高齢者の自動車運転による交通事故が増加してる3つの原因

自動車

多くの高齢者ドライバーは、安全運転を心掛けているはずなのに自動車事故を起こしてしまっています。高齢者による交通事故を過去10年間で振り返ってみると、高齢者は被害者から加害者へと移り変わってきました。

では高齢運転者が交通事故を起こしてしまう原因はいったい何なのでしょうか?1つずつ見ていきましょう。

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高齢運転者の交通事故の特徴・特性

まず、事故をおこしてしまう原因の前に、高齢運転者の事故における特徴や特性を知る必要があります。特に以下の6つはよくやってしまう運転行動でもありますので、自分や家族が行っていたら注意しましょう。

  • 相手が止まってくれるだろうという判断の甘さ
  • 相手を早く発見しても、判断ミスで対応が遅れる
  • スピードは遅くても減速のタイミングが遅れる
  • 相手を発見しても、途中で相手から目を離す
  • 危険に直面しても、アクセルから足を離すのが遅れる
  • 相手を発見しても、ブレーキを踏まない

高齢運転者の違反別交通事故

交通事故を起こした65歳以上の高齢運転者による違反は以下になります。安全不確認や交差点安全進行が半数以上を占めていることから、「慣れ」や「だろう運転」によって引き起こされた事故であると言えます。

違反別にみた交通事故発生状況

高齢運転者の人的要因別交通事故

以下は高齢者による交通事故の直接的な原因をグラフにしたものです。「発見の遅れ」が多いことから脇見運転などをして、気付いて発見してから瞬時に反応する反射神経や判断力が低下していることがわかります。高齢運転者の人的要因別にみた交通事故発生状況

原因① 高齢者の過信運転

意外かもしれませんが、自分の運転テクニックに自信を持っている高齢者ドライバーは非常に多いです。その理由の1つとして長年、車を運転してきているため、過去の運転経験に過度に囚われてしまっているからでしょう。

その証拠として年代別に自動車運転の自信についてのアンケート調査結果が以下になります。

年代別事故を回避できる割合

各年代別に比較してわかる通り「20代が17%」に対して「75歳以上が52%」と若者を大きく引き離し、自身の運転テクニックに自信を持っています。かなり危険な数字ですよね。

危険な「だろう運転」に繋がっている

「何十年も運転してきている道」「通い慣れたスーパー、病院」など長年同じ道を運転しているため「事故を起こす要素は無い」と自信を持ってしまうかもしれませんが、過信はいけません。

「この道は車来ないだろう」「人は飛び出さないだろう」といった甘い認識が事故へと繋がっているケースが非常に多いです。

高齢者に多い事故
  • 出会い頭事故と追突事故が多い
  • 交差点での出会い頭事故と、右折時の事故が多い
  • 買い物、通院、訪問などの運転の事故が多い
  • 一時不停止、信号無視、安全運転義務違反が多い
  • 信号無視、一時停止、運転操作不適の割合が多いのは「過信」「うっかり」などのミスが関係している

原因② 自尊心の高さ

自分は他人よりも優秀である

では、なぜ過信してしまうのか、特に高齢者に過信する人が多い理由。それは、自分は同年代の誰よりも優れているという自信が非常に高いためです。

「事故を起こしたのは反射神経悪い爺さん婆さんだから。俺(私)は違う。全然大丈夫」など自分は他の人とは違うといった意識が強くあります。その大きな理由としては以下になります。

  • 交通事故など1度もしたことない
  • 無事故で無違反
  • 身体の衰えは感じない(認識しようとしない)
  • いつまでも自分は若いと思っている

こうした自尊心の高さは高齢者の特徴でもあります。自分にとって都合の悪い情報は聞き入れない場合もあります。

しかし悪いことだけではなく、自己への絶対的な自信は生きる上で必要なことです。このようなポジティブな自己認識を否定せずに、危険な場合は運転を辞めさせてあげることが大切です。

原因③ 身体機能の衰え

自分ではなかなか気付きにくい

免許証を返納するとしたらどんな時なのか?を高松市が65歳以上を対象にアンケートを行った結果が以下になります。ダントツ1位が「身体的な衰えを自覚したら」になります。しかし自分で自覚することはなかなか難しいです。

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衰えによる運転行動とは?

