認定介護福祉士とは|受講費用・必要書類・資格取得ルート・取得方法を解説

認定介護福祉士 介護の資格

認定介護福祉士という資格をご存知でしょうか。2015年にできたばかりの新しい介護資格で、介護職に関する資格では最上位資格となるものです。

認定介護福祉士は今後の役割が期待される職種ですが、この資格を取得している人はまだまだ少なく、登録数もごくわずかというのが現状です。

認定介護福祉士とはどんな資格なのか、従来の介護福祉士との違いや資格の取得方法についても調べてみました。

認定介護福祉士とは

認定介護福祉士とは、2011年度から厚生労働省において検討が始まり、2015年12月に「一般社団法人 認定介護福祉士認証・認定機構」が認証・認定を開始した民間資格です。

重度の認知症や障害者への対応や、サービス管理部門でより専門的な対応ができる人材を育成することを目的に作られました。

この資格制度によっては、以下のような社会的効果が期待されています。

  • 生活機能の維持改善により、要介護・要支援の改善
  • 障害に応じた生活環境の整備により、地域での自立生活や社会参加が可能になる
  • 重度の認知症になっても地域生活の継続が可能
  • 医療依存度が高くても、施設や自宅で生活ができる
  • 地域生活を継続しながらその人らしい終末期を迎えられる

認定介護福祉士は介護福祉士の上位資格で、介護福祉士以上のスキルや知識を身につけることで資格取得後のキャリアパスを整備することや、介護福祉士に対する社会的な評価を高めることも資格創設の目的とされています。

医療やリハビリ、認知症に関してなど現場での実践に生かせる知識から、高齢者介護に関して地域での連携が必要な、住環境や社会的支援に関する知識など、幅広い知識とスキルを持つことが必要になります。

2018年までに55人の認定介護福祉士が誕生

一般社団法人 認定介護福祉士認証・認定機構のHPには認定介護福祉士登録名簿が公開されていて、2018年までに誕生した55人が認定介護福祉士として登録されています。(2019年2月19日現在)

登録者の「働き先」と「男女別取得者数」

55名の認定介護福祉士の勤務先から一番多い働き先は「特別養護老人ホーム」でした。2番目は「小規模多機能型介護事業所」、3番目は「介護老人保健施設」になります。

特別養護老人ホーム」で働いている方が特に認定介護福祉士を意欲的に取得していることがわかります。

また、男女別の取得者数を見ると、男性が14人、女性が41人と女性が圧倒的に多いことがわかります。

介護資格別にみる登録者数

介護保険制度が施行された2000年度から介護福祉士と社会福祉士の登録者数は徐々に増えていき、2003年で介護福祉士が約35万人、社会福祉士が約5万人、2008年には介護福祉士が約73万人、社会福祉士が約11万人と2倍に増加しています。

2018年には、介護福祉士が約162万人、社会福祉士が約22万人と推移しており、特に介護福祉士の数は、ここ15年で約130万人増加しています。

認定介護福祉士は2015年から2018年までで55人と、年間20人に満たない数で、いかに少ないかがわかります。

認定介護福祉士の役割

認定介護福祉士の役割には、次のようなものがあります。

  • 介護チームのリーダー(ユニットリーダーやサービス提供責任者など)に対して教育や指導を行うこと
  • サービスのマネジメントやサービスの質を向上させる役割を持ち、小規模拠点のサービス管理を行うこと
  • 利用者の生活支援において、支援に関わる他職種(医療、リハビリ、行政など)と介護チームとの・連携や協働を促す役割をもつこと。

こうした役割を果たすために、チームリーダーとして7~8年以上の実務経験を持っていることや、居宅・居住系の両方のサービスで生活支援を経験している(または研修によって経験を補う)ことなど、介護実践力が必要とされています。

参考 厚生労働省(認定介護福祉士について)

認定介護福祉士に必要とされるもの

認定介護福祉士に必要とされるのは、上記の役割を果たせる実践力・マネジメント力・協働する力ということですが、具体的にはどのようなものなのでしょうか。

介護実践力

介護実践力とは、居宅・居住などサービスの種類を問わず、多種多様な利用者とその生活環境、提供するサービスの形態に対応して、介護を実践できることです。

  • どの利用者に対しても、その人に合った最適なケアを提供できること
  • リハビリ等の知識を生かした介護計画を立て、またそれを提供し、利用者の日常生活における機能を維持向上させること
  • 認知症患者の周辺症状(BPSD)を軽減させること
  • 個々の障害の特性に応じて適切なケアを提供すること
  • 心理的ケアや終末期ケアを実践できること
  • 利用者の家族に対する相談援助等で、家族の不安や負担を軽減して、介護力を引き出す

