紙のお薬手帳と電子お薬手帳アプリのメリット・デメリットを比較

病院

「お薬手帳はお持ちでしょうか?」病院に受診した時や調剤薬局にかかった際に良く言われると思います。もしかしたら、ドラッグストアでOTC医薬品(市販薬)を購入する時にも聞かれたりした事があるかもしれません。

ここ最近、お薬手帳が電子化されスマートフォンやタブレット端末の「お薬手帳アプリ」がお薬手帳として認められるようになりました。ペーパーレスが進む現代社会において電子お薬手帳は普及していくと予想されます。「紙のお薬手帳」と「電子お薬手帳」の違い、メリットとデメリットを分かりやすく比較してご説明します。

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お薬手帳とは

お薬手帳とは病院や調剤薬局などの医療機関で出されたお薬を記録する媒体のことです。

主に病院で退院した時や調剤薬局で処方された医薬品が記録されています。

お薬手帳は重要な情報源

お薬手帳にはお薬に関する細かい情報が記載されています。

  • お薬の飲み方
  • お薬の量
  • いつ飲むのか
  • どれくらいの日数が出ているのか
  • お薬を処方した医師や薬局
  • 処方された日付
  • 飲み合わせや注意すべき副作用など

お薬手帳には患者さん個人でドラッグストアで購入したOTC医薬品の記録や体調変化を記載しても問題はありません

管理薬剤師
医療機関で処方されたお薬以外の飲んでいるお薬やサプリメント、体調に関する事、疑問点をお薬手帳にメモして貰えると医療従事者は助かります。

 

お薬手帳は医師や薬剤師、看護師、ホームヘルパー、介護士といった医療従事者が服用している医薬品を把握していく上で重要なツールになります。

お薬手帳に書かれた情報を元に医師は処方する薬を把握したり、薬剤師は飲み合わせが問題ないか、看護師やホームヘルパー、介護士はいつお薬を飲ますべきなのか、服用中の薬はあるかなどを把握しています。

特に薬剤師にとってお薬手帳は患者さんのお薬を把握する上で重要な情報源になっています。

国もお薬手帳の重要性を推奨

お薬手帳の重要性は国も認めており、お薬手帳を用いたお薬の管理を推奨しています。

以前まではお薬手帳を調剤薬局に持参せずにお薬を調剤してもらうと、調剤薬局によって値段が安くなっていた時がありました。2016年4月から調剤薬局にお薬手帳を持参しないと逆に値段が高くなってしまう様に法律が改正されました。

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お薬を安全に使用する、複数の病院や調剤薬局で処方されるお薬の被りを防ぎ、医療費削減のためにお薬手帳を持参する様に国が推奨しているのです。

お薬手帳の重要性

服用しているお薬の理解度

医療機関にかかる上でお薬手帳はとても重要な情報源になります。

今、お薬を服用している方へ、ここで一つ質問です。

現在服用しているお薬の名前を何も見ないで正確に答える事は出来ますか?

恐らく、正確に答えられる方はほぼいないと思います。病院や調剤薬局、ドラッグストアで服用中のお薬について尋ねられた時、大体の人は痛み止め、高血圧の薬、糖尿の薬などカテゴリーでしか答えられないと思います。

現代においてお薬は何千種類も存在します。病院や薬局によって扱っているお薬は全く同じではありません。

自己判断で色んなお薬を服用するのは危険

お薬の名前が違っていてもお薬の効果が全く同じであったり、異なるお薬を同時に服用する事でお薬の効果が減弱したり効果が強くで過ぎてしまいお薬の副作用が出やすくなってしまう事があります。

実際にお薬の効果が弱くなってしまい満足な治療が行えない、または副作用が強く出てしまい死亡してしまったという事案が多発しています。そのような医療事故を防ぐためにお薬手帳は重要な情報源になります。

複数病院にかかっている場合は医師に伝える

特に薬剤師はお薬を患者さんに処方する上でお薬手帳を重要視しています。

病院の医師や看護師は病院内のお薬については十分把握していますが、多病院のお薬については把握していない事が多いです。

病院を何件もかかっている患者さんは注意する必要があります。先に述べたように同じようなお薬や飲み合わせの悪いお薬が同時に出てしまう事が多々あります。

お薬はさまざまな種類がある

先発薬とジェネリックについて

お薬には2種類の名前があり、先発医薬品と後発医薬品(ジェネリック医薬品)では同じ成分のお薬でも名前が異なります

例えば、

  • 【先発医薬品】ロキソニン錠60mg®︎
  • 【ジェネリック医薬品】ロキソプロフェンNa60mg

こちら2つは何となく名前が似ていて同じ薬なのだなとわかると思います。

また、

  • 【先発医薬品】リピドール錠5mg®︎
  • 【ジェネリック医薬品】アトルバスタチン錠5mg

こちら2つは名前が全く異なりますが、同じ成分のお薬になります。

ジェネリック医薬品とは?
ジェネリック医薬品とは、厳選な薬試験を通過して厚生労働省の承認を受け製造・販売している医薬品になります。 新薬(先発医薬品)と同じ有効成分、効き目、品質が同等かつ、後発薬のため価格が安いです。

