ALS患者や重度障害者などの入院中ヘルパー利用が解禁される

制度

ALSの方々などが安心して入院中にヘルパーを利用できる制度改正が進んでいます。具体的にどう変わっていくのか説明します。

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ALSとは?

入院の話の前にALSについてご説明します。

筋萎縮性側索硬化症と呼ばれる進行性の難病

ALSとは、筋萎縮性側索硬化症と呼ばれ、脳から体を動かすための運動ニューロンが侵害され筋肉の委縮と筋力の低下をもたらす進行性の難病になります。進行は人によりますが、とても早く発症から3~5年で人工呼吸器を着けなければ自発呼吸ができなくなります

病気の原因は遺伝子異常などが確認されていますが、依然としてまだ不明のままとなっています。治療法は現在はまだ確立されていなく、進行を約3か月遅らせることができるリルゾール薬が有効となっています。

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ALS患者は全国で約1万人いる

ALSが進行すると全身が動かなく声が出せなくなり、意思疎通が困難になります。コミュニケーションは口文字や文字盤、パソコン支援ツールなどを使い行います。

ALS患者数は平成25年で日本全国9,200人います。2014年にはアイス・バケツ・チャレンジでより多くの人に認知されました。

ALS患者の支援について

重度訪問介護ヘルパーを利用する

ALSになった患者は居宅介護事業所などと契約をして自宅にヘルパーを派遣してもらいます。この時、障害福祉サービスの重度訪問介護(身体・家事・移動といった総合的支援)と介護保険サービス、そして訪問看護サービス利用します。

重度訪問介護の支給時間数は各市町村によってまちまちなため、時間数が多いところですと1000時間を超えていたり、少ないところは400時間未満もあり地域格差が大きいです。

ヘルパーにたん吸引や経管栄養をしてもらえる

呼吸機能の低下に伴い排痰障害が起きるため、ためヘルパーは喀痰吸引を行い排痰をします。今までグレーゾーンだった介護職員による喀痰吸引が平成24年に制度化され、指定機関で喀痰吸引等研修を行えば、介護職員も喀痰吸引をできるようになりました。

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病院はALS患者を嫌がる?

病院経営が回らなくなることが原因

ALSで自宅療養をしていても、急に体調を崩して入院をせざるえないときがあります。そんな時、入院できる病院を探してもなかなか見つからない場合が多いです。

理由は、ALSは長期入院になることが想定される点、進行が進んでいると全身がほとんど動かないため、看護に要する人員が他の患者に比べて多く必要になります。そうしたことから病院は赤字、人手不足などを招くため敬遠されることもあります。

なぜALSは入院中にヘルパー利用をできないのか?

障害福祉サービスが受けれない

入院中に看護師の人員がALS患者に取られるなら、なおさらヘルパーを入れた方が効率が良くなると思うのですが、これにも理由があります。

ALS患者が入院した場合、公的介護保険サービスの利用になります。さらに障害福祉サービスを利用することで税金を二重に利用することになるためヘルパーの利用が制限されていました。

そのため、入院中では、訪問介護事業所が実費でヘルパー派遣をしているところも少なくなく、支援に困難を極めていました。

入院中にヘルパー利用できないデメリット

意思疎通ができなくなってしまう

ALS患者が入院中にヘルパーを利用できないと様々な困難があります。まず、進行が進んだALS患者はコミュニケーションがまばたきしかできないため、口文字や文字盤を行えるスキルを持ったヘルパーしか理解できません。

看護師は理解できないためALS患者の意思をくみ取ることが非常に困難になり、誤った解釈をしてしまうケースもあります。そのため、一度入院をすると体力が落ち、症状が悪くなることも多いです。

適切な介助が受けられず苦痛が生じる

意思が伝わらないことで、長時間体位交換ができず褥瘡ができたり、痛い思いをしなければいけません。また、ナースコールを自分で押せないので入院中は不安な日々が続くこともあります。

ヘルパーが利用できないと家族が支援することになり、本人だけでなく家族にも負担がありました。

ALSの入院中のヘルパー利用はいつから?

2018年から利用可能

厚生労働省は2月6日の時点でALSや脊椎損傷などの重度障害者の入院中ヘルパー利用の付き添いを解禁する方針を決めました。障害者総合支援法改定案に見直しを組み入れ、2018年度に実現していく方向とのことです。

これにより病院側の受け入れも良くなり、本人の身体の負担や家族、看護師の負担も軽減されると思います。

ヘルパーが入院中に利用できる安心感

ALSなどの重度障害者が入院した場合、自分の身体のことを一番解っているのは在宅で支援している慣れたヘルパーたちです。心地の良い体位交換の角度、姿勢だったり、喀痰吸引のカテーテルの向きや角度、入れている秒単位の時間などは慣れたヘルパーしかわかりません。

こういった1つ1つの細かな点にも対応できる安心感が入院中はとても重要になってくると思います。

おわりに

入院中にヘルパーが利用できるようになる2018年まであと2年(2016年4月現在)。ALSや重度障害を持った難病患者たちがより安心して入院生活が送れるように早急に実現してほしいと願います。

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