マネジメント力

  • 利用者や家族が必要としているニーズに気づき、適切なケアプランを作り実行する
  • 介護を行う根拠を、科学的指標等に基づいて論理的に説明・指導することができる
  • 介護チームのリーダーに対して、リスクマネジメントやサービス管理等を行うことができる
  • サービスの記録様式など、サービス管理に必要なツールを、より効率的に役立つよう改善・開発することができる
  • 介護チームに対して、仕事に対する意識改革やサービス提供方法等の改善を行い、研修プログラムなどにより、新しい知識や技術をチーム員が身につけられるようにする

協働する力

どうしてその介護ケアを行うか、根拠を理解し言語化して他職種(医療職、ケアマネジャーなど)に説明でき、連携・協働することができる

  • 医療の知識によって、介護の役割やその限界、医療の必要性についても正しく判断できること
  • 病院からの退院支援や、回復期リハビリにおいても、生活支援等で役割を担うことができる

認定時の必要書類・費用

認定時の必要書類・費用

認定申請書類

  • 認定介護福祉士認定申請書
  • 介護福祉士登録証の写し
  • 認定介護福祉士研修として認証された研修の修了証の写し

認定時の費用

審査費用は2万円、登録・認定証の交付には1万円がかかります。

参考 一般社団法人 認定介護福祉士 認証・認定機構(申請書、更新申請書)

資格更新時の必要書類・費用

5年ごとの更新が必要

認定介護福祉士資格は、取得後も5年ごとの更新が必要です。
取得した翌年度の4月1日から、5年ごとに更新研修を受け、手数料の支払いによって更新ができます。

更新時の必要書類

  • 認定介護福祉士認定更新申請書
  • 認定介護福祉士認定証の写し
  • 介護福祉士登録証の写し
  • 実務経験等証明書
  • 認定介護福祉士更新研修の修了証の写し
  • 研修等における講師及び学会等での発表等の実績履歴書
    (6の条件を満たさない場合は、追加更新研修の修了書が必要)

更新時の費用

更新審査には2万円、登録費用として1万円がかかります。

参考 一般社団法人 認定介護福祉士 認証・認定機構(申請書、更新申請書)

認定介護福祉士の資格取得ルート

認定介護福祉士の資格取得には次のようなルートがあります。

現在介護福祉士資格を持っている場合

介護福祉士として実務経験が5年以上あれば、600時間の研修を終了し認定されれば取得できます。

介護福祉士資格を持っていない場合

まず介護福祉士試験の受験資格をとるために、3年以上かつ540日以上介護職に従事し、なおかつ実務者研修を修了する必要があります。

または、福祉系特例高校を卒業し実務経験を9か月以上と実技試験、筆記試験に合格するか、福祉系高校を卒業後に筆記試験で合格することで、受験資格を得られます。

国家試験を受けて介護福祉士資格取得後、要件を満たして認定介護福祉士資格を取得できます。

「認定介護福祉士」取得方法

認定介護福祉士資格は、受講条件を満たした人がⅠ類とⅡ類で構成される研修、合計600時間を修了することで取得できます。

研修は、一般社団法人 認定介護福祉士認証・認定機構に認証された大学や事業者団体等で行われます。

認定介護福祉士養成研修Ⅰ類

Ⅰ類の研修では、「介護福祉士養成課程では学ばない新たな知識(医療・リハビリ、福祉用具と住環境、認知症、心理・社会的支援等)を修得し、他職種との連携・協働を含めた認定介護福祉士としての十分な介護実践力を完成させる」ことを目指し、利用者の尊厳を大切にした自立支援の考え方にたって介護を行うために、サービスを提供するチームのリーダーを指導できる知識や指導力の獲得を目的としています。

