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認知症症状による妄想・幻覚・幻視とは?種類や原因・対策を検証

(最終更新:2017年11月2日)
認知症症状による妄想・幻覚・幻視とは?種類や原因・対策を検証

認知症にはもの忘れが一般的に知られていますが、その他に妄想・幻覚・幻視といった症状がみられることがあります。具体的にどういった症状なのかご説明します。

認知症による妄想とは

認知症による妄想は、アルツハイマー型認知症の初期段階で出ることが多い症状です。現実ではないことをいかにもそうであるかのように強く思い込んでしまう被害妄想のため、現実を理解するのが非常に難しい状態になります。

本人の介護をしている嫁や子供などの身内は、接している時間が長いため、疑いの目を向けられることが多いです。お金や大事なものを盗られたと近所に悪口を言い回ったり、時にはヘルパーや仲の良かった隣人さえも閉め出してしまいます。

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認知症の妄想の種類

妄想の種類は大きく分けて3つあります。それぞれの特徴や原因はさまざまです。

被害妄想とは?

記憶障害やもの忘れにより、家族や周りの話が理解できずに、のけ者にされた、嫌われている、自分はいない方がいいと被害者意識を持つようになります。

被害妄想の原因

ちょっとしたきっかけが原因になります。例えば、家族が無視してしまったり、言動がキツく感じたりすることで症状がでたりします。もしも被害妄想が出たら、必ずきっかけとなる原因があるため、周りの家族の態度や言動に心当たりがないか考えてみてください。

また、引っ越し・部屋の模様替えなどの環境の変化によって混乱し、それが原因となり妄想を生じる場合もあります。本人の気持ちをくみ取り優しく接してあげることが大切です。

物盗られ妄想とは?

財布やお金がないことに気付いても探すことはせず、誰かが持って行ったと考え、身近にいる人が盗んだと短絡的に考えてします。思い込みが強く興奮状態のため、訂正したり誤解を解くのはなかなか難しいです。

盗まれたと思い込む物は、通帳や宝石など比較的高価なものが多く、このような症状は圧倒的に女性に多く見られます。無くした物を見つけられずにいる場合は、目的の物が見つかれば収まります。

物盗られ妄想の原因

元々、不安症の人がなることが多く、家族から虐げられていたりすると、あることをきっかけに「物が無い、盗られた」と妄想に繋がってしまうことがあります。

また記憶が曖昧になり、お金が無かったのに、「財布の中の100万円がない」など思考力が低くなったり記憶障害が原因で物盗られ妄想が現れたりします。もともと誰かに頼ったり、昔お金で苦労したり、トラブルを抱えていた人がなりやすいと言われています。

嫉妬妄想とは?

配偶者がそっけない態度をとったりすると、自分への関心が薄れたと思い込み、寂しさから攻撃的になります。誰か知らない人と歩いていた、浮気しているのではと疑うようになります。嫉妬妄想は、今まで頼りにされ、自立心が強くしっかり者だった人に多く見られます。

嫉妬妄想の原因

過去に家族に対して不満や猜疑心があっても口に出さず、胸にしまっていた場合、想いが爆発して症状が現れたりします。症状が悪化することで本人に対する家族の当たりが強くなり余計、「周りはみんな敵だ」「私を追い出そうとしている」など妄想が激しくなってしまいます。

認知症による妄想の対策

医師真心

認知症高齢者は、環境の変化に対応が出来にくくなりますので、極力住みなれた環境の中で、気持ちを落ち着かせてあげる事が大切で、十分な配慮が必要です。

妄想の症状が現れた時は、信じ込んでいる妄想を否定せず、まずはどんな妄想なのか状況を聞いて理解をしましょう。否定すると妄想が余計酷くなります。また諭すのもNGです。大切なのは、否定も肯定もせず受け流し、「いつも本人の味方だよ」という姿勢で優しく接してあげることが大事です。

認知症の病院へ連れて行くためには?