「身体の衰えは感じない」「自分は若いと思っている」と言っても高齢になるにつれ、自分が気付かないうちに身体機能はだんだんと加齢とともに低下していっています。

自動車運転に必要な身体的機能としては、視力、動体視力、聴力、判断力などさまざまな能力が必要になってきます。では具体的に高齢運転者は身体機能の衰えにより、どのような心身の変化があるのか以下をご覧ください。

身体機能 運転行動
視力
  • 他の車を見落としてしまう
  • 他の車の速度を誤ってしまう
  • 標識や信号などを見落としてしまう
  • 小さい対象物を見落としてしまう
聴力
  • パトカーや救急車が近づいてもわからない
  • エンジン音が聞きとりずらくなる
  • 踏切の警報音が聞こえない
判断力
  • 瞬時に判断ができず遅れてしまう
  • 判断や決定をする情報の処理に時間がかかる
  • 複数の情報処理をすることが苦手
反射神経
  • 気付いてから操作に移る時間が遅れる
  • 今でも素早い行動ができる錯覚をする
  • 意識に行動がついていかない
  • 瞬時に対応することができない

老化による身体機能の低下とは?

ではなぜ上記のような運転行動になってしまうのか。さらに老化による身体機能を細分化して見ていきましょう。

視力について 

  • 動体視力の低下・・・40代から徐々に低下し60代には加速して低下します。
  • 視野が狭くなる・・・視力だけでなく視野も狭くなり、運転中速度が出ると余計気付かない
  • コントラストが感じずらい・・・コントラストとは明るい部分と暗い部分の明度の差であり、この差が小さい物を見分けることが困難になる
  • 暗順応の低下・・・明るいところから暗いところに入るとしばらく見えづらい(トンネルなど)
  • 目が眩みやすい・・・夜間、対向車のライトによって目が眩み回復するまで時間がかかる

聴力について 
老人性難聴の場合、高音域から会話音域、低音域へと低下していきます。聴力は個人差がありますが、60代以降から言葉の聞取り能力が低下していきます。

判断力について 
個人差があり、60代以降から複数のことを同時に行うと、その作業の速さや判断の正確さが低下していきます。

反射神経について 
これも個人差があり、速い人もいれば遅い人もいます。

睡眠について 
年を重ねると疲れがなかなか取れなく、睡眠の質が低下します。また尿も近くなりトイレに起きることで睡眠時間が短くなる傾向もあります。

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認知機能の低下により起こる違反行為

視力や聴力、判断力などの認知機能の低下によって高齢運転者の違反が目立つようになります。認知機能に問題がない人に比べてどれくらいの割合で違反しているのか以下をご覧ください。

  認知機能低下の恐れの人 認知症の疑いがあるの人
信号無視 2割増 13割増
一時不停止 3割増 8割増
運転操作不適 3割増 4割増
進路変更 2割増 5割増

高齢運転者が事故を防ぐためにできること

運転チェックリストをやってみる

自分では身体機能や認知機能の低下はなかなかわかりづらいものです。そこで熊本大学大学院教授の池田学先生が作成された運転チェックリストをやってみてください。

▢ センターラインを越える
▢ 路側帯に乗り上げる
▢ カーブをスムーズに曲がれない
▢ 車庫入れに失敗する
▢ 普段通らない道や悪天候時に迷ったり、パニック状態になる
▢ 話しかけると、運転に集中できなくなる
▢ 中間距離が短くなる

