介護職員が休憩時間を取れない5つの理由と対処法|労働基準法の規定も解説

休憩時間が取れない 介護職員の悩み

一般の会社員と違い、介護職ではみんなが同じ時間に休憩するということはなく、交替で休憩を取るのが一般的です。

しかし、状況によっては取るべき休憩時間を十分に確保できないこともしばしばで、人員が少なくなる夜間は特に、長時間の勤務であるにもかかわらず、休憩や仮眠時間が取れないという話も聞かれます。

介護職での休憩の現状、また法律では休憩についてどのように規定されているのかも、詳しく調べてみました。

労働基準法での休憩時間の規定

勤務・待遇

労働者が安心して健康に働くために、使用者が労働者に対して最低限守らなければならない、労働条件の基準を定めているのが労働基準法で、休憩時間についても、その定義や条件が規定されています。

パート、アルバイトの場合も正社員とおなじように、この労働基準法の規定は適用されます。

「休憩時間」とは?

休憩時間とは「勤務から離れることが保証されている時間のこと」と定義されていて、労働者の権利です。
業務ができる状態で仕事を待っている待機時間は「離れていることが保証されていること」にならないので、休憩時間には含まれません。

また休憩時間内に来客や電話対応などを含めた「業務」をした場合は、別途休憩時間を労働者に対して与えなければならないこととされています。

休憩時間の長さ

労働時間が6時間を超える時には少なくとも45分、8時間を超える時には少なくとも1時間の休憩時間を、使用者は労働者に取らせることになっています。

6時間以下の労働時間の場合は休憩時間が無くても違法ではありませんが、規定の休憩時間については最低限の時間であり、長くなる分には規定がありません。

休憩は一斉付与

労働基準法では、休憩時間は労働者が一斉に取ることとされています。

これは、労働基準法ができる以前の工場法のころから、休憩の効果を上げるためと監督する際の便宜から行われてきたようです。

しかし現在では、労働者の過半数で組織する労働組合か、労働者の過半数の代表者と使用者との間に書面による協定があれば、例外として休憩を取るのが一斉でなくとも良いと認められています。

協定には、例外を適用する労働者の範囲と、どのように休憩を与えるのかについて明記する必要があります。

一斉付与の適用除外職種

休憩の一斉付与は、労働者が一斉に休憩を取ると業務上支障が出る業種にも、適用が除外されます。運輸交通業、商業、映画・演劇業、金融業、広告業、通信業、接客娯楽業、官公署、保健衛生業がこれに含まれます。

休憩時間は自由

休憩時間は労働基準法第34条に、労働者の自由に利用させなければならない、と規定されています。どのように休憩時間を過ごすかを使用者が指示したり、制限を加えることはできません。

休憩時間の位置

休憩時間は「労働時間の途中に」置くことが規定されています。
つまり、業務を開始して直ぐあるいは終業間近な時間に、休憩時間を与えることはできません。

就業規則に明記する

常時10名以上の労働者を雇用している場合は、賃金や休日に関する事項とともに、休憩時間に関しても就業規則に記載することとされ、二組以上に分けて交替制勤務をさせる場合は、就業時転換に関する事項を定める必要もあります。

罰則

労働基準法で、休憩に関して規定されている第34条に違反した場合の罰則は、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金となっています。

介護職員が休憩が取れない5つの理由

【理由1】人員不足

交替できる人員が少なく、休憩に入ってもすぐに呼び出されてしまう、休憩で介護業務からは離れても電話応対や受付をしているなど、休憩時間を十分に取る職場環境に無いことが、休憩を取れない原因になっています。

また夜勤でも仮眠や休憩時間を取ることになっていますが、特に小規模施設ではワンオペの場合も多く、仮眠と休憩のどちらも取れないことも。

【理由2】上司からの圧力

休憩時間は労働者の権利として取るのが当然で、休憩を規定通りに取らせなかったり、その過ごし方を制限するなどの違反をした場合は、罰則も設けられているのですが、現場では上司やリーダー・先輩職員などからの圧力がある、という声もあります。

「嫌な顔をされるので外に昼食を摂りに行くことができない」「時間いっぱい休憩を取っていると怒られるので、早めに勤務に戻る」など、上に立つ職員が労働基準法の規定を理解していないことから、毎日十分な休憩時間を取れない人が多数います。

