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認知症サポーターとは?養成講座を受けて認知症を理解しよう!

(最終更新:2018年1月27日)
認知症サポーターとは?養成講座を受けて認知症を理解しよう!

認知症サポーターが誕生した経緯

「痴呆」から「認知症」へ変わった

もともと日本では物忘れが多かったりすると「痴呆症」や「ぼけ」になったなどと呼ばれていました。しかし、痴呆症の「痴」は「愚か」、「呆」は「のろま」や「ぼんやりした状態」など偏見や侮蔑的な言葉を意味し、尊厳や尊敬の念がなく、病気自体を理解していませんでした。

そのため、認知症対策である早期発見・早期診断等の支障となっていたのです。そこで、日本政府は2004年12月に「痴呆」を廃止し、「認知機能が低下する疾患」を意味する「認知症」に変更しました。

これに伴い、メディアや学術団体も「認知症」を使うようになり、認知症は誰にでも起こりうる脳の病気であり、恥ずかしいことではなく、対策によっては改善・予防することも可能な病気であると広く認識されるようになってきました。

認知症サポーター100万人キャラバンが発足

日本政府は2005年に、認知症に対する意識と理解を改善するため、「認知症サポーター100万人キャラバン」を10年間の国家キャンペーンとして立ち上げました。

このキャンペーンでは、認知症の正しい理解と認知症になっても悲観的にならず自分らしく、安心して暮らしていける町づくりの普及活動を行いました。さらに全国各地で認知症に対する専門的な講座が開かれ、認知症サポーターが誕生しました。

認知症サポーターには小学生から警官までさまざまな人がなっています。そのおかげで今では「痴呆症」という言葉が無くなり「認知症」が日本で広く用いられ、国民1人1人の理解度も深まり、偏見が減ってきています。

認知症サポーターとは?

認知症の方のよき理解者である

認知症サポーターとは特定非営利活動法人「地域ケア政策ネットワーク全国キャラバンメイト連絡協議会」が実施する認知症サポーター養成講座を受講して無事修了した人がもらえる名称になります。

認知症サポーターは認知症の方を含めたすべての人が暮らしやすい地域づくりをするためのボランティアです。

講座を受けることで認知症について正しい知識をもつことができ、認知症の人や家族を取り巻く人々を温かく見守り、できる範囲で手助けをしたり、よき理解者になって支援することができるようになります。

認知症サポーターに必要なこと
  1. 認知症に対して正しく理解し、偏見をもたない。
  2. 認知症の人や家族に対して温かい目で見守る。
  3. 近隣の認知症の人や家族に対して、自分なりにできる簡単なことから実践する。
  4. 地域でできることを探し、相互扶助・協力・連携、ネットワークをつくる。
  5. まちづくりを担う地域のリーダーとして活躍する。

例えば仕事中で、たまたま認知症で困っている人を見かけたときに、「大丈夫ですか?」「お困りですか?」といった声をかけるといった行いをすることが推奨されるようにあるということです。それ以外にも気になる高齢者がいた場合は民生委員に報告する必要も出てきます。

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さまざまな人が認知症サポーターとして活動

2016年12月までに849万人以上の方々が講座に参加し、認知症サポーターになりました。地域住民、金融機関や商店・スーパー・コンビニ・銀行などの従業員、小・中・高等学校の生徒など様々な方が受講している資格になります。

他にも警視庁では、すべての警察官と職員計約46,000人を対象に認知症サポーター養成講座の受講を義務化するといった発表を出しており、世の中を少しずつ良い方向に導こうとする活動の一環となっています。

認知症サポーターの証

認知症サポーターになると、「認知症の人を手助け」する意思を表す「オレンジリング」のブレスレッドが配布されます。世界中で「認知症サポーター」の証として認められればとの想いから作成されたとのことです。
画像出典:埼玉県鶴ヶ島市

認知症サポーターの将来性

認知症の人にとって必要不可欠な担い手

厚生労働省の調べでは、2025年までに認知症高齢者の数が320万人を超えると推計されており、今後、認知症の方への支援がますます必要不可欠になることが予想されます。

また、高齢者の数に対して支援をする介護者の数が年々足りなくなってきてます。この背景には、低賃金、重労働、劣悪な職場環境などが挙げられます。

そのため、ボランティアとして動ける認知症サポーターが今後より重要な存在になることが想定されており、これからの世の中で認知症の人たちが少しでも生きやすい世の中をつくる担い手になることができるでしょう。

就職や転職に有利になる?