2つ以上の薬が合わさった配合剤

最近では2種類以上のお薬が合わさった「配合剤」というお薬もよく出ています。配合剤は糖尿病や高血圧のお薬に多いのですが、中には高血圧のお薬とコレステロールのお薬が入っている配合剤のお薬が出たりしています。

配合剤は効果を高めることができる分、配合剤だとわからずに他の薬も飲んで副作用が出るケースもあります。〇〇配合剤と記載されていたら、2つ以上のお薬が含まれている場合がありますので確認しましょう。

様々な種類のお薬が世の中には流通しているため、間違って処方されてしまうケースもまれに生じてしまいます。

お薬手帳は一冊あれば十分

複数ある場合は1冊にまとめる

お薬手帳は医療機関にかかる際には必ず持参して欲しいのですが、複数の医療機関を受診している時に医療機関ごとにお薬手帳を分けない様にしましょう。

管理薬剤師
一律にお薬を管理したいのでお薬手帳が医療機関ごとでバラバラですとお薬が把握しきれません。医療機関ごとにお薬手帳を作成している場合はそれらのお薬手帳を必ず全て医療機関に出す様にして下さいね。

服用薬は医師・薬剤師に正確に伝えましょう

高齢の患者さんで他の医療機関でお薬をもらっているかどうか質問した時にお薬をもらっていないと言う時にお薬手帳を拝見すると他の医療機関でお薬もらって飲んでる、しかも、飲み合わせが悪いお薬ということがよくあるようです。

  • 医師に伝えるのを忘れてしまった
  • 医師に飲んでるお薬を言っていない
  • お薬手帳を出していない
  • 見られたくないので見せない

上記のような場合、お薬の副作用が出てしまったり、調剤事故が生じても賠償が受けられなくなってしまうケースがありますので気を付けてください。

電子お薬手帳アプリとは

お手持ちのスマートフォンがお薬手帳に!?

電子お薬手帳アプリはスマートフォンやタブレット端末にアプリをダウンロードし、お薬手帳として管理できるアプリになります。

紙のお薬手帳と同様、病院や調剤薬局などの医療機関で出されたお薬を記録してくれます。

法律に電子お薬手帳の文言がなかったため、以前はお薬手帳として認められていませんでしたが、現在は法律が改正されて、「お薬手帳」として認められる様になりました。

スマートフォンやタブレットと電子お薬手帳アプリさえあれば、「お薬手帳を自宅に忘れてしまった」「以前にお薬手帳を作成したが紛失してしまった」「突発の病気や怪我で医療機関にかからなくてはいけない」といった場合でも困りません。

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「紙のお薬手帳」と「電子お薬手帳アプリ」のメリット・デメリット

紙のお薬手帳と電子お薬手帳アプリには様々な特徴があり、良い点、不便な点なども当然あります。そこで紙のお薬手帳と電子お薬手帳アプリのメリット・デメリットについて述べていきたいと思います。

紙のお薬手帳のメリット

お薬手帳と言えば紙のお薬手帳。作成も簡単に出来る

多くの医療機関では紙のお薬手帳が主流になっています。薬局の薬剤師から紙のお薬手帳に張るシールを渡されますので、簡単にお薬手帳に情報を記録できる様になっています。余白に服用状況や体調変化などの記録を記載出来たりも出来ます。

紙ベースなので閲覧も簡単で持ち運びも楽

紙のお薬手帳は閲覧も容易です。そのため、機械やスマートフォン、タブレット端末を扱えない高齢者でも簡単に閲覧が出来ます。また、お薬手帳を紛失してしまった時も再発行が簡単に出来ます。紙のお薬手帳はサイズもコンパクトで持ち運びも便利です。

紙のお薬手帳のデメリット

手元にお薬手帳が無いと患者自身や家族の方の記憶頼りになる

紙のお薬手帳を自宅に忘れてしまったり紛失した際にかかりつけの医療機関であれば患者さんの記録が残っている事が多いです。しかし、他の医療機関にかかっている場合、医療従事者が服用中の薬を確認する手段が患者自身か家族の方の記憶に頼るしか無くなってしまいます。

個人情報が漏洩する場合がある

スマートフォンやタブレット端末の様にロックがかけられない「紙のお薬手帳」の場合、落としたり処分する際に適切に処理をしていないと個人情報の漏洩に繋がってしまします。