【理由3】休憩室が無い

休憩室がない介護施設等では、利用者(入居者)のいる食堂などで、昼食をいっしょに摂る職員も多いようです。
しかし、これは見守りや食事介助をしながらの昼食になってしまうので、完全に業務から離れているとは言えず、休憩にはなりません。

介護職員は絶えず動いている多忙な職種なので、座っていると「休んでいる」ということになりがちですが、休憩の定義を職場でみんなが理解する必要があります。

【理由4】会議やミーティングに充てられる

休憩時間を打ち合わせや会議に充てる職場もありますが、本来は業務の中でするものなので、昼食を摂りながらのミーティングだとしても、休憩時間を取っていることにはならないでしょう。

その会議に使った時間を、別途休憩時間として与えるべきと思われますが、ほとんどの職場では行われていません。

「休憩」についての規定を知らないことから、介護の現場ではこうした「ながら休憩」が通例になっているようです。

【理由5】多忙すぎる

時間内に終わらないほど業務が多すぎることから、職員が自主的に休憩を削って仕事をしているという例もあります。

たまたま手が足りない、利用者に急なトラブルがあった、ということではなく日常的に短い休憩時間が当たり前になっていると、作業効率も悪くなり職員が健康を害することにもなりかねません。

管理者やリーダーが、仕事の配分や休憩時間の確保について、もっと配慮する必要があります。

休憩時間を取るための対処法

休憩時間を取るための対処法

休憩時間が取れない職場の環境を変えるには、以下のような対処法が考えられます。

職員同士で協力する

職員が自主的に休憩時間を短くしているような職場では、休憩時間の定義について、職員自身が理解していないことも多いので、まずは周りの人の理解を広めることから始め、お互いが気兼ねせず休憩を取れるようにしましょう。

休憩のタイミングに声掛けをしたり、早めに休憩時間を終わらせることなく十分な時間を取れるよう協力しあえる雰囲気づくりを進めます。

上司に相談する

人員不足などで日常的に休憩がとれない環境が続いているなら、まずは上司に相談してみます。その場合、同じように休憩時間を取れない職員が多くいるはずですから、ひとりで話すよりもみんなで意見をまとめて、ミーティングなどで話してみると効果的でしょう。

抗議という形よりも改善策を見出せるような、前向きな話し合いになるよう努めます。

労働基準監督署に訴える

上司や管理者等に話し合いや申し入れをしても埒が明かない、長期間にわたり改善も全く見られない場合は、労働基準法違反として訴えることもやむを得ません。

しかし、この方法では休憩時間が確保されるようになっても、訴えた本人は職場に居づらくなるのは必至なので、転職も考えた上での最終手段ということになります。

残業代として請求することができる

休憩時間に業務をした分は賃金を請求することができます。

例えば、1日の労働時間が8時間で、取るべき1時間の休憩時間が取れずに業務をしていた場合、9時間働いていることになり、1時間は時間外労働ということになります。

この1時間分の賃金は時間外手当(残業代)として「1時間の賃金×1.25」の金額を請求することができます。

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それでもツライなら転職を!円満退社の流れ

円満退社の流れ

職場の環境が改善されないなら、良い環境のところに移るしかありません。
より良い転職先を求めるために、今の職場をスムーズに辞めるにはいくつかのポイントがあります。

退職までの計画を立てる

退職希望日を3か月以上後に設定し、そこから遡って引継ぎや転職活動についても大まかな計画を立てます。
退職の理由については「休憩が取れなかった」「待遇面で不満だった」という事実を言う必要はありませんが、職場に納得してもらえる理由を用意しておきます。

例えば「子育てに専念したい」「違う職種に挑戦したい」「転職先のめどが立った」など具体的なものがいいでしょう。

 

意志表明の時期

念のため、退職の意志表明について就業規則にどのように規定されているかも確認してみましょう。労働基準法では、2週間前の意思表示で退職は可能ですが、退職までがあまりに短期間なのは職場にも迷惑がかかり、トラブルのもとになります。

一般的には退職希望日の3か月前に申し出ていれば安心です。

 

