2019年4月介護職も有給休暇が義務化!取れない場合の4つの対処法

有給休暇が取れない 介護職員の悩み

有給休暇は、就業条件に日数が明記されていても、毎年すべて消化できる職場は少数かもしれません。中でも介護職は有給休暇が取れない・取りづらい仕事に入ります。

高齢者の生活を支える介護職では、毎日かならず誰かが対応しなければなりませんが、職員が十分な休みを取るための人員配置ができないのが現状です。

介護職をはじめ、どの職場に勤務する人も、有給休暇について改めて知り、その取得にぜひ役立ててみてください。

有給休暇の仕組みとは?

労働者が取る休暇のうち賃金が支払われる休暇のことで、年次有給休暇、有休、年休とも呼ばれます。

この休暇で支払われるべき賃金とは

  1. 労働基準法で定められている平均賃金
  2. 所定労働時間に労働した場合に支払われる通常の賃金
  3. 健康保険法に定める標準報酬日額(労使協定の締結が必要)

のいずれかで、就業規則等で明確に規定することとなっています。

取得要件を満たしているすべての労働者には「年休権」(年休を取る権利)があり、1年間に決められた日数を取得することができます。

休暇と休日の違い

「休暇」とはするべき勤務が免除されて与えられる休みのことで、「休日」とはもともと勤務が無い休みの日のことを指します。

休暇には法定休暇と法定外休暇があり、法定休暇は必ず労働者に与えなければならず、有給休暇はこれに含まれます。

法定外休暇とは、個々の使用者がきめた就業規則などにより与えられる休暇です。

有給休暇の基準日

有給休暇の日数を考える上で基準とする日を基準日といい、一般的には入社日と考えます。

しかし、中途入社の社員が多い場合などは、事務作業が煩雑になるので、基準日を設定し統一することも認められています。

このような、基準日や有給休暇の日数など、休暇に関する事項は就業規則に記載することが規定されています。

例えば基準日を年2回に設定する場合では、社員を4月1日~9月30日に入社した人と10月1日~3月31日に入社した人というように分け、4月1日と10月1日を基準日として、それぞれに付与される有給休暇日数を定めています。

有休休暇の取得要件

有給休暇を取得できるのは、雇用された日から「6か月間継続して勤務し」「全労働日の8割以上出勤した」者とされています。(労働基準法第39条)

継続勤務とは在籍している期間のことで、勤務実態により判断され、定年後に嘱託職員として再雇用した場合などは「継続勤務」と扱われます。

また、この「全労働日の8割」には、産前産後休暇や育児・介護のための休業、業務上の疾病やケガによって休業した日数も含まれ、この日数は「出勤」とみなされます。

会社の都合による休業などは、全労働日から除外されます。

有休休暇の請求

取得要件を満たしている労働者が請求した有給休暇を、使用者は原則拒否することはできません。

ただし、同じ日に多くの労働者が休暇を指定した場合などは、事業に支障をきたす、出勤する労働者の負担が大きいなどの理由で、請求された時季ではなく他の時季に有給休暇を与えることは可能となっています。

これを使用者の時季変更権と言います。しかし、単に「忙しいから」といった理由での時季請求権は認められません。

有給休暇の日数

取得できる日数は、継続して勤務した年数によって増えていきます。

通常の労働者の付与日数
継続
勤務年数
6ヶ月1年
6ヶ月
2年
6ヶ月
3年
6ヶ月
4年
6ヶ月
5年
6ヶ月
6年
6ヶ月以上
付与
日数
10日11日12日14日16日18日20日

いわゆる正社員以外の、アルバイト・パートなどでも所定労働日数が週5日、所定労働時間30時間以上で、取得要件を満たしていれば、上記の有給休暇日数に該当します。

アルバイト・パートの有給休暇

アルバイト・パートの職員で、所定労働時間が週30時間未満で、かつ週の所定労働日数が4日間以下または年間の所定労働日数が216日以下の場合、付与日数の基準が異なり、1週間または年間の勤務日数に応じて有給休暇を付与する「比例付与方式」で日数が決められています。

 週所定
労働日数
1年間の
所定労働日数
継続勤務年数
6ヶ月1年
6ヶ月
2年
6ヶ月
3年
6ヶ月
4年
6ヶ月
5年
6ヶ月
6年
6ヶ月以上



4日169日~216日7日8日9日10日12日13日15日
3日121日~168日5日6日6日8日9日10日11日
2日73日~120日3日4日4日5日6日6日7日
1日48日~72日1日2日2日2日3日3日3日

