2017年4月 指定難病に24疾患追加|医療費助成のポイントを解説

制度

2017年4月から指定難病に24疾患加わることが厚生労働省の指定難病検討委員会で決定しました。

ここでは、そもそも難病とはなんなのか?指定難病とは?医療費助成を受けるために必要なことは?指定難病の自己負担分は?などなど1つずつわかりやすく説明していきたいと思います。

指定難病が合計330疾患に

2016年に行われた指定難病検討委員会で7月に9疾患、8月に8疾患、9月に7疾患が追加方針が決まり、2017年に厚生科学審議会と疾病対策部会で了承され2017年4月から24疾患が医療費助成される予定となっております。

指定難病に追加される24疾患

指定難病に追加される24疾患は以下になります。

  • 1.カナバン病
  • 2.進行性白質脳症
  • 3.進行性ミオクローヌスてんかん
  • 4.先天異常症候群
  • 5.先天性三尖弁狭窄症
  • 6.先天性僧帽弁狭窄症
  • 7.先天性肺静脈狭窄症
  • 8.左肺動脈右肺動脈起始症
  • 9.爪膝蓋骨症候群(ネイルパテラ症候群)/LMX1B関連腎症
  • 10.カルニチン回路異常症
  • 11.三頭酵素欠損症
  • 12.シトリン欠損症
  • 13.セピアプテリン還元酵素(SR)欠損症
  • 14.先天性グルコシルホスファチジルイノシトール(GPI)欠損症
     (既存の指定難病との整合性を図るため、先天性GPI欠損症から名称変更)
  • 15.非ケトーシス型高グリシン血症
  • 16.β-ケトチオラーゼ欠損症
  • 17.芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素欠損症
     (小児慢性特定疾患の疾病名との整合性を図るため、芳香族アミノ酸脱炭酸酵素(AADC)欠損症から名称変更)
  • 18.メチルグルタコン酸尿症
  • 19.遺伝性自己炎症疾患
  • 20.大理石骨病
  • 21.特発性血栓症(遺伝性血栓素因による)
  • 22.前眼部形成異常
  • 23.無虹彩症
  • 24.先天性気管狭窄症

これで指定難病は306疾患から24疾患が追加され330疾患になります。

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難病とは?

昔は医学が未発達だったこともあり不治の病とされてきた病気(結核やコレラなど)を「難病」と言っていましたが、医学の進歩によって治療法が確立され、治療ができる病気も増えてきました。

しかし、現代の医学でも治すことが難しい、原因不明、治し方がわからない、経済的負担が大きい、厄介な慢性の疾病のことを「難病」と指します。

特定疾患とは?

難病はもともと一般社会で使われてきた言葉であり、医学的な用語ではありません。

医学的に難病は「特定疾患」や「難治性疾患」ともいいます。「特定疾患」は、厚生労働省が実施する「難治性疾患克服研究事業」の対象に指定された332疾患のことをいいます。

難病の定義とは?

難病には、「ここからここまでが難病ですよ」といった明確な線引きは無く、世界的に見ても各国によって定義や医療費支援制度の内容も違ってきます。

欧州各国の医療制度の概要

欧州においては、難病という概念ではなく、原則として長期にわたり 高額な費用がかかる疾患を対象に医療費の支援を実施しています。

  イギリス フランス ドイツ スウェーデン
一般の医療費
患者負担
原則無料 償還制 定額負担 定額負担
医療費財源 一般財源 公的医療保険 公的医療保険 一般財源
難病患者の医療費
軽減制度
医学的除外認定証が
発行され、
処方料の
自己負担分が免除
・特定重症慢性疾患
の指定(30疾患)

・自己負担の免除
・公的補足保険提供
年間患者負担額の上限を
世帯の年間所得の1%
(難病に限らず)
長期あるいは

重篤な疾病の場合は、
薬剤費無料

償還制:患者が一時的に全額を支払い、その後公的医療保険から医療費が償還される方式
特定重症慢性疾患:再生不良性貧血、パーキンソン病、クローン病、SLE等の疾患が含まれます。