上記が1つでも当てはまり、それが何度も繰り返しているようであれば、認知症専門外来に1度行かれることをおすすめします。

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免許更新時の高齢者講習で確認してみる

70歳以上から運転免許証の更新時には高齢者講習の受講が義務付けられました。高齢者講習の内容は、認知機能低下の防止ビデオによる講義、運転適性検査機材を使って動体視力や夜間視力、視野範囲などの検査、最後に実際に運転をして運動機能や判断力などテストします。

高齢者講習では70歳~75歳までなら2時間、75歳以上であれば2~3時間の講習を行います。

  • 双方向型講義(30分)
  • 運転適性検査(30分)
  • 実車指導(60分)

実際にやってみると意外と難しかったりする場合があります。万が一、検査結果が悪かったり実車でミスが多かった場合は運転免許の自主返納も考えた方がいいかもしれません。

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安全運転講習会に参加する

各都道府県にて1996年より開催されている「シニアドライバーズスクール」と「セーフティトレーニング」をご存知でしょうか?日本自動車連盟(JAF)や全日本交通安全協会、日本自動車工業会(JAMA)が主催して行っているシニア向けの安全運転講習会です。

マイカーの点検方法から深夜の運転注意点、救命方法、乗車姿勢、実車にて外周走行・交差点通過方法・車庫入れなど安全運転技能の向上促進などを目的して行われています。

  シニアドライバーズスクール セーフティトレーニング
開催日程
  • 毎年4月~翌年1月くらいまで
  • 全国38会場で開催予定
  • 毎年4月~翌年3月くらいまで
  • 全国37会場で開催予定
参加資格 普通自動車運転免許所持者で免許取得後1年以上の方 50歳以上の普通運転免許所持者で免許取得後1年以上の方
募集人数 各会場15~30人 
使用車両 参加者の自家用乗用車 
時間 全日コース 約6時間(休憩含む)、半日コース:約4時間 
参加料
  • 全日コース 4,115円
  • 半日コース 2,057円
  • 全日コース 3,086円
  • 半日コース 2,057円
講習内容
  • クルマの点検・運転姿勢・車の死角確認
  • 正しいハンドル操作と内輪差の確認
  • 滑りやすい路面でのブレーキ体験
  • 信号を使った反応ブレーキ体験
  • コーナーリング特性
  • 危険からの回避
  • 交差点における安全な右折方法
  • 見通しの悪い交差点の安全な通過方法
  • いきいき運転講座(座学)
  • 視機能診断
  • ASV(先進安全自動車)技術の体験

実践的なトレーニング指導や実車体験をすることで、日頃の運転で普段できてない箇所、忘れている部分などを知ることができるため、参加者には大変好評です。少しでも運転に不安な方は一度受けてみてはいかがでしょうか?勉強になりますよ。
※JAFの安全運転講習会への参加は会員登録が必要になる場合があります。

要チェック  全日本交通安全協会の講習会情報はこちら
要チェック  日本自動車連盟(JAF)の講習会情報はこちら

 

高齢運転者マークを車に付ける

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高齢運転者標識いわゆる高齢運転者マークはご存知でしょうか?四葉のクローバーにシニアの白いSの文字を組み合わせたマークです。平成23年2月から施行され、70歳以上の人は努力義務で車に表示をすることになっています。旧デザインはもみじマークです。

この高齢運転者標識を付けることで運転中の判断が遅くなっているかもしれないことを周りのドライバーに周知し、配慮してもらうことができます。

また、こちらを表示させている車に対して「幅寄せ」や「割込み」をした場合は、道路交通法違反になり、5,000円~7,000円の反則金が取られます。

自分が高齢運転者マークを付けることで、配慮してもらうだけでなく、周りのドライバーに安全運転を喚起する大切なマークでもあるため、「かっこ悪い」と思わずに交通安全を広めていきましょう。

おわりに

誰しも慣れてくると過信してしまうものです。しかし、その過信によって瞬時に交通事故の加害者へとなってしまいます。そうならないためにも車に乗るときはいつも初心に戻り、安全確認、交通ルールを守って運転してください。

特に安全運転講習会に参加することで自分の運転技術を見つめなおすいい機会になりますよ。

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