受講要件

Ⅰ類の研修を受講するには

  • 介護福祉士資格を有して介護福祉士として5年以上の実務経験があること
  • 現任研修受講によって、ケアに関してつねに考えて内省し学ぶ習慣があること

が求められ、現任研修は100時間以上であること、200時間以上で機構が認めた一定の研修については、レポート提出(もしくは試験)を免除するとされています

また、ユニットリーダーやサービス提供責任者としての実務経験や、居住・居宅両方のサービスで生活支援の経験があると望ましいとされています。

研修カリキュラム

Ⅰ類の研修カリキュラムは以下の内容で合計345時間あります。

 科目名時間形態
認定介護福祉士養成研修導入認定介護福祉士概論15時間講義・演習
医療に関する領域疾患・障害等のある人への生活支援・連携Ⅰ30時間講義
疾患・障害等のある人への生活支援・連携Ⅱ30時間講義・演習
リハビリテーションに関する領域生活支援のための運動学10時間講義
生活支援のためのリハビリテーションの知識20時間講義・演習
自立に向けた生活をするための支援の実践30時間講義・演習
福祉用具と住環境に関する領域福祉用具と住環境30時間講義・演習
認知症に関する領域認知症のある人への生活支援・連携30時間講義・演習
心理社会的支援の領域心理的支援の知識技術30時間講義・演習
地域生活の継続と家庭支援30時間講義・演習
生活支援・介護過程に関する領域認定介護福祉士としての介護実践の視点30時間講義・演習
個別介護計画作成と記録の演習30時間講義・演習
自職場事例を用いた演習30時間講義・演習

受講費用

受講費用はⅠ類Ⅱ類の研修を併せて、60万円ほどかかるとみられます。金額は研修の実施団体や自治体によって異なりますが、実施団体に加入している場合はおおむね35万円前後のようです。

認定介護福祉士養成研修Ⅱ類

Ⅱ類ではⅠ類で学んだ知識をもって、指導力や判断力、基本的な知識に基づいた応用力などをより深めたり、サービス管理に必要なツールを使いこなし、なぜその管理が必要なのかという根拠に基づいて、介護職を指導をする力を身につけることを目指しています。

また、地域全体の介護力を高めるために、専門的な知識によってチーム運営、人材育成、サービス管理を実践し、地域マネジメントを展開する力を身につけます。

受講要件

Ⅱ類の受講要件は、

  • 認定介護福祉士養成研修Ⅰ類を終了していること。
  • ユニットリーダーやサービス提供責任者として実務経験を有すること

加えて居宅・居住系サービスの双方で実務経験があると望ましいとされています。

研修カリキュラム

Ⅱ類のカリキュラムは計255時間で、内容は以下の通りです。

 科目名時間形態
医療に関する領域疾患・障害等のある人への生活支援・連携Ⅲ30時間講義・演習
心理・社会的支援の領域地域に対するプログラムの企画30時間講義・演習
マネジメントに関する領域介護サービスの特性と求められる
リーダーシップ、人的資源の管理
15時間講義・演習
チームマネジメント30時間講義・演習
介護業務の標準化と質の管理30時間講義・演習
法令理解と組織運営15時間講義・演習
介護分野の人材育成と学習支援15時間講義・演習
自立に向けた介護実践の指導領域応用的生活支援の展開と指導60時間講義・演習
地域における介護実践の展開30時間講義・演習

「認定介護福祉士」と「介護福祉士」の違い

認定介護福祉士と介護福祉士では、国家資格か民間資格かの違いと、業務や立場の位置づけに差があります。

介護福祉士

  • 国家資格である(国家試験に合格することが必要)
  • 試験を受けるには、従業期間3年以上かつ従業日数540日以上であることと、実務者研修を修了していることが必要
  • 介護チームの一員として、または介護チームのリーダーとして業務をする

認定介護福祉士

  • 民間資格である(介護福祉士資格を有し、決められた研修の修了が必要)
  • 資格取得には介護福祉士として5年以上の実務経験と600時間の講義受講が必要
  • 介護チームのリーダーを指導する立場

「認定介護福祉士」と「専門介護福祉士」の違い

「認定介護福祉士」と「専門介護福祉士」は両方とも民間資格になります。

 認定先
認定介護福祉士一般社団法人 認定介護福祉士認証・認定機構
専門介護福祉士公益社団法人 日本介護福祉士会

専門介護福祉士資格については2007年4月の参議院厚生労働委員会の付帯決議で、社会的ニーズにより応えられるよう、その仕組みについて早急に検討することが求められ、それをきっかけに認定介護福祉士資格創設の準備がはじまりました。

その際、専門介護福祉士の認定をしていた日本介護福祉士会が、厚生労働省の補助金を受けて事務局となり、認定介護福祉士の具体化に向けた検討が始まった経緯があります。

認定介護福祉士制度についての検討会資料(2012年)の図では、認定介護福祉士は専門介護福祉士の一分野とされているようですが、2015年に認定介護福祉士資格ができてから現在の専門介護福祉士資格の位置づけは、非常に曖昧と言わざるを得ない状況です。

おわりに

始まったばかりの認定介護福祉士資格制度は、研修を修了するまでに1年半以上かかり費用も高額なことから、働きながら資格を取得するのはなかなか難しく、それが受講者・登録者が増えない原因とも思われます。

介護福祉士のキャリアアップのためにも、今後は現職の介護福祉士が研修を受けやすい仕組みづくりが進むことを期待したいと思います。

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