それでは、日本においての難病の定義を見てみましょう。

1972年10月、厚生省によって策定された難病対策要綱による「(旧)難病の定義」は以下になります。

(旧)難病の定義
①原因不明、治療方法未確立であり、かつ、後遺症を残すおそれが少なくない疾病

(例:ベーチェット病、重症筋無力症、全身性エリテマトーデス)

②経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人手を要するために家庭の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾病

(例:小児がん、小児慢性腎炎、ネフローゼ、小児ぜんそく、進行性筋ジストロフィー、腎不全(人工透析対象者)、小児異常行動、重症心身障害児)

上記からおおよそ40年後に、難病についてより明確化して定義されました。

2015年1月1日に難病法(難病の患者に対する医療等に関する法律)が施行し、さらに一新された「(新)難病の定義」は以下になります。

(新)難病の定義
①発病の機構が明らかでなく

■ 以下のように整理する。
 ①原因が不明または病態が未解明な疾病が該当するものとする。
 ②原因遺伝子などが判明している場合であっても病態の解明が不十分な場合は、①に該当するものとする。
 ③外傷や薬剤の作用など、特定の外的要因によって疾病が発症することが明確であり、当該要因を回避・予防することにより発症させないことが可能な場合は①に該当しないものとする。
 ④ウイルス等の感染が原因となって発症する疾病については、原則として①に該当しないものとする。
ただし、ウイルス等の感染が契機となって発症するものであって、一般的に知られた感染症状と異なる発症形態を示し、症状が出現する機序が未解明なものなどについては、個別に検討を行うものとする。
 ⑤何らかの疾病(原疾患)によって引き起こされることが明らかな二次性の疾病は、原 則として①に該当しないものとして、原疾患によってそれぞれ判断を行うものとする。

②治療方法が確立していない

■以下のいずれかの場合に該当するものを対象とする。
 ①治療方法が全くない。
 ②対症療法や症状の進行を遅らせる治療方法はあるが、根治のための治療方法はない。
 ③一部の患者で寛解状態を得られることはあるが、継続的な治療が必要。
■ 治療を終了することが可能となる標準的な治療方法が存在する場合には、該当しないものとするが、臓器移植を含む移植医療については、機会が限定的であることから現時点では完治することが可能な治療方法には含めないこととする。

③希少な疾病であって

日本全土でおおよそ患者数が5万人未満であること。

④長期の療養を必要とするもの

■ 以下のように整理する。
 ① 疾病に起因する症状が長期にわたって継続する場合であり、基本的には発症してから治癒することなく生涯にわたり症状が持続もしくは潜在する場合を該当するものとする。
 ② ある一定の期間のみ症状が出現し、その期間が終了した後は症状が出現しないようなもの(急性疾患等)は該当しないものとする。
 ③ 症状が総じて療養を必要としない程度にとどまり、生活面への支障が生じない疾患については、該当しないものとする。

※患者数等による限定は行わず、 他の施策体系が樹立されていない疾病を幅広く対象とし、調査研究・患者支援を推進する。
例:悪性腫瘍は、がん対策基本法において体系的な施策の対象となっています。

出典:厚生労働省第14回 指定難病検討委員会資料

難病の定義の新旧を比べてみると、古い定義には、希少性の概念がなかったようです。

現在、世界では希少難病は7000種以上あると言われており、日本はヨーロッパやアメリカとOrphanetオーファネット:海外の希少難病ポータルサイトのため全て英語です)を通じて研究情報を交換しながら希少難病対策を行っています。

難病対策要綱が策定

難病が広く知れ渡ったきっかけ

1958年、北海道の釧路からはじまった薬害スモンが多発して社会問題になったことをきっかけに「難病」が一般社会へ浸透しました。スモンは整腸剤キノホルムを服用することで起こり、歩行障害や内臓障害、視力障害などさまざまな症状をきたし、日常生活機能が低下してしまう神経障害です。

