遠志(オンジ)の効果効能・副作用を徹底検証|加齢による物忘れを改善

認知症予防の栄養成分

この記事の監修者

管理栄養士
辻 千鶴
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遠志(オンジ)とは

主に中国で自生している漢方生薬

遠志(オンジ)は漢方生薬の名前で、ヒメハギ科イトヒメハギ(Polygala tenuifolia)の根や根の皮を乾燥させたものです。形状は長さ10cm~20cm太さは0.2~1cmほど、淡褐色をしていて表面には縦しわがあります。

日本には自生していない植物で、主な原産地は中国、内モンゴル、ロシア(シベリア)、朝鮮半島の北部などです。細いものよりも、ごつごつとして太いものがより良いとされていて「遠志肉(オンジニク)」「遠志筒(オンジトウ)」とも呼ばれます。

また同属の北アメリカ原産のセネガ(Polygala senega)は美遠志と呼ばれ、鎮咳薬(ちんがいやく)に用いられます。

心の働きを良くする生薬

遠志という名前には「志(こころざし)が遠大になる」という意味があり、「心(シン)」の働きを良くする生薬とされています。

「心(シン)」とは五行説という漢方医学の考え方に人間の身体の働きを当てはめた肝・心・脾・肺・腎のうちの1つで、心臓のほか精神活動を司る脳の働きも「心(シン)」に含まれ、心身の働きを統率する働きをしています。

遠志は、その「心(シン)」の働きに必要な栄養である「血(ケツ)」が不足して起こる心身の不調に対して用いられます

「血(ケツ)」が不足すると全身の循環が悪くなり、冷えや頭痛、肩こりを招くほかに、精神活動にも影響を及ぼし、不眠や精神不安、健忘の原因にもなるとされています。

古くから心身の癒しと加齢による物忘れに用いられてきた

遠志について、後漢時代に編纂された中国最古の薬物に関する書物「神農本草経」には

「苦、温。咳逆、傷中を治し、不足を補い、邪気を除き、九竅を利し、智慧を益し、耳目を聡明にし、物を忘れず、志を強くし、力を倍にする。久しく服用すれば身体を軽くし、老衰しない」

と記されていて、遠志が古くから血(ケツ)の不足を補い、健康増進のため特に物覚えや脳の老化防止のために、用いられてきたことがわかります。

この書物には約360種の生薬が収録されていますが、それぞれ上品(じょうほん)、中品(ちゅうほん)、下品(げほん)と分類されていて、遠志は上品(=無毒で長期に服用できる生薬)に分類されています。

遠志(オンジ)の効果効能

ではその遠志(オンジ)には、どのような効果・効能があるのか。研究や臨床結果などによる遠志(オンジ)の科学的根拠(エビデンス)を見てみましょう。

遠志のおもな成分はオンジサポニンA~G、テヌイフォリン、キサントン類、ケイヒ酸誘導体などで、以下のような症状に使用されます。

物忘れ・健忘

遠志は古来から加齢による健忘に良いとされてきました。

その効能から、近年、遠志エキスが含まれている薬やサプリメントが、各メーカーから販売されています。これらは、記憶に関する機能改善に効果があるとされています。

同じく記憶に関する疾患である認知症に対する効果は、まだ研究の途上ではありますが、多くの大学や機関での研究が進められています。

【中国】中国医学科学院などの研究(2009年)
マウスを使ってモリス水迷路による空間学習や記憶障害に関する試験を行い、遠志に含まれるトリテルペノイドサポニン(ポリガラサポニンXXXII、PGS32)の認知症への効果の可能性を調べたところ、シナプス伝達の改善や、海馬が司っている学習や記憶といった働きを改善する可能性があり、PGS32が認知機能を増強させる治療薬として有望な物質であるという結論に達しました。
参考文献:Acta Pharmacol Sin. 2009 Sep; 30(9): 1211–1219.