認知症サポーターはあくまで認知症の方を手助けするボランティアであり、転職や就職に役立てることが主目的ではありませんが、認知症に理解ある者として就業場所によっては優遇される場合があります。

もし認知症に対してのスペシャリストになりたい、と考えている方は「認知症ケア専門士」といった認知症に対しての深い知識を保有できる資格を取得するとよいでしょう。ただしこちらは受験資格に現場経験が必要になります。

関連記事 認知症ケア専門士とは?メリットなどをわかりやすく解説

認知症サポーターの養成講座

認知症サポーターの養成講座を受けるには?

認知症サポーター養成講座の受講を希望される方は、最寄りの自治体や事務局へ連絡してみてください。

要チェック  全国の自治体・事務局の連絡先一覧はこちら

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養成講座の概要について

それでは養成講座の内容について触れていきましょう。試験日や試験会場についても説明します。

実施主体者 都道府県、市町村、全国的な職域団体・企業など
全国キャラバン・メイト連絡協議会
講師 キャラバン・メイト
対象者 地域住民、職域、学校、広域の団体・企業等の従事者など
受講料 無料
受講時間 1時間30分
受講内容 ◆認知症サポーター100 万人キャラバンとは
◆認知症を理解する(1)
 1 認知症とはどういうものか
 2 認知症の症状
 3 中核症状
   症状1 記憶障害
   症状2 見当識障害
   症状3 理解・判断力の障害
   症状4 実行機能障害
   症状5 感情表現の変化
 4 周辺症状とその支援
   元気がなくなり、引っ込み思案になることがある
   身のまわりのことに支障が起こってくる
   周辺の人が疲弊する精神症状
   行動障害への理解
◆認知症を理解する(2)
 5 認知症の診断・治療
   早期診断、早期治療が大事なわけ
   認知症の治療
   認知症の経過と専門家との関係
   成年後見制度/地域福祉権利擁護事業
 6 認知症の予防についての考え方
 7 認知症の人と接するときの心がまえ
 8 認知症介護をしている人の気持ちを理解する
◆認知症サポーターとは
◆認知症サポーターのできること
修了証 受講者全員にオレンジリングが貰えます

キャラバン・メイトとは?

地域のリーダーとして期待される存在

キャラバン・メイトとは、自治体や事務局などと共同して認知症サポーターを養成する「認知症サポーター養成講座」を開催し、講師役を務める人になります。2016年12月までで123,224人が修了されました。

キャラバン・メイトは、地域のリーダーとして「認知症の方が安心して暮らせる町づくり」を目指し、関係機関などと連携し、認知症の方々の担い手となることを期待されています。

対象者別の修了人数

実に幅広い方々がキャラバン・メイトとして活躍されています。

認知症介護指導者養成研修修了者 1,727人
認知症介護実践リーダー研修修了者 7,815人
介護相談員 3,981人
認知症の人を対象とする家族の会 1,952 人
行政職員(保健師、一般職等) 14,853人
地域包括支援センター職員 28,403人
介護従事者(ケアマネジャー、施設職員等) 38,337人
医療従事者(医師、看護師等) 5,962人
民生児童委員 4,464人
その他(ボランティア等) 15,854人

キャラバン・メイト養成研修

養成研修の概要について

認知症サポーターではなくそれを要請する立場になりたい場合は、所定のキャラバン・メイト養成研修を受講する必要があります。2016年12月までで1,917回も開催されました。