1971年に原因が判明し激減しましたが、2010年時点でまだ2,000人ほどの患者さんが確認されています。

難病の対策の進め方

このスモン事件をきっかけに「難病にかかる医療費を公費で負担するべき」「難病患者を救済するための研究をするべき」などの声が多かったことから、

1972年10月、難病患者のおかれている状況にかんがみ、総合的な難病対策を実施する「難病対策要綱」が策定され、5本の柱を基盤に各種の事業が推進されています。

調査研究の推進
  • 難治性疾患克服研究事業(332疾患が対象)
  • 再生医療実用化研究事業
  • 免疫アレルギー疾患等予防・治療研究
  • 障害保健福祉総合研究事業
  • 子ども家庭総合研究事業
医療施設等の整備
  • 国立精神・神経センター経費
  • 重症難病患者拠点・協力病院設備
  • 独立行政法人国立病院機構の医療機器整備等
  • 重症心身障害児(者)施設整備
  • 進行性筋萎縮症児(者)施設整備
医療費の自己負担の軽減
  • 特定疾患治療研究事業(306疾患が対象)
  • 小児慢性特定疾患治療研究事業(704疾患が対象)
  • 育成医療
  • 更生医療
  • 重症心身障害児(者)措置
  • 進行性筋萎縮症児(者)措置
地域における保健医
療福祉の充実・連携
  • 難病特別対策推進事業
  • 難病相談・支援センター事業
  • 特定疾患医療従事者研修事業
  • 難病情報センター事業
QOLの向上を目指した
福祉施策の推進
  • 難病患者等居宅生活支援事業

「難治性疾患克服研究事業」と「特定疾患治療研究事業」の違い

上記で特に注目してほしいのが、「難治性疾患克服研究事業」と「特定疾患治療研究事業」です。文字だけ見るとなんとなく似て見えますが、別物の事業になります。

難治性疾患克服研究事業・・・難病の研究開発
特定疾患治療研究事業・・・難病患者の医療費助成

 難治性疾患克服研究事業
事業内容 「難病患者を救済するための研究をするべき」で実施された事業。
根本的な治療法が確立しておらず、かつ、後遺症を残すおそれが少なくない難治性疾患について、
病状の進行の阻止並びに患者の身体機能の回復及び再生を目指した画期的な診断法及び
治療法の研究開発の推進に資することを目的とする研究のことです。
実施主体
対象疾患 当初130疾患
2015年1月151疾患
2015年7月332疾患
備考 当初130疾患の中から56疾患が特定疾患治療研究事業の対象になりました。
 特定疾患治療研究事業
事業内容 「難病にかかる医療費を公費で負担するべき」で実施された事業。
難治性疾患克服研究事業における臨床調査研究対象疾患130疾患のうち、原因が不明であって、
治療方法が確立していない、いわゆる難病のうち、治療が極めて困難であり、かつ医療費も
高額である疾患について、医療の確立、普及を図ると共に、患者の医療費の負担軽減を図る事を
目的としています。
実施主体 もともと都道府県
2015年の難病法施行により国と都道府県
それぞれ1/2負担になった
対象疾患 当初56疾患
2015年1月110疾患
2015年7月306疾患
備考 1972年 治療研究の患者に月1万円の協力謝金を支給
1973年 自己負担分を全額公費負担
2015年の難病法施行により「医療費助成制度」として生まれ変わる

難病法とは?

難病法ができた経緯

難病法ができた経緯は、年々、特定疾患治療研究事業の対象患者数が増え続け、さらに難病対策の予算を増やさなければいけなく、実施主体である都道府県(自治体)の負担増が起こりました。

法律に基づかない予算事業として行ってきた特定疾患治療研究事業は、破綻寸前であったため、法定化し消費税の収入を難病患者の医療費助成に充て公平で安定的な制度を確立し実施できるようになりました。

難病医療費助成制度とは?

