レビー小体型認知症とは?基礎知識を学ぶ

認知症の種類

認知症とは、脳の神経細胞が病気など何らかの原因により壊れるために、神経の伝達が阻害された結果起こる、様々な症状や状態をいいます。

認知症を引き起こす病気の種類は、およそ70種類といわれています。発症し進行すると理解力や判断力、運動機能などが失われ、社会生活や日常の生活に支障が出てくるようになります。

レビー小体型認知症は、一般的に良く知られているアルツハイマー型認知症、血管性認知症とともに三大認知症のひとつとされます。

スポンサーリンク

なぜ起こる?レビー小体型認知症

 「レビー小体」とは、脳の変性によって出来る特殊なたんぱく質のことを言います。このたんぱく質が脳の広い範囲に出現し、脳内の神経細胞が次第に壊され減少することで、運動機能や認知機能などに様々な障害が起きます。

パーキンソン病では、レビー小体がおもに脳幹部分に現れますが、これが認知機能を司る大脳皮質にまで広がると、レビー小体型認知症(Dementia with Lewy Bodies)となります。この認知症は英語表記での頭文字を取って「DLB」ともいわれ、1990年代後半になってから広く知られるようになった比較的新しい病気です。

レビー小体型認知症と遺伝子の関係

レビー小体型認知症が、脳の神経細胞内にレビー小体が溜まることで引き起こされることはわかっていますが、なぜ溜まるのかについては、まだ十分な原因の解明には至っていません。「加齢による遺伝子の損傷」という説をはじめ、さまざまな仮説がありますが、いずれも未だ研究段階です。

関連記事 レビー小体型認知症の原因と症状を徹底分析!

レビー小体型認知症の特徴的な症状と前兆とは?

男女比はどれくらい?

レビー小体型認知症は70~80歳代の高齢者に多くみられ、認知症患者全体では2割を占めます。患者の男女比は、男性が女性の約2倍とされています。遺伝することは、基本的にありません。

アルツハイマー型では目立って現れる、物忘れや徘徊などの症状が、レビー小体型認知症では比較的少なく、以下の三つの初期症状が現れるのが特徴です。

〈三徴と呼ばれる、特徴的な症状〉

  • 認知機能の動揺(理性的な状態と、判断力・理解力が低い状態が日に何度も入れ替わる)
  • 幻視や幻覚(繰り返し現れる具体的な幻覚)
  • パーキンソン症状(手足のこわばりなど運動機能の障害)

幻覚はアルツハイマー型でも後期に見られる症状ですが、レビー小体型認知症では初期段階で見られること、本人には現実に起きているとしか思えないような、とても具体的でリアルな幻覚が繰り返し現れることが特異な点です。

この三つの他には、

  • うつ症状
  • 自律神経症状
  • 薬に対する過敏症
  • レム睡眠行動障害

 などの特徴があります。

レビー小体型認知症の早期発見ポイント

認知症の進行速度や、症状の出方は人によって多少の違いがありますが、上記の三徴が現れたら、レビー小体型認知症の疑いがあると思われるので、早めに認知症専門医の診察を受けるのが良いでしょう。

また、前兆として自律神経の異常から来る嗅覚障害や睡眠の異常などの症状が現れることもあります。

レビー小体型認知症の相談はどこにすればいいの?

睡眠時に大声で寝言を言ったり、手足をバタバタ動かすなど、起きているかのような行動をしているのに本人には全く記憶が無い、というような異常があった場合には、「認知症疾患医療センター」や専門医などに早めに相談しましょう。

居住地に近い専門機関や病院がわからない場合は、各市町村の窓口や「地域包括支援センター」などで、認知症専門の病院や相談窓口について尋ねることが出来ます。

レビー小体型認知症チェックリスト

心配な症状がある方は、自分でチェックしてみましょう。

5個以上当てはまる項目があれば、レビー小体型認知症の可能性があります。

  • 物忘れが多くなった
  • 理性的で、はっきりしている時と、
  • 意識が低下してぼんやりしている時の差が大きい
  • 実際には存在しないものが見えることがある
  • 妄想が多くみられる
  • うつ状態
  • からだの動きが以前より緩慢になった
  • 筋肉がこわばり、動かしづらい感じがする
  • 歩幅が小さくなり、小股で歩くようになった
  • 眠っている時に異常な言動がある
  • 転んだり失神することを何度も繰り返す