また、日本では富山大学と同大学院が、遠志を含む漢方方剤である帰脾湯、加味帰脾湯がアルツハイマー型認知症への治療薬になりうるかどうかの研究に取り組んでいます。

【日本】富山大学の研究(2015年)
この研究チームは帰脾湯に含まれている生薬である遠志(オンジ)、黄耆(オウギ)、人参(ニンジン)が、壊れてしまった神経回路を修復する作用を有していることを以前より見出していて、こうした漢方生薬による認知機能の改善について検証を行い帰脾湯をマウスに投与したところ、大脳皮質神経細胞の樹状突起の伸展が見られて萎縮が改善、アルツハイマー患者にみられる前頭皮質、海馬などの軸索と前シナプスの変性が減少し、記憶保持作用なども見られました。
このことから、帰脾湯、加味帰脾湯にはアルツハイマー型認知症の脳内における破たんした神経回路を修復する作用があることが結論付けられ、今後はその作用機序を詳しく解明していくことで、臨床につなげていくことが期待されています。
参考文献:https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/145/5/145_224/_pdf

精神安定

遠志は身体の疲れから起こる精神不安や神経症などの処方に用いられ、心血を補って心を鎮静させるとされています。

【中国】中国上海第2郡医科大学薬学部の研究(2010年)
「Polygala tenuifolia(=遠志の英名)由来のポリガラサポニンの抗不安および鎮静、催眠活性について」という内容で、また中国北京市中国PLA総合病院薬学センター臨床薬理学科が「Polygala tenuifolia由来の生物活性化合物は視床下部・下垂体・副腎系の軸に対する慢性ストレスの効率を調整する」という研究を発表しており、どちらも今のところマウスによる検証結果ではありますが、遠志の成分が鎮静・不安緩解作用を有し、ストレスの調整に効果的にはたらく可能性が見出されています。
参考文献:Pharm Biol. 2010 Jul;48(7):801-7. doi: 10.3109/13880200903280042.
参考文献:Pharmazie. 2009 Sep;64(9):605-8.

せき、のどの痛み

遠志に含まれているオンジサポニンには、のどの炎症や痛みを和らげ咳を鎮める効果があり、痰を切りやすくして排出を助けます。また、遠志のインフルエンザウィルスに関する効果も研究されています。

【日本】北里研究所東洋医学研究センターの研究(2001年)
経鼻接種ワクチンに対し経鼻で用いることのできるアジュバント活性物質(=ワクチンの抗原性を増強するために用いられる物質)について、常用和漢薬を中心に探索が行われたところ、遠志には強い活性が認められました。オンジサポニンFはインフルエンザワクチンとともに2度経鼻接種することにより、鼻腔中の抗インフルエンザ IgA 抗体を上昇させ、さらに肺中のウイルス価を低下させることが確認されました。これにより、オンジサポニンがインフルエンザHAおよびDPTワクチンの鼻腔内接種のための安全で強力なアジュバントを提供し得ることを示唆しています。
参考文献:Vaccine. 2001 Sep 14;19(32):4824-34.

遠志(オンジ)の摂取量

生薬としての摂取量は1日3g

遠志から抽出したオンジエキスの場合は、各医薬品によって約530㎎から1300㎎ほどと配合量に違いがありますが、生薬としての摂取量は1日3gとされています。

しかし、糖尿病で治療中の場合はこれには当てはまらず、遠志に含まれるポリガリトールという成分が糖尿病の検査値・血中AD値に影響し、改善したと誤認される場合があるので、1日の摂取量に遠志1g以上、または遠志の同属種セネガとして1.2g以上含まれている場合は注意が必要です。

参考  生薬のエキス製剤の製造販売承認申請に係るガイダンスについて

遠志(オンジ)の摂取方法

オンジエキス製剤にて水・白湯で服用

漢方方剤(何種類かの生薬を組み合わせた漢方薬)として市販されているもので、遠志が含まれている漢方薬には、帰脾湯 きひとう(効能=不安や不眠を伴う疲労感、うつ)、人参養栄湯 にんじんようえいとう(せき、息切れ、疲労)、加味帰脾湯 かみきひとう(虚弱体質、不眠、神経症、貧血)、加味温胆湯 かみうんたんとう(神経症、不眠症)などがあります。

これらの漢方方剤は生薬のままの煎じ薬もありますが、遠志を含む物忘れ改善薬やサプリメントなどと同様に、エキス剤の顆粒や錠剤で販売されているものが多く、そのほうが扱いやすく飲みやすいでしょう。