平成26年5月23日成立した難病法は「難病の患者に対する医療等に関する法律」ともいいます。平成27年1月1日から施行された(旧)特定疾患治療研究事業に代わる新たな制度が「難病医療費助成制度」です。

指定難病とは?

難病法では、医療費助成の対象疾患のことを「指定難病」といいます。指定難病の定義は、上記で紹介した難病の定義に2条件が追加されています。

(新)難病の定義
①発病の機構が明らかでなく

■ 以下のように整理する。
 ①原因が不明または病態が未解明な疾病が該当するものとする。
 ②原因遺伝子などが判明している場合であっても病態の解明が不十分な場合は、①に該当するものとする。
 ③外傷や薬剤の作用など、特定の外的要因によって疾病が発症することが明確であり、当該要因を回避・予防することにより発症させないことが可能な場合は①に該当しないものとする。
 ④ウイルス等の感染が原因となって発症する疾病については、原則として①に該当しないものとする。
ただし、ウイルス等の感染が契機となって発症するものであって、一般的に知られた感染症状と異なる発症形態を示し、症状が出現する機序が未解明なものなどについては、個別に検討を行うものとする。
 ⑤何らかの疾病(原疾患)によって引き起こされることが明らかな二次性の疾病は、原 則として①に該当しないものとして、原疾患によってそれぞれ判断を行うものとする。

②治療方法が確立していない

■以下のいずれかの場合に該当するものを対象とする。
 ①治療方法が全くない。
 ②対症療法や症状の進行を遅らせる治療方法はあるが、根治のための治療方法はない。
 ③一部の患者で寛解状態を得られることはあるが、継続的な治療が必要。
■ 治療を終了することが可能となる標準的な治療方法が存在する場合には、該当しないものとするが、臓器移植を含む移植医療については、機会が限定的であることから現時点では完治することが可能な治療方法には含めないこととする。

③希少な疾病であって

日本全土でおおよそ患者数が5万人未満であること。

④長期の療養を必要とするもの

■ 以下のように整理する。
 ① 疾病に起因する症状が長期にわたって継続する場合であり、基本的には発症してから治癒することなく生涯にわたり症状が持続もしくは潜在する場合を該当するものとする。
 ② ある一定の期間のみ症状が出現し、その期間が終了した後は症状が出現しないようなもの(急性疾患等)は該当しないものとする。
 ③ 症状が総じて療養を必要としない程度にとどまり、生活面への支障が生じない疾患については、該当しないものとする。

※患者数等による限定は行わず、 他の施策体系が樹立されていない疾病を幅広く対象とし、調査研究・患者支援を推進する。
例:悪性腫瘍は、がん対策基本法において体系的な施策の対象となっています。

出典:厚生労働省第14回 指定難病検討委員会資料

指定難病の定義

難病のうち、患者の置かれている状況からみて 良質かつ適切な医療の確保を図る必要性が高いもので、 以下の要件の全てを満たすものを、 厚生科学審議会の意見を聴いて厚生労働大臣が指定

