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前頭側頭型認知症(ピック病)特徴症状は?原因や治療法を公開!

(最終更新:2018年1月27日)
前頭側頭型認知症(ピック病)特徴症状は?原因や治療法を公開!

タイプにより前頭側頭型認知症(読み方:ぜんとうそくとうがたにんちしょう)はいくつかの種類にわけられます。脳の神経細胞の異常により発症する疾患で、正しくは前頭側頭葉変性症(読み方:ぜんとうそくとうようへんせいしょう)と言い、意味性認知症、進行性非流暢性失語などの疾患も含まれます。前頭側頭型認知症の詳細な原因やメカニズム、治療法などはよくわかっていませんが、この病気は大脳の前頭葉と側頭葉に萎縮が起こるのが特徴で、いろいろな認知症の症状が出て来ると考えられています。

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前頭側頭型認知症の特徴と原因

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発症は初老期が多い

前頭側頭型認知症は、40代から60代の初老期に多く発症し、専門外来を受診する人の認知症全体の中では7%くらいとのデータが出ています。前頭葉変性症型とpick(ピック)型、運動ニューロン型が含まれ、日本ではごくまれな遺伝子異常のタイプ以外は、家族歴がある遺伝はないと考えられています。

神経細胞の中に異常構造物のピック球やTDP-43というたんぱく質が溜まるなどの異なる原因があり、反社会性・無関心・言葉の理解力の低下など症状は様々です。

アルツハイマー型認知症との違い

アルツハイマー型認知症とは違い、初期症状ではもの忘れといった記憶障害はほとんど見られず、症状が進行しても日常においての失敗などは目立ちません。この病気の場合、前頭葉や側頭葉が委縮してしまうため言葉の意味がわからなくなり、人格障害でガラッと全く違う人のように変わるのが特徴です。

前頭側頭型認知症の症状

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まず、症状として初めに現れるのが、ピック病と言われる性格の変化です。しかし、周囲に対する気遣いや配慮ができない、自発的な意欲がなくなる、などうつ病や統合失語症などの精神疾患にも症状が似ていることから、周囲の人も認知症ではなく、初めは精神の病気を疑ってしまうようです。

社会的マナーや礼儀、行儀などの社会的対人行動

周囲の態度にも無関心になり、周りの迷惑も関係なく、我が道を行く行動(going my way behavior)が特徴で、社会的なルールが守れなくなり、性的なハラスメントや万引き、他人の家に勝手に上がり込んでしまうなど「欲動性脱抑制」と言われる行動異常が見られます。

自発性の低下

喜怒哀楽の感情が鈍麻し、自発性がなくなり、周囲に対する配慮に欠けた行動が見られ、それを制止すると興奮したり暴力を振るうようになります。また、周囲を無視し馬鹿にした態度や自己中心的な行動を取るようになります。

常同的行為による食の変化や行動障害

毎日同じものを食べ続けたり、甘いものや濃い味付けを好むなど嗜好が変化し、いつも同じ道順で歩き続けたり、毎日決まった時間に決まったこだわりの行為をする時刻表的生活をすることもあります。

また、言語能力の低下により、他人に限らず幼い孫を含めた家族に対しても、敬語を常同化して使う意味性認知症も進行すると、前頭側頭型認知症と同じような精神の行動障害が現れ日常生活に支障をきたすようになります。

語義性失語や滞続言語などの言語障害

例えば、普通に電話を使っていても電話という言葉の意味が分からず、それが電話だと答えられないなどの語義性失語、そして、状況に関係も意味もなく同じ言葉やフレーズを繰り返す反復言語はピック病特有の症状です。

その他の症状

運動障害や認知機能障害なども認められ、進行するにつれ椅子に座ったり、ベッドで何もせずに過ごすようになると筋萎縮や筋力が低下し、運動ニューロン疾患を合併することがあります。それにより運動機能が障害される廃用症候群の為に寝たきりになってしまう可能性があります。

前頭側頭型認知症の検査の仕方

前頭側頭型認知症では、認知症の専門医が画像検査で診断します。脳の形を調べる形態画像診断CTやMRIで脳の形や萎縮の状態を見ます。そして、脳の機能を調べる精神機能画像診断「SPECT」(シングル・フォト・エミッションCT)では、脳の血流低下の状態がわかり、認知症の原因を診断することが出来ます。

前頭側頭型認知症の対応の仕方

反社会的行為が目立つ

前頭側頭型認知症は比較的若年層でも発症する病気ですが、まだ認知度も低く、周囲にとっては迷惑になる痴漢や万引きなどの反社会的(非常識な)行為が発覚して、初めて家族も本人の異常に気付くということも多いようです。

反社会的行為は、同じ店や場所で何度も繰り返されますが、人格が変わり事件が発覚しても平然として悪びれた様子もなく、無関心さや生活態度の変化の対応方法には介護する家族も困難を極めます。

笑顔で優しく接すること

対応の仕方としては、常同行動と言われる日々同じことを繰り返す習慣をうまく利用し、許容範囲で行動を見守り、日常生活での支持や会話は簡単に、そして丁寧にわかりやすく、なんども繰り返すことが大切です。

笑顔には笑顔で、怒っていると怒った顔をしますので、笑顔でジェスチャーをしながら優しく接することを心がけます。しかし、危険を伴う行動については、怒るのではなく「それはだめ」だとか明確な態度で止めさせるようにします。

コウノメソッドの薬物療法について

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「コウノメソッド」は、陽性症状の強い認知症でも治療に最適な薬物療法で家庭介護が続けられるように、河野和彦医師が副作用の少ない薬剤の種類や量などを細かくマニュアル化した治療体系です。

コンセプトは、

  • 「家庭天秤法」
    介護者が副作用を出さないように患者の様子を見て薬の量を加減する
  • 「介護者保護主義」
    どちらか一方しか助けられない時は介護者を優先して助ける
  • 「サプリメントの活用」
    健康食品であるフェルラ酸サプリメントなど

この3本柱が処方の哲学としています。

コウノメゾットの効果

処方が難しいとされるピック病の陽性症状には、ウインスタミン、セルシン、セロクエルなどの抑制系の薬物療法が効果的で、フェルラ酸(米ぬか由来ポリフェノール)が前頭側頭型(非ピック病)やピック病などほかの認知症にも7割の効果がみられるなど成果を上げています。

コウノメゾットは薬物療法に主軸を置き「介護ゼロ運動」を掲げ、緻密に作用や副反応のデータをとり年に1回改訂されています。一般の医者よりコウノメゾットを理解している一般人の方が薬の判断に優れていると言われ、本人や家族の負担を減らすおすすめの治療法として注目されています。

※2015年に、前頭側頭葉変性症の前頭側頭葉認知症、意味性認知症が特定疾患(指定難病)に認定されました。65歳以下で発症し、症状の程度が重症度分類3以上の場合に難病と認定され、治療に必要な大幅な医療費の助成が受けられ、ピック病患者は介護保険サービスを受けることが出来ます

まとめ

日常の中で会話に興味を示さない、自分にとって特定なものには執着する、自分の態度や行動を非難されても深刻に受け止めない、などの反応があったら専門医に相談しましょう。本人の病識はなく、行動や性格の変化など特徴的な症状があっても診断が難しく、少なくても6ヶ月以上、専門医でも診断に平均2年はかかると言われています。

発病してから徐々に年単位でゆっくりと進行し、寿命や余命はアルツハイマー型の平均寿命に比べると少し短い傾向にあり、大体2~15年と言われ、10年以内に衰弱死することが多いようです。運動ニューロン疾患の場合は平均で約4年と言われています。

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