初期段階であれば、薬で進行を遅らせたり、妄想の改善が期待できます。そのため、早い段階で連れて行きましょう。

病院へは「ぼけたから病院に行こう」「最近おかしいよ」など頭ごなしに上から無理に連れて行こうとすると拒絶して二度と病院へ行ってくれなくなります。

まずは家族だけが先に病院に行って相談をしてみましょう。医師に本人の症状を詳しく説明することで、診断に来てもらうために家族が本人に伝えやすい言葉などを教えてくれます。例えば

「あなたが万が一、認知症になったら家族が困ってしまうので一緒に病院へいってほしい」と切実に訴えてあげることで本人も納得するケースが多いです。

また、さりげなく、最近疲れがとれないなら→「疲れが取れるいい薬があるよ。診察すると貰えるみたい」など別のことを理由にして連れていくとうまくいく場合もあります。

「家族が具合悪いから一緒に付いてきてほしい」と伝え付き添いという形で病院へ一緒にきてもらう方法もあります。

大切なのは、「あなたの力が必要である・信頼している」など気持ちを伝えることで病院へ来てくれます。

認知症の家族のケア

本人の妄想によって攻撃されている家族がいる場合は、話をしっかり聞いてあげ、ストレスを軽減してあげましょう。妄想自体は一生続くものではなく、認知症が進行するにつれて妄想は無くなっていく場合があります。

しかし我慢しすぎて共倒れになっては元も子もありません。家族では対応ができない場合は、認知症専門の施設もありますので、施設入所の検討も考えてみてください。

また、1人で悩まずに自治体や社会福祉協議会など介護相談窓口に行かれるのもひとつの方法です。

認知症の幻覚と幻視とは?

虫

実際にはないものが見える、体に蛇が絡みついているなどの幻覚や知らない人がいる、子供が遊んでいる、部屋に虫が飛んでいるといったリアルな幻視は、レビー小体型認知症の初期に良く見られる症状です。中には亡くなった人や生首が見えると訴える人もいます。

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また、壁のシミが人の顔に見えると言った見間違いによる錯視も見られます。これは、目や耳の機能が衰え、不安な心理状態が原因であると言われ、子供が遊んでいるという幻視から、世話をしなければと言う妄想に変わることもあります。

幻覚と幻視の違いは、いないものが見える幻覚とリアルなものが見える幻視というように、知覚対象になるものがあるかないかで区別されています。

認知症の幻覚と幻視の対策

幻覚の対策方法

実際には人も虫もいないのですが、本人は幻覚によって恐怖を感じています。決して頭から否定せず、本人の声に耳を傾け、どんな状況なのか?意思を尊重して聞いてください。

その上で、見えている場所へ一緒に見に行ってみたり、虫がいると言ったら退治する仕草をしたりすることで、幻覚が見えなくなったり安心しますので、まずは耳を傾け、状況によって対応しましょう。

周りの人が大丈夫だという安心を与え、恐怖心をなくしてあげられるように協力することが重要です。

幻視の対策方法

見間違いによる幻視の場合は、壁や床のシミ・汚れ、壁に掛けてある洋服などが人や虫に見えたり、部屋の家具に影が出来たりすると誰かいるのではないかと不安になったりします。

そういった室内環境による原因が多いので、部屋の汚れを無くしたり、影ができないように工夫や改善をすることで、見間違いによる幻視をある程度は予防することが出来ます。また初期であれば、薬物治療で改善できる場合があります。

おわりに

介護者にとっては妄想、幻覚・幻視の症状が現れると、戸惑うと思いますが、本人は不安を抱え辛い思いをしているため理解してあげましょう。

いつも笑顔で接したり、話を聞いたりするなどコミュニケーションを取りながら、周りの人が大丈夫だという安心を与え、恐怖心をなくしてあげることで改善されることあるため重要です。

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