⑤患者数が本邦において一定の人数に達しないこと

■ 「一定の人数」として規定している「おおむね人口の千分の一(0.1%)程度に相当する数」について、以下のように整理する。
 ① 本検討会で議論を行う時点で入手可能な直近の情報に基づいて、計算する。
  ※本邦の人口は約1.27億人、その0.1%は約12.7万人(「人口推計」(平成26年1月確定値)(総務省統計局)から)
 ② 当面の間は、0.15%未満を目安とすることとし、具体的には患者数が18万人(0.142%)未満 であった場合には「0.1%程度以下」に該当するものとする。
 ③ この基準の適用に当たっては、上記を参考にしつつ、個別具体的に判断を行うものとする。
■ 患者数の取扱いについては、以下のよう整理する。
 ① 希少疾患の患者数をより正確に把握するためには、(a)一定の診断基準に基づいて診断され た当該疾患の(b)全国規模の(c)全数調査という3つの要件を満たす調査が望ましいものとす る。
 ② 医療費助成の対象疾患については、上記3つの要件を最も満たし得る調査として、指定難病 患者データベース(仮称)に登録された患者数(※)をもって判断するものとする。
 ※ 医療受給者証保持者数と、医療費助成の対象外であり指定難病データベースに登録されている者 の数の合計
 ③ 医療費助成の対象疾患ではない場合などは、研究班や学会が収集した各種データを用いて 総合的に判断する。当該疾患が指定難病として指定された場合には、その後、指定難病患者 データベースの登録状況等を踏まえ、本要件を満たすかどうか、改めて判断するものとする

⑥客観的な診断基準(又はそれに準ずるもの)が確立していること

 ■ 以下のように整理する。
 ① 血液等の検体検査、画像検査、遺伝子解析検査、生理学的検査、病理検査等 の結果とともに、視診、聴診、打診、触診等の理学的所見も、客観的な指標とする。
 ② 「一定の基準」とは、以下に該当するものとする。
  ア. 関連学会等(国際的な専門家の会合を含む。)による承認を受けた基準や、 すでに国際的に使用されている基準等、専門家間で一定の合意が得られて いるもの。
  イ. アには該当しないものの、専門家の間で一定の共通認識があり、客観的な 指標により診断されることが明らかなもので、アの合意を得ることを目指し ているなどアに相当すると認められるもの。この場合、関連学会等の取りま とめ状況を適宜把握する。

指定難病の数は?

指定難病の数は、当初56疾患でしたが、年々対象が増えて2015年7月から拡大され306疾患に指定されてます。2017年4月からはさらに24疾患増え、330疾患になります。

対象者が増えて嬉しい反面、指定難病から外れてしまった希少難病の方々もいらっしゃいます。世界には7000もの希少難病があるため、今後より多くの希少難病が対象になることを願います。

306疾患については難病情報センターに記載されています。

指定難病の一覧はこちら(難病情報センター)

特定医療費(指定難病)受給者証とは?

指定難病と診断された方が医療費の助成を受けるためには「特定医療費(指定難病)受給者証」が必要になります。都道府県に必要書類を申請することで医療費の助成が受けられます。

有効期限は1年間となっており、期限が近くなると更新のお知らせが届きます。

特定医療費(指定難病)受給者証の申請方法

①都道府県のHPまたは保健所か自治体に行き「臨床調査個人票」を入手する

②難病指定医に「臨床調査個人票」を渡して診断書「臨床調査個人票」を書いてもらう
 難病指定医を調べるにはこちら(難病情報センター)

③お住まいの市区町村の窓口へ「申請書類一式」を提出する(下記の表を参照)

④市区町村から都道府県へ送付

⑤都道府県が審査する

⑥認定の場合は受給者証が送付。基準を満たさない場合は非認定通知書が送付。
※認定の結果が出るまで3ヶ月ほどかかる場合があります。

⑦指定医療機関で「受給者証」を見せると、医療費の助成を受けることができます。
 指定医療機関はこちら(難病情報センター)

申請書類一式
申請書 特定医療費の支給認定申請書
診断書 臨床調査個人票
住民票 申請者及び下記により保険証の写しなどを確認する必要がある構成員が全員含まれて いる住民票
世帯の所得を
確認できる書類
市町村民税(非)課税証明書等の所得状況が確認できる書類
保険証(写しなど) 被保険者証・被扶養者証・組合員証などの医療保険の加入関係を示すもの。
※ 保険証の写し
・患者が国民健康保険又は後期高齢者医療制度に加入している場合は、世帯全員分
・患者が上記保険以外(健康保険組合、協会けんぽ等)に加入している場合は、当該患者分
(患者が被扶養者の場合は、被保険者本人分も併せて必要)
医療保険の
所得区分確認書類
同意書(医療保険の区分確認)
その他必要に応じて
提出が必要な書類
人工呼吸器等装着者であることを証明する書類
世帯内に他に特定医療費又は小児慢性特定疾病医療費の受給者がいることを証明する書類
医療費について確認できる書類
※ 「高額かつ長期」又は軽症高額該当に該当することを確認するために必要な領収書等

医療費助成の内容

自己負担割合は?