出典 厚生労働省:労働基準情報

有給休暇の計画的付与

年間の有給休暇のうち、5日を超える部分については、労使協定により取得日を計画的に割り振りすることが可能です。これによって、事業に影響させることなく、各労働者に必要な休暇を取らせることができます。

時間単位年休

有給休暇は通常は1日単位で与えられますが、1年で5日分を上限として1時間単位で与えることが可能です。(労使協定が必要)

有給休暇の繰り越しと時効

年度内に消化できなかった有給休暇は、次年度に繰り越すことが可能です。

また有給休暇は取得日から2年で時効になることが労働基準法第115条で規定されていて、消化できずに時効になった有給休暇は無効となります。

ですから、繰り越し分の有給休暇から消化したいところですが、新しく付与された分から消化するか、繰り越し分を先にするかは、使用者が定めることになっていますので、就業規則等を確認する必要があります。

有給休暇の買取

有給休暇を付与する趣旨は「休むこと」なので、それを妨げる買取は法律違反となります。
しかし、退職時には残った有給休暇を消化することが難しいので、日数に応じた賃金として給付することは認められています。

有給休暇が取得しにくい現状の理由

所定の条件を満たしている労働者であれば、年休権によって有給休暇は保証されているはずですが、実際には有給休暇が取りづらいという声が多く聞かれます。

ここでは特に、介護職で有給休暇が取れない理由を見てみますが、他の業種に当てはまる部分もあるでしょう。

【理由1】人員が少ない

介護現場にはギリギリの人員で仕事をしている事業所も多く、通常のシフトでも余裕がないため、有給休暇を取ることを職員の方がはじめから諦めているということも多く、職員同士が休暇を取ることをけん制し合っているような状況です。

取るべき休暇が取れないほど、十分な人員が確保できていないのは使用者の責任で、改善する必要があります。

【理由2】有給休暇の仕組みをよく知らない

有給休暇は労働者の権利で特に理由がなくても取れるものなのですが、特別な理由が無いと取ってはいけないもの、と誤解している人もいます。有給休暇の時効や繰り越しについても知らずに、せっかくの権利を無効にしていることも。

また、消化しているように見えても、体調不良や冠婚葬祭などやむを得ない事情の欠勤に充てられて休暇になっていない、という例も多いようです。

【理由3】職場が協力的じゃない

介護職で有給休暇が取れない理由のうち、一番多く見られるのが「職場が取得に協力的ではないこと」で、中には取得しようとする職員に圧力をかけるという例もあります。

労働基準法では、賃金の減額やその他有給休暇を取ることを妨げるような不利益な扱いはしないように定められていますが(労働基準法附則第136条)これには使用者側への罰則がないため、状況の改善にはあまり役立たず、取りにくい状況は変わっていません。

年次有給休暇の取得方法

職場や職種によって取りにくい理由や状況はありますが、そんな中でも有給休暇を確実に取れる方法はあるでしょうか。

希望日を早めに申し出る

有給休暇を申し出る期限は、通常それぞれの会社の就業規則に定められています。

都合に合わせて取ることができる有休休暇とはいえ、明日休みます、ということでは、他の職員に過剰な負担をかけることにもなるので、決められた期限を参考に早めに申し出ます。

次のシフト作成に間に合うように申し出れば、それに合わせたシフトを組めるので、他の人の勤務への影響も少なくすることができるでしょう。

忙しい時期は避ける

職種により時期は異なりますが、年末年始など繁忙期は避けるのが無難です。

例えば、介護職ならレクリエーションやイベントがある時や、新しい職員が入ったばかりでまだ指導が必要な時なども避けると、比較的取りやすいでしょう。

同僚と協力し合う

できれば、あらかじめ同僚にもフォローしてもらえるようお願いしておきます。

なるべくスムーズに仕事が進むように、休暇に入る前には仕事上の必要な準備や配慮はしておきましょう。そして、同僚が休暇を取る際には、同じように協力することで、お互い確実に休暇を取れるようになります。

公休と合わせて取る

当然の権利とはいえ、有給休暇を取る際には周囲の反応も気になります。

連休で休みが欲しい時は、すべてを有給休暇にするのではなく、公休日に続けて取るようにすると取りやすく、職場の反応もそれほど気にせずに済みます。

2019年4月から有給取得が義務化

働き方改革関連法の施行により、労働基準法が改正され2019年4月から適用されています。この法改正で使用者は労働者に対し、年次有給休暇を取得させることが義務となりました。