電子お薬手帳アプリのメリット

端末があればいつでも簡単に閲覧が出来る

電子お薬手帳アプリは、スマートフォンやタブレット端末が手元にあればいつでも開く事が可能です。紙のお薬手帳の様にかさばる事も無くデータで管理が可能です。

自宅にお薬手帳を忘れる事も無くなり、手元にスマホ・タブレットがあれば急に医療機関にかかる時も飲んでいるお薬を簡単に把握する事が出来ます。

スマートフォン、タブレット端末を用いた便利な機能も付随している

電子お薬手帳アプリの出しているメーカーごとで便利な機能が付いている場合もあります。

  • お薬を飲む時間やタイミングを知らせてくれる
  • お薬の効能効果や副作用、飲み合わせなどを調べる事ができる
  • 薬局店舗の検索ができる
  • お薬カレンダーで服用を記録できる
  • 健康コンテンツ情報が見れる

さらに、処方せんをカメラで撮影しその画像を調剤薬局に送付し、処方せんの原本を調剤薬局に持参すればお薬が調剤されているなどサービスを提供してくれる調剤薬局など便利な機能が付いているさまざまな電子お薬手帳アプリがあります。

電子お薬手帳アプリのデメリット

電子お薬手帳のシステムを導入していない店舗がまだ多くある

大手のチェーン調剤薬局は電子お薬手帳アプリに対応しているところが多い反面、個人でやっている調剤薬局は電子お薬手帳の設備が揃っていない事が多いです。

スマートフォンやタブレット端末が手元に無い、電源が切れている、端末の機能が不十分だと閲覧が困難

そもそもスマートフォンやタブレット端末が手元に無い・忘れてしまった場合は、紙のお薬手帳同様、服用中のお薬がわかりません。

スマートフォンやタブレット端末の電源が切れている

紙のお薬手帳であれば手元にさえあれば問題ありませんが、電池が切れてしまったスマートフォンやタブレットが手元にあっても充電できない限り、手元にないのと同然ですので電池切れにはご注意ください。

スマートフォンやタブレット端末の機能が不十分だと閲覧が困難

旧式のスマートフォンやタブレットの場合、動作や機能が不十分であったり、端末が対応しきれていないと電子お薬手帳アプリが閲覧できないことがありますので、自分のスマートフォンなどが対応しているかどうか使用する前に確認しましょう。

スマートフォンやタブレット端末でのトラブル

医療機関で薬剤師などが「電子お薬手帳アプリ」内の記録を閲覧する際には、パソコンを使用してアプリ内のデータのみを閲覧します。

しかし、パソコンで閲覧が出来ない場合、医療従事者に直接スマートフォンなどを手渡し閲覧してもらうため、中の個人情報が見られてしまうなどトラブルの原因になってしまいます。

高齢の患者さんや医療従事者で扱いに不慣れな方がいる

高齢の患者さんはスマートフォンやタブレット端末に慣れていない方が多いです。また医療従事者の中にもご年配でスマートフォンなどの扱いに慣れていないケースもあり、そのような方々には電子お薬手帳の扱いが困難になります。

電子お薬手帳の今後の普及について

大手・個人の調剤薬局の今後

「電子お薬手帳」は今後、スマートフォンの普及と共に、幅広い世代に普及していくでしょう。大手チェーンの調剤薬局はグループ店で情報共有がしやすく資金があるため、電子お薬手帳のシステムをいち早く導入しています。

資金力の少ない個人経営の調剤薬局ではどうしてもコストがかかってしまうので、電子お薬手帳のシステムを導入していない、導入しようにも導入出来ない事が多いです。

電子お薬手帳が大手チェーンの調剤薬局で主流になっていけば、個人経営の調剤薬局や中小規模の調剤薬局のように設備投資に弱い調剤薬局に何らかの補助や低コストで電子お薬手帳のシステムが実現していくかもしれません。

データ共有により適切なお薬が提供される

病院のような医療機関では電子カルテの導入が主流になっており情報管理のデータ化が多く進んでいます。そういった面で電子お薬手帳内のお薬のデータも電子カルテの情報とリンクし患者さんの情報を管理していく流れになっていくものだと思います。

電子お薬手帳が普及する事でお薬のチェックが簡単に行え、お薬の情報がデータ化される事で同じ系統のお薬や併用が良くないお薬を簡単に発見する事が出来ます。

また、患者さんの体調面のデータなども電子お薬手帳から把握出来れば、このお薬は適切に医療機関から出されているのかなども判別が出来るようになると思います。

おわりに

医療機関にかかる上でお薬手帳はとても重要な情報源になりますので、それぞれのメリット・デメリットをしっかりと理解して「紙のお薬手帳」と「電子お薬手帳アプリ」など媒体を問わず、病院にかかる際は持っていきましょう。

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