指定難病の方が病院にかかる医療費を3割から2割に引き下げられます。
※医療費がもともと1割の方は1割のままで変わりません。

自己負担上限額はどうやって設定されるの?

・世帯全体の所得区分に応じて、自己負担額の上限額が6段階に設定されます。
※医療保険 の高額療養費制度や障害者の自立支援医療(更生医療)を参考に設定されます。
・入退院が多い方でも、外来・入院の区別は設定されません。
・負担上限額は、受診した複数の医療機関の自己負担をすべて合算した上で適用されます。
※薬局での保険調剤及び訪問看護ステーションが行う訪問看護を含む。

所得把握はどうやってするの?

・所得を把握する単位は、医療保険における世帯です。所得を把握する基準は、市町村民税(所得割)の課税額になります。
・同一世帯内に複数の対象患者がいる場合は、負担が増えないよう、世帯内の対象患者の人数で負担上限額が割り振られます。

入院時の食費は?

入院時の標準的な食事療養及び生活療養に係る負担は、患者負担になります。

高額な医療が長期的に継続する場合は?

・自立支援医療の「重度かつ継続」と同水準の負担上限額が設定されます。
※「高額な医療が長期的に継続する患者(「高額かつ長期」)とは、月ごとの医療費総額が5万円を超える月が年間6回以上ある方です。
(例えば医療保険の2割負担の場合、医療費の自己負担が1万円を超える月が年間6回以上)
・人工呼吸器等装着者の負担上限額は、所得区分に関係なく月額1,000円になります。

軽症者の医療費助成は?

助成の対象は症状の程度が一定以上の方ですが、軽症者でも高額な医療を継続することが必要な方は、医療費助成の対象になります。
※ 「高額な医療を継続すること」とは、月ごとの医療費総額が33,330円を超える月が年間3回以上ある場合です。
(例えば医療保険の3割負担の場合、医療費の自己負担が1万円以上の月が年間3回以上)

経過措置はある?

・経過措置の期間は平成29年12月31日までです。
・難病療養継続者の負担上限額は、上記の「高額かつ長期」の負担上限額と同じになります。
・難病療養継続者のうち特定疾患治療研究事業の重症患 者の負担上限額は、一般患者よりさらに負担を軽減。
・難病療養継続者は、入院時の食費負担の1/2は公費負担になります。
※難病療養継続者とは、平成26年12月31日までに特定疾患治療研究事業(旧事業)による医療費の支給の対象となっていて、平成27年1月1日以降も継続して療養の継続が必要とされる方です。

