2016年4月から変わる診療報酬改定の8つのポイント

費用

2016年の4月から医療機関に支払う診療報酬が変わります。この診療報酬改定により、私達の自己負担や大病院、かかりつけ医、薬局などがどのように変わるのか説明します。

診療報酬改定の目的

診療報酬は2年に1度改正されています。超高齢化社会が迫る中、医療費が2025年には50兆円以上になると言われています。

2016年度の診療報酬改定は、医療費負担を減らすため、大病院、かかりつけ医、薬局、薬剤師の報酬引き上げし、役割をより明確化することで効率化させることが目的になります。

そして、地域にあるかかりつけ医をより身近で頼りになるものにすることで安心できる在宅生活を目指していくとのことです。

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大病院への紹介状無し初診料が変わる?

全国にある「ベッド数500床以上の大病院」や「特定機能病院」に紹介状無しで受診される場合は、窓口負担とは別に、初診料が5,000円以上再診料が2,500円以上になります。

大病院歯科での紹介状無しの初診料は3,000円以上、再診料は1,500円以上になります。 いずれも最低金額になり病院によってはもっと高い場合があります。ただしどちらも救急の場合は初診料はかかりません。

改定の理由として、大病院に軽症患者が多く訪れることで、重症患者への高度治療が欠如することを防止するためだそうです。

今後、考えられる大病院のデメリットは?

まず紹介状がないと初診料や再診料がかかることがわかりました。でもこれだけではなく、かかりつけ医から紹介状を書いてもらうためにお金が掛かります。
具体的には、診療情報提供料が2,500〜5,000円、更に初診料が約3,000円、合わせると最低でも約5,500円は必要です。
自己負担割合は
1割の人で550円
2割の人で1,100円
3割の人で1,650円
これをかかりつけ医に支払ってから大病院に行って初診料が掛かることになります。

今後の大病院へ通うメリットは?

これだけ自己負担が増しても大病院に行くメリットはあります。
まず1つめは、大病院の場合、様々な科が入っていて医療機器体制も整っていますので何かあった時でもすぐに検査してもらえるため安心です。
小さい病院ですと医療機器が無いため「うちでは診ることができません」といったケースが多く、結局大病院に回されます。
2つめは、住んでいる地域に信頼できるかかりつけ医がないため、知識が豊富な大病院の医師にかかっているといった人もいます。
このように、多少お金が掛かっても安心感や信頼感が得られるメリットがあります。

かかりつけ薬剤師・薬局の評価に新設される

かかりつけ薬局とは、患者がいつも行く薬局のことを言い、そのかかりつけ薬局にいるかかりつけ薬剤師が医師と連携して24時間体制で患者の薬の把握や指導、相談などを行っています。

今まで色んな病院にかかって薬が多くわからなくなったり、薬の組み合わせによる副作用の心配などがあったと思います。

新設される理由はいくつかありますが、その1つとして、患者の薬の飲み残しになります。年間にすると500億円以上の医療費になり、これが削減できれば医療者、患者双方の負担を減らすことができる試算みたいです。

今回、新設されるのは「かかりつけ薬剤師指導料」「かかりつけ薬剤師包括管理料」になります。これは、かかりつけ薬剤師がかかりつけ医と協力して患者ひとりひとりの服薬状況を一元管理して、服薬指導等を行う時に算定します。

かかりつけ薬剤師指導料とかかりつけ薬剤師包括管理料が新設されたことでかかりつけ薬剤師には報酬増が見込まれます。

かかりつけ薬剤師を利用した時の負担料は?

算定した点数は、、、

かかりつけ薬剤師指導料が1回70点 、かかりつけ薬剤師包括管理料が1回270点になります。

医療費の自己負担額
  かかりつけ薬剤師指導料
1回70点
かかりつけ薬剤師包括管理料
1回270点
70歳未満 3割 
(未就学児 2割)
約 210円
(約 140円)
約 810円
(約 540円)
70~74歳 2割 約 140円
約 540円
75歳以上 1割 約 70円
約 270円
現役並み所得者 3割 約 210円
約 810円
現役並み所得者は夫婦で520万以上、単身者は383万以上が目安になります。
70~74歳で昭和19年(1944年)4月1日以前生まれの人は1割です。

 

かかりつけ薬剤師の算定要件は?

