2019年4月に障害者手帳がカード化され変わる!メリット・交付要件を解説

障害者手帳カード化 制度

2019年4月、障害者福祉に関する省令の改正によって、これまで手帳の様式で交付されていた障害者手帳の、カードでの交付が可能となります。

療育手帳についてはすでにカード化が導入されていますが、障害者手帳もより耐久性があり便利なカード型を導入することになりました。

このカード型の障害者手帳がどういったものなのか、またその交付について詳しく調べてみました。

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障害者手帳の取得者数

平成28年度の厚生労働省「生活のしづらさなどに関する調査」によると、障害者手帳所持者総数は223万7000人で、うち男性が128万人(57.2%)で女性は95万人で42.5%となっています。

このうち、身体障害者手帳所持者は、108万2000人で、うち男性59万3000人(54.8%)女性48万6000人(44.9%)
療育手帳所持者は79万5000人のうち、男性49万7000人(62.5%)女性29万5000人(37.1%)
精神障害者保健福祉手帳所持者は59万4000人で、そのうち男性30万7000人(51.7%)女性28万2000人(47.5%)

となっています。

出典 内閣府:障害者手帳保持者数

カード化への背景

障害者手帳のカード化については、持ち運びがしやすく便利だとして、以前から要望がありましたが、現行では手帳のページに新たな情報等を加筆していく仕様となっていたため、カード化は難しいとされてきました。

しかし、以下のような理由から、障害者手帳のカード化も実現に向けて話し合われてきました。

  • マイナンバー制度の導入で情報を効率的に処理できる環境になってきたこと
  • 健康保険証などのカード化が進んでいること

これまで加筆していた身体障害者手帳の補装具費の支給状況等の記載方法やその必要性、精神障害者保健福祉手帳の更新日をカードの裏面に記載できるようにすることなどが検討された結果、自治体の選択でカード化も可能とすることとなりました。

障害者手帳カード化の概要

今回カード化される「障害者手帳」とは、障害を持っている人が福祉サービスなど援助を受ける時や、企業の障害者雇用枠に応募する時に、証明書として提示が必要となる手帳です。「身体障害者福祉法施行規則」及び「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律施行規則」に、その様式等が定められています。

平成25年度からは、国の指定難病であるという医師の診断を受けた人も、症状により障害者手帳の交付対象となりました。

導入時期は自治体による

障害者手帳のカード化とその時期は自治体の判断にゆだねられていて、2019年の4月の省令改正以降に、徐々に各自治体で導入が進むと思われます。

当事者による手帳・カードの選択ができる

障害者手帳のカード化は義務ではなく、基本的に希望する場合にカードでの交付がされるもので、当事者は手帳かカードの好きな方を選ぶことができます。

障害者手帳カードのサイズ・仕様

カードの仕様については

  • プラスチック等の耐久性のある材料を用いること
  • 潜像、特殊形状スクリーン、パールインキ等の偽造防止対策を施すこと
  • 備考欄及び有効期限の更新は、手書きでの記載や押印が可能な加工を施すこと
  • カードの縁に「切り欠き」を入れる、点字シールを貼るなど、視覚障害者が触ってわかるような仕様をすること

など、所持者に配慮した内容が厚労省から通知されています。

身体障害者手帳カード

身体障害者手帳カード

身体障害者手帳カードは、縦53.98㎜、横85.6㎜の耐久性がある素材でできたカードで、表面には所持者の住所・氏名・生年月日などの基本情報と、障害の等級、運賃割引の区分などが記載され、顔写真も添付されています。

裏面は備考欄として、住所変更などがあれば記載できるようになっています。

精神障害者保健福祉手帳カード

精神障害者保健福祉手帳カード

精神障害者保健福祉手帳カードの、大きさ・素材等は身体障害者手帳のカードと同様です。

表面に住所・氏名・生年月日、障害の等級など、所持者の基本情報が記載されている点も同じですが、券面には障害者手帳とだけ書かれていて、精神障害については表面に記載されていません。

裏面は更新日が記載できるようになっています。

「現行手帳のデメリット」と「カード化のメリット」

現行の手帳は以下のような声がありました。

女性
持ち運びの際にかさ張ってしまい不便です。健康保険はカードなのになぜ障害者手帳はいまだにカードじゃないの?
男性
汚したり傷つけてしまいやすいです。実際に汚しました。紙ですとどうしても耐久性がないですし・・・。
女性
交通機関を利用する際に開いて見せる必要があり面倒ですし不便ですね。

現行手帳に比べて「カード化のメリット」は、

カード化のメリット
  1. 薄くて財布などに入るため持ち運びがしやすいこと
  2. 破れや汚れなどで傷むことが少なく耐久性がある
  3. 提示しやすい
  4. プライバシーへの配慮

という点です。

また現行では傷病名と障害の程度の両方を記載することになっている身体障害者手帳ですが、カード化によって記載するスペースが狭くなることもあり、視覚障害や聴覚障害など障害の種別のみの記載となったことで、プライバシーへの配慮という点でもメリットといえます。

療育手帳は既にカード化

療育手帳についてはすでにカード化されていて、導入した自治体のひとつ山口県では、障害者団体の要望により2015年4月にカード化を導入したところ、約4割がカード化を選択しているといわれています。

特に、更新が必要なタイミングでカード化を選択することが多いようです。

参考 カード型療育手帳の導入について(埼玉県議会公明党議員団)