認定された場合の医療費負担はこう変わる

特定医療費の支給認定された場合、今までとどれくらい医療費負担が変わってくるのか。

「認定前」と「認定後」の医療費負担を階層区分(適応区分)ごとに比較しましたので参考にしてください。

認定前の医療費負担
高額療養費制度(70歳未満) 
自己負担割合:3割
  外来+入院
低所得者 (住民税非課税) 35,400円
[多数該当24,600円]
標準報酬月額 26万円以下 57,600円
[多数該当44,400円]
標準報酬月額 28万~50万円 80,100円+(医療費- 267,000円)×1%
[多数該当44,400円]
標準報酬月額 53万~79万 167,400円+(医療費- 558,000円)×1%
[多数該当93,000円]
標準報酬月額 83万円以上 252,600円+(医療費- 842,000円)×1%
[多数該140,100円]
食費:全額自己負担
(参考) 健康保険における入院時の食費
・一般世帯:260円/食
(この他、所得等に応じ210円、160円、100円)
認定後の医療費負担
原 則
自己負担割合:2割
  外来+入院
  一般 高額かつ
長期
人工呼吸器
等装着者
 生活保護 0円 0円 0円
低所得Ⅰ
市町村民税非課税
(~本人年収80万)
2,500円 2,500円 1,000円
低所得Ⅱ
市町村民税非課税
(本人年収80万超~)
5,000円 5,000円
一般所得Ⅰ
市町村民税
課税以上7.1万未満
(年収約160~約370万)
10,000円 5,000円
一般所得Ⅱ
市町村民税
7.1万以上25.1万未満
(年収約370~約810万)
20,000円 10,000円
上位所得
市町村民税
25.1万以上
(年収約810万~)
30,000円 20,000円
食費:全額自己負担(参考)
健康保険における入院時の食費
・一般世帯:260円/食
(この他、所得等に応じ210円、160円、100円)
関連記事 2017年8月 高額療養費制度改正|限度額引き上げのポイントを解説

 

指定難病の自己負担割合は?

特定医療費は、医療保険制度、介護保険制度の給付が優先されます。通常は、医療費の7割を医療保険が負担、残りの3割を患者が自己負担ですよね。

特定医療費の支給認定を受けた場合は、指定医療機関での窓口負担が、自己負担上限額(月額)までになります。 ただし、自己負担上限額と医療費の2割を比較して、自己負担上限額の方が上回る場合は、医療費の「2割」が窓口での負担額となります。

では一般所得Ⅰの方の月にかかる医療費に対する特定医療費負担「2割」と「月額10000円」では、どっちが優先されるのか計算してみました。優先される方にマークが付いていますので参考にしてください。

月にかかる
医療費
特定医療費
2割 月額
1万 2,000円 10,000円
2万 4,000円 10,000円
3万 6,000円 10,000円
4万 8,000円 10,000円
5万 10,000円 10,000円
6万 12,000円 10,000円
7万 14,000円 10,000円
8万 16,000円 10,000円
9万 18,000円 10,000円
10万 20,000円 10,000円

これをみると一般所得Ⅰの方は、月にかかる医療費が5万円を境に医療費負担額は1万円となることがわかりますね。

医療費助成の給付対象となる場合

医療 介護
  • 診察
  • 薬剤の支給
  • 医学的処置、手術及びその他の治療
  • 病院又は診療所への入院及び
    その療養に伴う世話その他の看護
  • 居宅における療養上の管理及び
    その治療に伴う世話その他の看護
  • 訪問看護
  • 訪問リハビリテーション
  • 居宅療養管理指導
  • 介護療養施設サービス
  • 介護予防訪問看護
  • 介護予防訪問リハビリテーション
  • 介護予防居宅療養管理指導

医療費助成の給付対象にならない場合

  • 受給者証に記載された病名以外の病気やけがによる医療費
  • 医療保険が適用されない医療費(保険診療外の治療・調剤、差額ベッド代、個室料、入院時 の食事等)
  • 介護保険での訪問介護の費用
  • 医療機関・施設までの交通費、移送費
  • 補装具の作成費用や、はり、きゅう、あんま、マッサージの費用
  • 認定申請時などに提出した臨床調査個人票(診断書)の作成費用
  • 療養証明書の証明作成費用

おわりに

指定難病に24疾患が加わり、医療費助成を受けれるのは嬉しいことです。しかし、指定難病の定義に当てはまっていないだけで今も生活に支障をきたしている方が大勢います。

難病事業での財源が足りないのであれば、新たな税を導入するなど、難病で苦しんでいる全ての人が平等に医療費助成を受けることができる制度が必要だと思います。

関連記事 ALS患者や重度障害者などの入院中ヘルパー利用が解禁される

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