漢方薬は、胃の中に食べ物が無い状で摂取するほうが良いとされているので、食前(食事の30分前)か食間(食後2時間程度)に水や白湯で服用します。1日の摂取回数は各説明書に従ってください。

遠志(オンジ)医薬品を飲むメリット・デメリット

効果的に遠志(オンジ)を身体に取り入れるには、オンジエキス製剤の医薬品がおすすめです。なぜ医薬品がいいのか?飲むメリットは以下になります。

第3類医薬品で摂取するメリット
  • 必要な1日分の摂取量を身体に摂れる
  • 第1類2類に比べてリスクが少ない
  • ネットや薬局にて手軽に購入できる
  • 毎日続けることができる
  • 手軽に持ち運びができる

逆に第3類医薬品を摂取するデメリットは「サプリに比べると副作用がある」ことです。しかし、サプリと違い効果が確認されていることから安心して実感することができるでしょう。

遠志(オンジ)医薬品の選び方・ポイント

オンジエキス配合の第3類医薬品は、各大手製薬会社から発売されております。大手製薬会社が製造販売されていることから信頼性・安全性ともに申し分ない商品だと言えるでしょう。

どの商品も成分に大きな差はありませんが、錠剤タイプ、顆粒状タイプ、配合量、1日の服用量に違いがありますのでお好みのオンジエキス製剤の医薬品をお選びください。

オンジエキス製剤漢方薬の効果について
どの商品も「中年期以降の物忘れの改善」を謳った第3類医薬品ですが、認知症の予防又は治療に効果があるものではありません。ここで言う「中年期以降の物忘れ」とは「加齢による正常な物忘れ」を示します。
「加齢による正常な物忘れ」と「認知症による物忘れ」の違い
  加齢による正常な物忘れ 認知症による物忘れ 
物忘れの範囲 出来事などの一部を忘れる 出来事などの全てを忘れる
自覚 物忘れに気づき、思い出そうとする 物忘れに気づかない
学習能力 新しいことを覚えることができる 新しいことを覚えられない
日常生活 あまり支障がない 支障をきたす
幻想・妄想 ない 起こることがある
人格 変化はない 変化する(暴言・暴力をふるうようになる、怒りやすい、何事にも無関心になるなど)

出典:厚生労働省

遠志(オンジ)の副作用と注意点

認知症の疑いがある人は摂取をしないこと

 「物忘れ改善薬」として多く販売されている遠志ですが、認知症に対する効果は可能性はみられるものの未だ研究段階で、単なる「物忘れ」ではなく認知症の疑いがある場合は、治療の機会が失われないよう早期に診断を受けることが勧められます。

各メーカーでも厚労省の指導により、認知症の疑いがある人や診断を受けた人は、摂取しないように注意喚起が行われています。

アレルギーのある方は注意する

遠志は自然の生薬ですが、適正に使用しなければめまいや嘔吐、発疹などの副作用が起きることがあります。医師の治療や投薬を受けている人、薬に関してアレルギーを起こしたことのある人、妊娠中の人は摂取前に必ず医師に相談し、副作用の症状が出てしまったときには、使用を中止し診断を受けるようにします。

また、漢方薬の副作用で一番多い胃腸障害(腹痛、下痢など)は、治癒の経過で出る一過性のものであることが多いのですが、改善しない時は薬剤師や医師に処方の変更を相談しましょう。

おわりに

遠志(オンジ)には心を落ち着ける作用があり、適切に取り入れることで、心身を癒し、加齢による物忘れの改善に役立てることができます。

あれ・それが増えてきた、はつらつした生活を送りたい方などは試してみてはいかがでしょうか?

「あれ?」と思うことが増えて悩んでいませんか?
年を重ねるにつれ「うっかり」することが増えたら早めに対策することが大切です。
  • 物や知人の名前が出てこない
  • 何度も同じ話をする
  • 忘れ物やしまい忘れがある
  • 家族からの指摘が増えてきた
  • 外へ出るのがおっくうになった
こんな方に当サイトが厳選したおすすめのサプリメントがあります。ぜひ参考にしてください。
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