもできます。

全国の労働基準監督署は以下のサイトで確認できます。

参考 厚生労働省(全国労働基準監督署所在地)

参考 厚生労働省(請求書のダウンロード)

参考 厚生労働省(療養給付の請求手続きについて)

いじめによる退職時のトラブルや対処法

いじめによる退職時のトラブルや対処法

退職の申し出を断られた

申し出から実際に退職が可能な時期については、年俸制や契約社員などの雇用形態や給与体系・会社の就業規則によって異なる点はありますが、退職そのものは本人が申し出れば認められるもので、会社が断れるものではありませんし、就業規則よりも法律が優先します。

しかし退職を申し出た段階で「辞めさせない」と言われたり、申し出るべき上司がいじめの加害者で退職届を受け取ってもらえない場合は、郵送するという方法もあります。

どのような郵便をいつ送ったかを公的に証明してくれる「内容証明郵便」で退職届を送って、配達証明を取るようにし、退職の意志を示した証拠を残すようにします。

引き留められる

人手不足の介護職では、「後任が決まるまで」と引き留められることが多くありますが、それは会社の都合なので、責任を感じて待つ必要は全くありません。

退職日を決めたら、後任の有無に関わらず退職できるよう、引き継ぐ内容を書面に残しておくなど準備をしておき、その日には確実に退職する意志を強く持ちましょう。

必要な書類を渡してくれない

労災の申請や雇用保険手続きに、会社が非協力的で必要な書類を交付してくれない場合があります。労災申請の場合、書類に会社の記入欄はありますが協力を拒否された旨を記載すれば、会社に記入してもらわなくても提出可能です。

また雇用保険手続きについても、会社から離職票が交付されない場合はハローワークに問い合わせることで対応してもらえるようです。

退職代行サービスの利用

いじめによる精神的な疾患等で、退職を申し出ることやその後のやり取りも辛くてできない、会社側と関係がこじれているという状況なら、退職代行サービスを頼むこともひとつの方法ですが、業者の選び方は重要です。

退職代行サービスには「非弁」と呼ばれる弁護士資格のない業者と弁護士資格のある業者の2種類がありますが、非弁の業者ができるのは「退職の意思表示の代行」のみで、会社側との交渉や手続きに関しては、弁護士資格のない者が代行することは法律違反になります。

そのため、利用するなら退職の意思表示だけではなく、その後の交渉や問題解決もしてくれる弁護士が安心ということになりますが、非弁の業者の相場が3~5万円であるのに対し、弁護士ではおおむね10万円以上の費用がかかる可能性があります。

費用をかけても確実に問題解決をしたい、いじめが会社からのパワハラ等で、未払い賃金や残業代があるという場合は、労働問題に強い弁護士に退職の代行も含めて依頼するのが良いでしょう。

いじめや嫌がらせの悪化

退職を決めたことで、いじめが悪化する場合があります。

嫌味や無視などは「もう辞めるんだから」と思って受け流すこともできますが、私物を壊されたり盗まれる、暴言・暴力については証拠を取って、すぐに警察に被害届を出しましょう。

いずれにしろ辞めるのですから遠慮することもありません。
また「辞めたら損害賠償請求する」などといった会社からの脅しについては、労働者側にその義務が無いことがほとんどです。

心配な場合は、労働基準監督署の綜合労働相談センターなど、労働問題の相談窓口に相談してみまし
ょう。

参考 厚労省(総合労働相談センターのご案内)

おわりに

ストレスが多い介護職で、職場いじめは多いと言われていますが、いじめのある職場環境は決して当たり前ではなく改善されなければなりません。

いま職場いじめに遭っているという介護職の方は、心身の健康を守るためにも退職し、ぜひ自分を生かせる新しい環境で働くことをおすすめします。

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