緑茶(カテキン)の効果・効能|認知症・ガン・糖尿病を予防できる

認知症予防の栄養成分

緑茶とは

緑茶とは、お茶の新芽を加熱処理し発酵を妨げて(不発発酵して)作ったお茶のことで、いわゆる日本茶のことを指し、中国や日本で多く消費されています。殺菌や消臭作用もあるため、その成分は消臭剤などの原料としても使われます。

飲用以外に、生産地では生の茶葉をかき揚げや胡麻和え、おひたしにして食べるなど、食材として野菜のように使われています。

緑茶の種類

日本の緑茶の種類は、大きく分けて「煎茶・番茶・玉露・かぶせ茶、てん茶、玉緑茶」の6つの種類に分類されます。茶葉や工程の違いにより、味に旨味や香りが変わりそれぞれの良さが引き出されます。

種類 製法
煎茶 最も一般的によく飲まれているお茶。
新芽を蒸して揉んで乾燥したもの。
旨味、苦味などのバランスがよい
番茶 製法は煎茶と同じ。固くなった新芽や茎などを原料 さっぱりして苦味がない
玉露 棚を用いてよしずや藁で20日前後の被覆栽培 旨味を増やして苦味を抑えた味
かぶせ茶 寒冷紗や藁などで被覆栽培 渋みが少なく旨味が多い
てん茶 玉露と同様の被覆栽培を3週間から1ヶ月行い
茶葉を揉まずに乾燥させる。
青のりのような香味
玉緑茶 製茶の製揉工程を省いて茶葉の形を玉状。
グリ茶とも呼ばれています。
渋みが無くまろやかな

出典:農林水産統計データ2015~2017年

緑茶の製造工程

緑茶は収穫した茶葉を蒸して加熱、揉み、乾燥などの工程を経て製造されますが、このうち加熱処理のことを殺青(さっせい)といい、中でも蒸す加熱方法は蒸青(じょうせい)と呼ばれます。

中国の緑茶の製造でも、かつては蒸青が行われていましたが、現在では釜炒りなどの方法をとり、蒸青は他の地域のお茶には見られない、日本特有の製造方法となっています。

加熱により酸化発酵を抑えていることから、こうしてできた緑茶は「不発酵茶」と分類され、発酵させないため生葉の栄養成分がそのまま残ります

緑茶に含まれるカテキンとは

タンニンと呼ばれるポリフェノールの一種

カテキンは、「ポリフェノール」の一種で、昔から「タンニン」と呼ばれてきた渋みや苦味の主成分です。語源はインド産のマメ科生薬「カテキュー」から由来しています。

カテキンの種類

カテキンは一種類ではなく「エステル(ガレート)型カテキン」「遊離型カテキン」2区分8種類のタイプに分かれています。

エステル(ガレート)型カテキン 遊離型カテキン
  • エピガロカテキンガレート(EGCG)
  • エピカテキンガレート(ECG)
  • カテキンガレート(CG)
  • ガロカテキンガレート(GCG)
  • エピガロカテキン(EGC)
  • エピカテキン(EC)
  • カテキン(C)
  • ガロカテキン(GC)

エステル(ガレート)型カテキンは苦味と渋みがあり、遊離型カテキンは苦味のみあるのが特徴です。

お茶に含まれるカテキン量はエピガロカテキンガレート(EGCG)が全体の50%ともっとも含まれています。また、ビタミンCの90倍、ビタミンEの23倍の強い抗酸化作用があります。

緑茶の効果効能

古代中国で編纂された薬草や生薬の解説書である「神農本草経」には、古代中国の神様である神農が、72もの毒に当たったものの緑茶を飲むことで毒を消したという逸話が収められていて、これがお茶に関する最古の記述とされています。

「神農本草経」はおよそ360種もの生薬について書かれた、漢方医学には欠かせない書物ですから、お茶が飲み物や食べ物というよりも古来から薬として徴用されてきたことがわかります。

ではその緑茶には、どのような効果・効能があるのか。研究や臨床結果などによる緑茶(カテキン)の科学的根拠(エビデンス)を見てみましょう。

解毒・抗菌作用

緑茶の渋み成分であるカテキンには抗菌作用があります。 食中毒の原因となる腸炎ビブリオ菌はじめ、ほかの原因菌に対しても効果があるとされており、生魚を使ったお寿司にお茶が付きものなのは、食中毒予防の意味もあるのです。