有給休暇取得に関して、労働者に不利益な扱いを禁じている労働基準法には、これまで罰則が無かったこともあり状況はあまり改善されていませんでしたが、今回の法改正で、有給休暇を取得させなかった使用者に対しての罰則も定められたので、取得に向けた具体的な働きかけになることが期待されています。

取得対象者と日数

この法改正による有給休暇の取得対象者は、基準日に10日以上の有給休暇が与えられる労働者で、管理監督者や有期雇用労働者も含まれます。

これらの労働者に付与される10日以上の年次有給休暇のうち、年5日について、使用者が時季を指定して取得させることが義務付けられました。

取得時期

有給休暇の取得時季は使用者が面談・年次有給休暇取得計画表・メールなどで、労働者の意見を聞き取り、それを尊重して時季指定し取得させることが求められています。

いつ年次有給休暇を取得したいですか?

○月〇日に休みたいですね。

わかりました。では、〇月〇日に休んでくださいね。

すでに年5日の有給休暇を取得または請求している場合は、使用者が有給休暇の時季指定をすることはできず、また必要ありません。

有給休暇の管理

使用者は、有給休暇の取得基準日・取得日数・取得年月日などを記載した「年次有給休暇管理簿」を労働者ごとに作成し、3年間保存しなければなりません。

これは、労働者名簿または賃金台帳に表を追加する形で作成してもよく、いつでも出力できる状態であれば、システム上で管理することも認められています。

有給休暇の管理

出典 厚生労働省

就業規則への記載

休暇に関しては「就業規則の絶対的記載事項」と労働基準法で規定されているので、この有給休暇時季指定の対象となる労働者の範囲、時季指定の方法等については、就業規則に記載する必要があります。

使用者への罰則

労働者に時季を指定して年5日の有給休暇を取らせなかった場合、就業規則への記載を怠った場合はそれぞれ30万円以下の罰金、労働者が請求する時季に所定の有給休暇を与えなかった場合は6か月以下の懲役または30万円以下の罰金と、使用者に対する罰則が設けられています。

違反条項違反内容罰則規定罰則内容
労働基準法
第39条第7項
年5日の年次有給休暇を取得させなかった場合労働基準法
第120条
30万円以下の罰金
労働基準法
第89条
使用者による時季指定を行う場合において
就業規則に記載していない場合
労働基準法
第120条
30万円以下の罰金
労働基準法
第39条
(第7項を除く)
あああ労働者の請求する時季に
所定の年次有給休暇を与えなかった場合
労働基準法
第119条
6ヶ月以下の懲役または
30万円以下の罰金

 

有給休暇が取得できない場合の4つの対処法

取得を義務化された有給休暇ですが、それでも取りづらい・取ることができない場合の対処法はどのようなものがあるでしょうか。

【対処法1】職場の雰囲気を変える努力

取得できないわけではなく、忙しいから、と遠慮しあうことで、休暇をとらない雰囲気が職場にできあがっている、という場合があります。

しかし有給休暇を取りたくないと思っている人はいないはずなので、職員同士で一度話し合ってみると、仕事のやりかたの改善やシフト調整など、みんなが交代で休暇を取れるような方法が見つかるかもしれません。

【対処法2】労使交渉

職場に労働組合があるなら、組合を通して待遇改善を要求することもできます。

慢性的に人員不足の介護施設等で有給休暇が取れないような場合は、人員配置など他の面でも職場環境の改善が必要なので、団体交渉で要望を検討してもらうことが有効でしょう。

また、日本介護ユニオン等、介護業界の労働組合では、企業単位での加入のほか、個人組合員としての加入や相談も受け付けています。

【対処法3】労働基準監督署に通報

申請しても断られる、うちには有給休暇は無いと言われたなど、交渉するのも難しい場合は、自分だけではなく他の職員のためにもなることなので、労働基準監督署に通報、相談することも必要です。

しかし、職場と対立することにはなるので、辞める前提での最後の手段と考えたほうがいいでしょう。

【対処法4】転職する

有給休暇という労働者の権利を守ってくれない職場は、他の面でも良い職場とはいえない点が多々あると思います。

介護は有給休暇が取れない職種と言われますが、職場による差もあると思います。
転職することで、有給休暇だけではなく他の待遇も改善することが可能です。

おわりに

休暇を取って好きなことをする、旅行に行く、など楽しみがあることで、やる気も起きますし働くモチベーションも上がります。

うちの職場では有給休暇なんか無理、と諦めずに、休暇を取れる方法や職場を探す方向で考えてみませんか。まずは、自分の有給休暇が何日あるのか確認することから始めてみましょう。

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