キャラバン・メイト養成研修は各都道府県における自治体や企業団体によって定期的に開催されているようなので、希望すれば受けることができるでしょう。

要チェック  全国の自治体・事務局の連絡先一覧はこちら

実施主体者 都道府県、市町村、全国的な職域団体・企業など
目的 地域で暮らす認知症の人やその家族を応援する「認知症サポーター」をつくる
「認知症サポーター養成講座」の講師役「キャラバン・メイト」を養成する。
対象者 次の要件を満たす者で、年間 10 回程度を目安に(最低実施数 3 回)、
「認知症 サポーター養成講座」を原則としてボランティアの立場で行える者。
1. 認知症介護指導者養成研修修了者
2. 認知症介護実践リーダー研修(認知症介護実務者研修専門課程)修了者
3. 介護相談員
4. 認知症の人を対象とする家族の会
5. 上記に準ずると自治体等が認めた者
  5-1 行政職員(保健師、一般職等)
  5-2 地域包括支援センター職員
  5-3 介護従事者(ケアマネジャー、施設職員、在宅介護職員等)
  5-4 医療従事者(医師、看護師等)
  5-5 民生児童委員
  5-6 その他(ボランティア等)
受講料 無料
受講時間 6時間
修了証 受講者全員にオレンジリングが貰えます

 

養成研修のカリキュラム

養成研修のカリキュラムのパターンは実施主体によって異なりますので以下は一例になります。

Ⅰ オリエンテーション
 1 研修主催自治体のキャラバン事業の取り組みについて
 2 キャンペーンビデオ (15分)
 3 認知症サポーターキャラバンとは
 4 研修のねらい
①キャラバン、事業展開の趣旨を理解する。
②自治体としての事業の位置づけの理解徹底。
30分
Ⅱ 認知症サポーターに伝えたいこと
 ○認知症を理解する
   認知症とはどういうものか
   認知症の症状
   中核症状
   行動・心理症状とその支援
   認知症の診断・治療
   認知症予防についての考え方
   認知症の人と接するときの心がまえ
   認知症介護をしている人の気持ちを理解する
①認知症サポーター養成講座でサポーターに
伝える内容について学習する。
②認知症とはどういう病気なのか、認知症の
人や介護をしている人をどう支援したらよい
のかを理解する。
120分
Ⅲ 認知症サポーター養成講座の運営方法
 1 認知症の人を地域で支える
  グループワーク①
   こんなとき、どこにつなげたらいいのか
 ○地域ケアシステムで支える
  SOS便利帳をつくろう
  地域包括支援センター、地域の社会資源を
  おさえる
①認知症の人を地域で支える視点。
②認知症の人の助けになる地域の社会資源や
ネットワークをおさえる。
 30分
 2 キャラバン・メイトの役割と講座運営の実際
 ○各地のサポーター講座の様子(適宜)
全国各地の講座の模様をスライドで紹介。
(住民、職域、学校) 
 15分
 ○サポーター養成講座の企画・運営ポイント
  グループワーク②
  講座の展開に協力してもらえそうな機関等は?
 (講座の開催先を考える)
①キャラバン・メイトの役割の理解とサポー
ター養成講座の対象者の検討。
②サポーター養成講座を展開するうえで協力
してもらう機関の洗い出し。
③グループワーク②③の中で、認知症サポー
ターとしてできることを押さえる。
150分 
  グループワーク③
   受講者に合わせたカリキュラムをつくってみよう
①サポーター養成講座の運営方法を確認する。
②サポーター養成講座の企画や講座のポイン
トについて理解する。
③サポーター養成講座受講対象者別カリキュ
ラムの作成。
Ⅳ 事務連絡
  キャラバン・メイト登録について
  アンケート回収
  オレンジリング・修了証 授与
通学型講座のみ(合計24時間)  15分


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