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要介護1、2の家事援助サービスが全額自己負担になる?2017年予定

(最終更新:2017年11月2日)
要介護1、2の家事援助サービスが全額自己負担になる?2017年予定

厚生労働省が2016年1月、介護保険制度の「要介護度1、2」のサービスを見直すことが明らかになりました。具体的にどのような見直しなのか説明します。

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訪問介護サービスの家事援助(生活援助)とは

訪問介護には、身体介護と家事援助(生活援助)の2つのサービスがあります。

家事援助(生活援助)とは、

身体介護以外の訪問介護であって、掃除、洗濯、調理などの日常生活の援助(そのために必要な一連の行為を含む)であり、利用者が単身、家族が障害・疾病などのため、本人や家族が家事を行うことが困難な場合に行われるもの(家事援助は、本人の代行的なサービスとして位置付けることができ、仮に、介護等を要する状態が解消されたとしたならば、本人が自身で行うことが基本となる行為であるということができる。)

引用元:厚生労働省

具体的な内容は、掃除、洗濯、調理、ベッドメイク、衣服の整理・被服の補修、一般的な調理、配下膳、買い物・薬の受け取りなどになります。

介護の必要度が要介護1、2は低い?

2012年に厚労省が調査した「要介護度別訪問介護利用者数の構成割合」を見ると、家事援助は圧倒的に要介護1、2の人たちが多く利用しています。

要介護度別訪問介護利用者数

要介護1、2が全額自己負担になった時の料金は?

今回、家事援助(生活援助)サービスが見直しされた場合の自己負担額は以下になります。

時間 単位 単価 自己負担額
20分以上45分未満 183単位 10円 1,830円
45分以上 225単位 10円 2,250円
※1単価=平均値として10円で計算

要介護1、2の人が家事援助を利用した場合、

今まで1割負担の183円または225円だったのが、全額自己負担になると1,830円または2,250円が毎回かかることになります。これは非常に高負担です。

なぜ見直しが必要なのか?

見直し案が通れば2017年から法改正されるとのことです。なぜ見直しが必要になったかというとその背景には、社会保障費の抑制だけではなく、要介護1、2の人が家事援助のみを使っている割合が多いため「ヘルパーを家政婦がわりに使っている」などの批判の声が上がっているとのことです。

厚労省は今後、家事援助(生活援助)サービスを全額自己負担にするかわりに、自治体の家事援助サービスの利用を促していくそうですが、どうなっていくのでしょうか。サービスが複雑すぎて介護保険を利用する本人や家族は混乱しそうです。

全額自己負担以外の解決方法はないの?

要介護1、2でさらに認知症を患っている場合、掃除、洗濯、買物、食事づくり、服薬などをすることは非常に難しいです。介護の負担を介護で補ったところで社会保障費の解決には繋がらないと思います。

今現在40歳以上の人が支払っていても全然足りていない公的介護保険。社会保障費が膨らみ厳しいのであれば、一気に全額自己負担にするのではなく、

まずは負担を徐々に増やしていくなり、介護保険料の納付を20歳以上からにするなり緩和方法はいろいろあるはずです。

全額自己負担が進めば、訪問介護事業所を利用できる人が少なくなり、訪問介護事業所は赤字で潰れるところが増え、要介護1,2の人の家族への負担がより大きくなる気がします。

サ高住は家族介護の負担軽減?

一方で、安倍首相は2015年9月に「新3本の矢」を発表し、その1つに「介護離職ゼロ」を掲げました。これはサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)を増やし、一般企業を参入させて、特養待機高齢者をサ高住に入居してもらい家族介護を減らそうという狙いだそうです。

関連記事 サービス付き高齢者向け住宅

近年、サ高住は急激に増え続けています。特別養護老人ホーム、低料金の有料老人ホームに続く、安くて住みやすい賃貸住宅がサ高住です。

しかし、まだまだ問題はあり、介護職員の低賃金による離職も増えています。人手不足による劣悪な労働環境が原因で利用者への虐待が増え、介護職員への指導もままならないところも多いです。

この問題を解決しなければ、施設に預けたはいいが、虐待、暴行などにより施設をたらい回しになったり、自宅に戻ってきたり家族の負担は中々減らないかもしれません。

社会保障費の行方と削減すべきものとは?

介護職員の低賃金とは逆に高収入なのが公務員の給与です。他国と比べても2倍以上貰っています。しかし、介護業界は低賃金のまま。社会保障費を抑えたいのであればもっと削減すべきところはあると思います。

 

国の借金は2016年2月時点で1044兆円。2014年に消費税8%への増税され、当初は社会保障を充実させることでしたが、結局は9割が借金の穴埋めに消えました。1割のほとんどは子育て支援。

今後、消費税を10%にしたところで、社会保障費が足りないことには変わりないため、迫る2025年までに社会保障費を根本から改革しなければ、介護難民が増え続ける一方です。

このままいくと、最終的には要支援4~6以外は全額自己負担になり、その後、公的介護保険制度は無くなる気がします。

日本の延命治療とスウェーデンの福祉

消費税といえば、スウェーデンでは消費税が25%もあります。日本の3倍以上ありますが福祉がとても充実しているため世界で1番福祉が進んでいると言われています。

スウェーデンでは寝たきりがいません。胃ろうや気管切開などの延命治療をしないからです。それは虐待と捉えられています。

日本とスウェーデンでは、文化、思想、価値観が違うため、どちらのやり方が人間として生きる上での尊厳が正しいのかわかりません。

本人の意思とは別に延命治療をされている要介護4、5の人もいます。家族にとっては少しでも長く生きて欲しいですが、意識がなく苦しがっている姿を見るとそうでもなくなる人もいます。

このことから、まだ意思がはっきりしている段階で本人が延命治療についての書面を残す制度が必要だと思います。

おわりに

話がだいぶ逸れてしまいましたが、公的介護保険制度の今後の行方とありかたについて、問題は山積みです。お金がない中で超高齢化社会にどう対応していくべきなのか。

核家族化が進み数年前と同じような家族介護は崩壊し限界に来ています。公的保障を厚くするため、社会保障制度を今一度根本から改革する必要があると思います。


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(最終更新:2017年11月2日)