レビー小体型認知症の検査方法とは?

rebi-gazou

レビー小体型認知症の症状には、パーキンソン病、統合失調症、うつ病などの特徴とよく似たものがあることから、誤診の可能性も否定できません。

そのため、この病気に詳しい専門医にかかることが安心と言えます。

診断には、脳の<構造上の変化>を見るMRIやCTよりも、脳の<機能の変化>を知ることが出来るSPECTやPET検査がより早期判断に有効とされています。

SPECT検査とは?

脳の血流や脳細胞の代謝状態を調べるための画像検査で、血流が低下している部分を色付きで表示して見ることができます。

レビー小体型認知症患者の脳では、アルツハイマー型と比べて海馬の萎縮が目立たない場合が多く、一方、後頭葉の血流低下が多くみられることが特徴ですが、SPECT検査では、MRI検査でも脳の萎縮が確認できない早期の段階で異常を発見することが可能です。

PET検査とは?

脳内の神経細胞のブドウ糖値や酸素消費量などから、脳内の異常を詳しく調べることが出来る検査です。ガンの検査に多く使われる検査方法ですが、脳内の血流量も画像で表示し見ることが出来るので、脳内の異常を調べるにはSPECT検査より優れています。

MIBG心筋シンチグラフィーとは?

レビー小体型認知症では、交感神経の機能が大きく低下し、神経伝達物質であるノルエピネフリンが不足して、脳内の情報伝達が困難になるという特徴があります。核医学検査といわれるこの検査では、交感神経機能の状態を調べます。

MIBGとは、ヨード123標識MIBG=メタヨードベンジルグアニジンのことで、神経伝達物質であるノルエピネフリン(ノルアドレナリン)によく似た放射性医薬品です。

これを静脈注射し、ガンマカメラで撮影、心臓へ集まった薬品から放出される放射線の量を調べます。通常4時間は心臓内にとどまる薬品が、交感神経の機能が低下している場合、少量ずつ血液中に流出していきます。

注射後時間をおいて2回撮影し、心臓内の薬品の状態を見ることで、心臓の交感神経機能を調べ、間接的に脳内の交感神経機能の状態を知ることが、この検査の目的です。

関連記事 ダットスキャン検査でパーキンソン病を鑑別!新しい認知症の検査

レビー小体型認知症では、交感神経機能は低下しますが、アルツハイマー型認知症などでは、交感神経機能は正常な状態を保つので、その点で他の病気との判別にも役立ちます。

レビー小体型認知症の予防法は?

今のところ、レビー小体型認知症の予防法や、完治させたり進行を止めるような薬・治療法は確認されていませんが、認知機能の低下や幻覚症状などを薬物療法で改善させるなど、病状の進行を遅らせることはできます。

関連記事 レビー小体型認知症の治療法を公開!

また、運動機能の低下による転倒やケガの予防など、日常生活での対策を講じることで、患者さんを支え出来るだけ良い状態を保っていくことも必要になりますので、早期に診断を受けて、適切な治療を受けることや、生活に合った介護のプランを立てることが重要といえます。

おわりに

いかがでしたか?レビー小体型認知症は、症状が変化しながら進行していきますが、他の認知症に比べ進行は早く、その初期から中期を経て後期までの経過は、おおむね10年未満と言われています。

レビー小体型認知症の家族や支援者は、正しい知識を身に付け、症状に合った適切なケアを行っていくことが大切です。

この記事を見た人は以下の関連記事も見ています
スポンサーリンク

この記事が気に入ったら
いいね!をお願いします

Twitter で