札幌医科大学医学部・北海道医療大学・北海道教育大学の共同研究
「茶およびカテキン含有飲料の病原性大腸菌に対する増殖抑制効果の検討」という実験で、緑茶をはじめ紅茶や番茶などを使った培地で菌の増殖の状態を検証したところ、お茶の種類によって差異は見られたものの、菌の増殖抑制と毒素産生の抑制効果が見られました。
出典:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jim/20/4/20_4_321/_pdf

このことからも、お茶には食中毒を防ぐ効果と、なってしまった場合でも重い合併症などを抑制する可能性があると考えられます。

認知症予防の効果

緑茶をよく飲むことで認知障害になる確率がかなり低くなります。

東北大学大学院 栗山進一准教授らの研究
東北大学大学院 栗山進一教授が公衆衛生学分野在職中(当時・准教授)の2006年に発表した研究では「一日に緑茶を2杯以上摂取することで、認知症を予防できる可能性がある」という結果がでています。 この研究では仙台市内のひとつの地区に在住する70歳以上で認知機能検査を受けた1003人に聞き取りを行い、緑茶を飲む回数を調査しました。 飲む回数が「週3杯以下」の認知障害がある人の割合に比べ、緑茶を飲む回数が多いと認知障害になる割合は下がり、1日2杯以上飲む人では53%低い割合となりました。
出典:Am J Clin Nutr. 2006 Feb;83(2):355-61.

認知症は神経細胞が死滅し脳が萎縮することで起こりますが、緑茶に含まれているカテキンが活性酸素の生成を抑制し神経細胞を保護することが動物実験によって解明されているので、人間に対してもその可能性があると考えられます。

静岡大学大学院らの研究
2014年に発表された静岡大学大学院の研究では、研究に参加した老人ホーム入居者12名(男性2名、女性10名、平均年齢88歳)に、1日2gの緑茶粉を3か月摂取した。3ヶ月の緑茶摂取後、参加者のMMSE-Jスコアは有意に改善(前、15.3±7.7、後、17.0±8.2、p= 0.03)または進行を抑制したとの結果が出ています。
出典:http://www.mdpi.com/2072-6643/6/10/4032

がん予防効果

緑茶に含まれるカテキンにはガンの抑制効果があります。

静岡県立大学の研究
茶の生産地として有名な静岡県・静岡県立大学の研究によると、緑茶の成分である茶カテキンに、細胞の突然変異化(がん化)を抑える効果があることが明らかになり、特に高濃度の緑茶を摂取した場合に発がん物質ニトロソアミンの生成が抑えられるとされています。 また、同じ静岡県立大学の研究で、茶カテキンには胃がんの発生に関与しているピロリ菌の増殖を抑制する作用や胃粘膜の萎縮を防ぐ効果もあることがわかっていて、緑茶は胃がん予防にも役立つと考えられます。
出典:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jems/26/3/26_3_265/_pdf

動脈硬化の予防

人間の体内の細胞膜に欠かせない成分であるリポたんぱく質(血液中のコレステロールとたんぱく質が結合したもの)は血液中を循環していますが、このうちLDL(低比重リポたんぱく質)というたんぱく質が酸化することが身体に悪影響を及ぼし、血栓症や動脈硬化の原因になることがわかっています。

株式会社伊藤園の中央研究所とお茶の水女子大学の共同研究
緑茶を飲むと消化管から吸収されたカテキンが血中に入り、このLDL(低比重リポたんぱく質)の酸化を抑制し、動脈硬化の発症を抑える効果があることが確認されました。 この緑茶の効果を維持するには、血中のカテキン濃度を保つ必要性から、一日に複数回短い間隔で飲むのが良いとされます。
出典:https://www.itoen.co.jp/company/research/result/detail.php?id=24000

高血糖値の改善や糖尿病の予防

カテキンの種類の1つであるエピガロカテキンガレートには血糖値を抑制する効果があります。

ペンシルベニア州立大学の実験
2012年アメリカ・ペンシルベニア州立大学が行ったマウスによる実験で、緑茶に含まれるEGCG(エピガロカテキンガレート)という成分には、でんぷんが糖に分解されるのを抑制し、食後の血糖値の上昇を抑える効果があることが確認されました。 実験でマウスに与えられたEGCGは人間に換算すると緑茶1杯分に相当し、トウモロコシでんぷんとともに与えた時に最も効果的だったことから、人間の場合もパンやごはんなどの食事といっしょに緑茶を摂取することで、血糖値の安定に役立つ可能性があります。
出典:http://news.psu.edu/story/144701/2012/11/12/drinking-green-tea-starchy-food-may-help-lower-blood-sugar-spikes