算定要件は5つあります。

  1. 患者が選んだ薬剤師が患者の合意を得た上で、同意を得た後の次の来局時以降に算定。
  2. 同意については、当該患者の署名付きの同意書を作成した上で保管し、その旨を薬剤服用歴に記載。
  3. 患者1人に対して、1人の保健薬剤師のみがかかりつけ薬剤師指導料を算定できる。かかりつけ薬剤師以外の保険薬剤師が指導等を行った場合は当該指導料を算定できない。
  4. 手帳等にかかりつけ薬剤師の氏名、勤務先の保険薬局の名称を記載。
  5. 担当患者に対し、次の業務を実施。(1)薬剤服用歴管理指導料に係る業務(2)患者が受診している全ての保険医療機関、服用薬等の情報を把握、(3)当該患者から24時間相談に応じる体制を取る、(4)調剤後も患者の服薬状況、指導等の内容を処方医に情報提供し、必要に応じて処方提案する、(5)必要に応じて患家を訪問して服用薬の整理等を実施。

引用元:厚生労働省

かかりつけ薬局や薬剤師を使うメリットは?

今後、私たちがかかりつけ薬局を利用することで考えられるメリットは、たくさんの病院にかかっている場合、かかりつけ薬剤師が担当患者の薬をまとめて一元管理し把握してくれます。更に処方提案や重複薬を無くし、副作用防止、24時間の相談体制、国の医療費削減などのメリットが挙げられます。

かかりつけ薬局側のデメリットは?

かかりつけ薬剤師の報酬増ではありますが、患者の薬の管理から提案、相談など算定要件が厳しいため、退職者が考えられそうです。そのため、労働条件が悪化した場合、かかりつけ薬剤師は無理をせずに転職することをおすすめします。

ジェネリック医薬品(後発医薬品)の引き下げ

私達が普段飲んでいる薬の価格は2年に1度見直されています。今までジェネリック医薬品の薬価は、新薬の6割の価格でした。

今回の改定により、ジェネリック医薬品の薬価は新薬の5割まで引き下げになります。厚生労働省はジェネリック医薬品の使用促進することで医療費負担を抑制することが狙いです。

ジェネリック医薬品ってなに?

ジェネリック医薬品とは、厳選な薬試験を通過して厚生労働省の承認を受け製造・販売している医薬品になります。
新薬(先発医薬品)と同じ有効成分、効き目、品質が同等で価格が安い薬です。
安い理由は、新薬の有効成分を共有できることにより開発費・期間が少なく薬価を安く提供できるからです。
アメリカやヨーロッパでは、日本の2倍近くジェネリック医薬品が利用されています。

ジェネリック医薬品を飲むメリット・デメリットは?

今飲んでいる薬をジェネリック医薬品に変更すれば、薬価が新薬の半額になるため薬代を抑え、費用節約のメリットがあります。また、ジェネリック医薬品は新薬と有効成分は同じですが、添加物などが異なるためアレルギーによる副作用が起こる場合も考えられます。

お薬手帳が無いと料金は高くなる?

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病院に行ったときについついお薬手帳を忘れてしまって「まぁいいか」となっていた方もいるのではないでしょうか。今回の改定により「薬剤服用歴管理指導料」の点数が41点から50点に引き上げられました。

具体的には、病院に初回かかる時は50点、次回通院時にお薬手帳を持ってきていれば38点、持ってきていないと50点になりお金が多少かかりますので、必ず手帳を持っていきましょう。

ただし、別の薬局にかかったり6ヶ月以上空いた場合は、50点になりますので注意してください。

お薬手帳有無の医療費の自己負担額
  初診時 2回目以降
手帳無し
2回目以降
手帳有り
70歳未満 3割 
(未就学児 2割)
約 150円
約 150円 約 114円
70~74歳 2割 約 100円
約 100円 約 76円
75歳以上 1割 約 50円
約 50円 約 38円
現役並み所得者 3割 約 150円
約 150円 約 114円
現役並み所得者は夫婦で520万以上、単身者は383万以上が目安になります。
70~74歳で昭和19年(1944年)4月1日以前生まれの人は1割です。
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大型門前薬局や電子版お薬手帳も料金かかる?