直属の上司に話す

いきなり退職願を提出するのではなく、まずは直属の上司に時間を取ってもらい、退職の意向を伝えます。

「後任が決まるまで」などと慰留されないように、退職時期とその理由も明確に伝え「その後の仕事に支障が出ないように3か月間は頑張る」など、退職の意志が固いことを理解してもらいます。

 

退職願の提出

上司の同意を得てから退職願を提出します。いつ頃までに提出したらよいかなど、退職の意志表明をした段階で確認し、指示を仰いでも良いでしょう。

ここで注意したいのが、退職届と退職願は厳密には異なっていて、退職届は「雇用契約の解約をこちらから宣言するもの」退職願は「雇用契約の解約を申し出るもの」という点です。

つまり退職届のほうがより強い印象を与え、雇用側の承諾を得て退職に至る「退職願」のほうが、印象が柔らかく受け取られるでしょう。

また「辞表」は重役など会社の役職にある人や公務員が提出するもので、一般の会社員や職員は用いません。

 

引継ぎ準備

3か月あれば雇用側も人材の確保はできるはずなので、自分の後任として新たに職員が入ってきたら、その指導・引継ぎに努めます。

もしも後任がなかなか入ってこない、決まらないという場合でも、当初に伝えた退職時期が延びることがないよう、引継ぎ事項を書面にして整理しておくなど、自分が辞めた後でも引き継げるような準備をしておきましょう。

 

物品の返却

制服や職員証、健康保険証など、職場に返却するべき物品は、何をいつまでに返せばいいか確認しておき、制服のクリーニングやロッカー内の私物の持ち帰りなど準備を進めます。

 

書類の受理や手続きの確認

失業保険の給付に必要な離職票などの書類の受け取りについても事務に確認します。
退職後に健康保険の任意継続を希望する場合など、必要な手続きについても確認しておきましょう。

 

退職

退職後も手続き等で職場を訪れることもありますし、介護の仕事は業界内での転職も多く、今後他の職場で元の同僚や上司に遭遇することもあり得るので、最後まで悪い印象は残さないように心がけます。

休憩時間を取れる職場へ転職する4つの方法

休憩時間を取れる職場へ転職する4つの方法

休憩時間をきちんと確保できる転職先、職員の労働環境に配慮している職場を見つけるための方法には次の4つが考えられます。

施設の運営方針

転職先を探す際には勤務条件のほかに、施設のHPなどで運営方針や事業者の考え方についても詳しく見てみましょう。職員の福利厚生や職場の環境について、どのような考え方なのかをある程度知ることができます。

職員を大事にできる施設は、利用者に対しても余裕を持って良いケアを提供できると考えられますが、逆に利用者に対するポリシーは立派なことが書かれていても、職員について全く何も触れられていない場合は、利用者第一のあまりに職員の待遇が後回しになっていることも懸念されます。

口コミ

ネットの口コミなどでその職場の評判を調べてみます。

書いた人の主観に基づいているので、すべて真実とは言えませんが、良い口コミが多いか悪い口コミが多いかなどで、参考にすることはできます。

また、介護業界はつながりも色々あるので、同業の知人などに聞いてみても、より詳しい実情がわかるかもしれません。

必ず見学に行く

HPや口コミである程度の評判を把握したら、実際に施設を訪れて職員や設備の様子を見てみます。

就職を希望する人に説明会を開催している施設・事業所では、施設内の見学の機会を設けているところも多数ありますし、面接のときに見学させてもらうこともできるでしょう。

職員同士の雰囲気が明るいかや、施設内の清掃は行き届いているか(多忙すぎると手が回らないことがある)休憩室の有無なども確認します。

転職エージェントの利用

自分では確認しきれない細かな条件や施設運営の内情なども、転職エージェントを利用することで、より詳しく確認できます。

特に在職しながら転職活動をする人にとっては効率的に情報収集をすることができて便利です。

おわりに

「介護は休憩も取れない忙しい仕事」なのは確かですが、取れなくて当たり前ではなく、職員自身も職場全体も、休憩を取ることが当たり前と意識を変えていくことが必要です。

より良い介護を提供するためには職員自身が良い状態でいることが大事なので、職員の待遇に配慮できる職場が増えていくことは、多くの利用者のためにもなることでしょう。

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