さらにエピガロカテキンガレートには糖尿病の予防効果がります。

大阪大学大学院の研究
2008年の大阪大学大学院の研究報告では、緑茶の飲用が糖尿病予防に効果があるとされ、そのメカニズムはカフェインによる基礎代謝の促進、筋肉における脂肪燃焼、グリコーゲンの異化などと、緑茶に含まれるエピガロカテキンガレートの抗酸化作用によるインスリン抵抗性の改善作用によるもので、緑茶の飲用が週に1杯以下の人と、1日6杯以上の人を比較すると後者の発症リスク比が0.67と減少することがわかりました。
出典:https://www.jstage.jst.go.jp/article/tonyobyo/51/6/51_6_471/_pdf

歯周炎改善の効果

緑茶に含まれるカテキンは歯周炎の改善効果があります。

太陽化学株式会社の研究
太陽化学株式会社は、緑茶カテキン入りの薄膜を成人性歯周炎患者の歯周ポケットに挿入し8週間、試験した結果、緑茶カテキン添加区では歯周ポケットの深さがプラセボ区に比較して減少しました。
出典:http://www.taiyokagaku.com/technology/health/katekin

緑茶の摂取量と摂取方法

緑茶は1日3~4杯が適量

健康な大人が一日に摂ることができるカフェインの上限はおおむね300~400mgといわれています。これを目安に緑茶の1日の摂取量を考えると、1杯(約150ml)に含まれているカフェインは約30㎎なので1日約10杯程度

ただし玉露ではカフェイン量は60mlあたり96㎎抹茶では100mlあたり64㎎と、緑茶よりもカフェインが多いお茶の場合は、1日3~4杯が適量と考えられます。

何回かに分けて飲むと良い

健康に良いカテキンが身体に吸収されるのは、摂取した量の100分の1とされているため、一度に大量に飲むよりも、一日に何度も飲む方が効率よく摂ることができます

緑茶は湯の温度によって味や成分に違いがあり、緑茶をおいしく淹れるには80度のお湯が良く、沸かした後で一度湯呑みに注いでから急須に入れて使うと適温になります。

1人で1日3回急須で飲む場合、茶葉2g(1人分は2g)に対してお湯は180ml、3回分が淹れやすい標準量です。 お湯を入れたら急須に蓋をして1分間置き、残さず注ぎ切ると二煎目もおいしく飲むことができます。

また、緑茶は料理にも使うことができます。乾いた茶葉を細かくしたものを衣に混ぜて、天ぷらを揚げたり、飲んだ後の茶殻をしょうゆ、みりん、砂糖で味付けし佃煮として食べることもできます。

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緑茶の副作用

多量摂取は要注意

高濃度の茶カテキンサプリメントについては、多量摂取による急性肝障害の症例がイタリアで報告されているほか、緑茶の飲用により男性の胃がんや閉経後の女性の甲状腺がんのリスクは高まる傾向がある、という報告もあります。

一日の摂取量を参考に、お茶として常識的な量を飲む分にはほとんど心配はいりませんが、濃いお茶は睡眠を妨げることがありますので、寝る約3時間前からは摂取しない方がいいでしょう。

妊娠中、服用中などは控える

また鉄分の吸収に影響を与えることがあるので貧血、妊娠中の人、手術を受けた後などは、多量に飲み過ぎないようにします。

一般に「薬をお茶で飲まないように」といわれますが、これは薬がお茶のタンニンと結合して効果が失われたり、お茶が持つ強い利尿作用が薬の体内残留時間に影響することがあることからです。

このタンニンにはまた、収れん作用もあるので、便秘の人も飲み過ぎには注意しましょう。

おわりに

緑茶は医学的効果が非常に多く、アメリカでも注目されている健康飲料です。認知症・がん・動脈硬化・糖尿病防・歯周炎などを予防&改善したい方にはおすすめのお茶です。

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