大型門前薬局では50点の管理指導料がかかりますので、薬はかかりつけ薬局で一元管理してもらった方が節約できます。

今まで電子版お薬手帳は無料でしたが、4月からは紙と同様に管理指導料がかかってきます。

この改定では、今まで持ってきてない人がたくさんいて、実は「今日忘れました」人の方が料金が安かったんです。

しかしお薬手帳を持って来たり忘れたりしていると「いったいどの薬を処方されたのか?」「副作用は?」など確認が大変だったため改定に至ったわけです。

かかりつけ医に認知症の加算が新設される

認知症の人に対してもっと活動的に診療をしてほしいという国の希望から「認知症地域包括診療料・加算」新設されます。

かかりつけ医の報酬を上げることで地域に頼れる医師を増やすことが狙いです。 つまり、認知症患者を大病院で診るのではなく、かかりつけ医が診ることによって在宅医療を手厚くし、大病院の負担やベッドの空きを作ることが目的でもあります。

現在、かかりつけ医が認知症の人を診療した時の加算は、「認知症」「糖尿病」「高血圧症」「脂質異常症」のうち2疾患以上ある人が対象となる「地域包括診療料・加算」になります。

2016年4月から新設される「認知症地域包括診療料・加算」は、「認知症」以外に疾患が1つ以上ある人が対象です。 そして「内服薬を5種類以下、うち抗精神薬は3種類以下」にすることが算定条件になります。

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医師が処方する湿布薬に制限

病院から湿布薬を貰ったとき、家族や友人にあげたことありませんか?実は今まで1回に湿布薬を70枚以上貰っていた人は30万人もいました。これが医療費が膨れ上がっている原因の1つになっています。今後、病院側は70枚以上処方すると処方箋料などが算定できなくなります。

そのため今回の改定では、湿布薬は1回に付き70枚までと制限になりました。「貰えるだけ貰って余ったら家族にあげたい」「たくさん家に合った方が安心する」など本当はそんなに必要ないけど貰っていた人がたくさんいたんですね。

医師も言われれば、希望された枚数を渡していたため、たかが湿布薬かもしれませんが、国の医療費が増え続ける原因になっていたんです。

湿布薬が本当に必要な人は月70枚以上貰えないの?

では、湿布薬を本当に必要な人もたくさんいます。遠方から病院にきたのにもう貰えないのでしょうか?貰えます。医師から医学上の必要があると判断された場合は、70枚以上湿布薬を貰うことができます。

また、改正では「湿布薬は1処方につき月70枚まで」ですので、例えば1ヶ月に4回病院に通って湿布薬を1回につき70枚まで貰ったら280枚ですよね。これは問題なく貰えますので安心してください。尚、モーラステープやロキソニンテープも湿布薬に含まれますので注意してください。

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門前薬局の報酬が引き下げになる

特定の病院から処方箋を受け取り病院の近くにある「門前薬局」。

今後、患者ひとりひとりの日常的な健康状態の管理を担う「かかりつけ薬局」に対して、門前薬局はかかりつけ機能を十分に満たしていないため、410円の「調剤基本料」をおおよそ半額以下に引き下げになります。

この報酬改定により、大病院と地域のかかりつけ医の医療体制をより明確化することで、医療の質が向上していくのではないでしょうか。

おわりに

いかがでしたか?診療報酬改定されることで今後の超高齢化社会の医療費をどこまで削減できるのか。現在の時点で40兆円まで膨れ上がっている医療費。

今回から本格的に地域医療へ移行され、医療関係機関、医療者、地域住民などが協力し、一体となった連携体制が求められると思います。

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