障害者手帳の種類と交付要件

障害者手帳は、身体・精神の障害や疾患、状態によって等級や種類が区分され以下の3種類になります。

・身体障害者手帳
・精神障害者保健福祉手帳
・療育手帳

交付の申請はいずれも、各自治体の障害者福祉に関する担当窓口や保健センターなどに必要書類を提出し行います。
申請は原則本人が行いますが、身分証明書の提示で家族が代理で行うことも可能です。

交付申請に必要なもの

どの手帳の申請にも、おもに以下のような書類が必要になりますが、自治体により異なる点もあるので、詳細については申請先に確認してください。

必要書類

  • 医師の診断書、意見書
    *作成日が申請日からおおむね3か月以内のもの
    (精神疾患の場合、診断書は初診から6か月を経過して作成されたものという条件も加わります)
  • 申請書
  • 本人写真(申請前1年以内に撮影、たて4cmよこ3cm)
  • 他に交付を受けている手帳、障害年金等があればその証書の写し等
    *療育手帳の申請では6か月以内のものという場合もあり、母子手帳や知能検査などの結果を記したもの、成績証明書を求められることもあります。
    *各手帳とも申請時にマイナンバーの記載とマイナンバーカードの提示が必要で、マイナンバーカードが無い場合は、マイナンバーの通知カードや住民票記載事項証明書、個人番号の記載された住民票の写しのいずれかと、他に運転免許証やパスポートなどの2点での確認が必要になる場合があります。
    (マイナンバーは障害者手帳に記載されることはありません)

申請後、審査が行われ認定の可否が決まります。
認定された場合は、担当窓口等に出向いて説明を受けてのち手帳を受け取ります。
(受け取りには印鑑が必要です)

「身体障害者手帳」の交付要件

身体に一定以上、永続的な障害を負っていることが交付の要件とされていて、該当する障害の種類は次の通りです。

  • 該当する障害
  • 視覚障害
  • 聴覚または平衡感覚の障害
  • 音声・言語機能または咀嚼機能の障害
  • 肢体不自由
  • 心臓、腎臓または呼吸器機能の障害
  • 膀胱または直腸の機能障害
  • 小腸の機能障害
  • ヒト免疫不全ウィルスによる免疫の機能障害
  • 肝臓の機能障害

身体障害の等級は1~6級に分かれ、7級の障害は単独では交付対象から外れますが、7級の障害が二つ以上重なる場合や6級以上の障害と重なる場合は対象となります。交付は都道府県知事、指定都市市長または中核市市長が行います。

障害の認定基準については度々見直しがあり、最近では2018年4月に腎臓機能障害について、また2018年7月に視覚障害についても、認定基準の見直しに関する通知が行われています。

申請の際は該当する疾患であることを診断した「身体障害者福祉法第15条指定医」が作成した診断書が必要です。
診断書の発行には10,000円程度の費用が掛かり、当日または1週間ほどで発行してもらえます。
申請は15歳未満は保護者が行い、他は原則本人が行います
申請後約1~2か月で手帳が交付され、医療費や補装具の助成、税金の減免、公共料金等の割引などを受けることができます。

参考 厚生労働省:手帳制度及び就労支援に関する資料

「精神障害者保健福祉手帳」の交付要件

以下の判定を受け、認定されると交付されます。

統合失調症、うつ病、躁うつ病、てんかん、薬物・アルコールによる急性中毒またはその依存症、高次脳機能障害、発達障害、その他の精神疾患による機能・能力(活動)の障害

申請には精神保健指定医または精神障害の診断・治療に従事する医師による診断書が必要で、病名や症状の他、詳しい経過や日常生活能力など細かい記載項目が定められていて、初診日から6か月以上経過した時点での診断であることが条件になっています。

精神障害者保健福祉手帳の等級は1~3級に分けられ有効期限は2年間2年ごとの更新が必要になり、状態が変わったときにはその都度変更を申請することもでき、更新の手続きは有効期限の3か月前から可能です。
手帳の提示で、所得税や住民税の減免や控除、公共施設等の割引利用などができます。

参考 厚生労働省:手帳制度及び就労支援に関する資料

「療育手帳」の交付要件

療育手帳は、

発達に遅れがある子どもや知的障害者など、児童相談所または知的障害者更生相談所において知的障害と判定された人

を対象に、福祉制度を受けやすくするために都道府県知事または指定都市市長が交付します。

療育手帳には全国で統一された決まりは無く、各自治体が独自で行っている制度です。

名称は自治体により様々ですが、保育・教育での援助、医療費の助成・割引、税制面の優遇などを受けることができる点は、ほぼ共通しています。

療育手帳の交付の可否の判定基準は重度(A)とそれ以外の(B)に分けられます。

(A)=重度の基準

知能指数がおおむね35以下で次のいずれかに該当するもの

  • 食事、着脱衣、排便など日常生活の介助が必要
  • 異食(土や紙など食べ物ではないものを食べてしまうこと)興奮などの問題行動があること

(B)の基準

A以外のもの

おわりに

現在の障害者手帳はおおむね11.5cm×8.5cmと大きく、ページ数があり厚みもあるものでした。コンパクトなカード化は、手帳を所持している人にとっては喜ばしいことでしょう。

今回この記事を書くにあたり、障害者手帳について身分証明書としての認識が一般に浸透していない、という所持者の声も目にしました。

カード型の障害者手帳の普及をきっかけに、一般にもこの手帳や障害を持つ人への理解が広まっていくといいですね。

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